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2014年11月21日

第115回「但馬屋(大阪・天満)/キムチ天」

ついに実現!大阪ハシゴ酒編 〜その3〜

今回は、大阪ハシゴ酒編、全3回シリーズの、その3です。
その1、その2はこちらからご覧下さい。

ついに実現!大阪ハシゴ酒編 〜その1〜 第113回「堀内酒店(大阪・天満)/おでん」
ついに実現!大阪ハシゴ酒編 〜その2〜 第114回「魚介(大阪・京橋)/天然生マグロ」


大阪初日の夜は計5軒をハシゴし、存分にその安さ、美味しさ、懐の深さを満喫した我々(ラズウェル細木先生、チミドロスズキナオさん、僕の3人)ですが、その最中、当然こんな会話がありました。

「明日は何時から飲みましょうか?」

そう、このメンバーで「明日の日中はどうしましょう?ゆっくり起きてどこか観光でもしますか?」なんて話にはなるはずもありません。
焦点は“何時に飲み始めるか?”それだけ。

2日目も、まだまだ行ってみたいお店満載の“天満”で飲もうということだけは決まっており、1日回った感じだと、最も早くて9時オープンという居酒屋を見かけていました。

「9時でどうでしょう?」
「うん、了解」

というわけで、2日目は9時に天満駅前に集合、夕方のイベント「居酒屋パリッコ」まで居酒屋を回ってみることになりました。
まぁ、イベントも飲み会なんですけどね。

ちなみにこの日はかなり大型の台風がバッチリ近付いてきているというタイミングで、大阪の環状線が朝のうちに「本日夕方以降の運行を休止します」と発表するという前代未聞の事態。
ただでさえ慣れない土地に、輪をかけた非日常感、はっきり言って、よけいワクワクしてしまいます。

ナオさんの家に泊めてもらった僕とナオさんが9時ちょうどに駅に着くと、すでにラズ先生はスッと駅前に立っていらっしゃり、なにかアスリートのような神々しささえ感じる佇まい。
身が引き締まります。


さっそく一軒目を決めようと天満駅周辺を一周し、9時オープンの「但馬屋(たじまや)」さんに決定!




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元気に営業中



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そして当然のように安い!



大阪にはビンビール大瓶が300円台のお店が多いというのは以前にも触れましたが、この350円は最安クラスなんじゃないでしょうか!?

関係ないけど、今気付いたのが、右側に写り込んでる自販機のソフトドリンクまでもが安い!

入店すると、縦に長〜く反対側の通りまで抜けている店内の壁に、整然と並ぶ短冊メニューが圧巻。




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この品数の多さと美しさが、



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脳のなんか気持ちいいスイッチを押してくる



あ〜たまんね〜!
朝の9時から、こんな風景の中で飲めるなんて!




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ちなみにオープン直後なので一番乗りでした



さっそくビールで乾杯し、朝一番のつまみはこちらから。




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きずし(380円)



ずっと憧れていた本場の“きずし”と、ついにご対面!
ちなみにきずしとは、見ての通り他の地方で言う“シメサバ”なんですが、西日本ではこう呼ばれており、関東のものに比べるとしっかりと締められている傾向にあるようです。

刺身とシメサバの中間のようなトロッとしたものもいいんですが、居酒屋で食べるよく締まった鯖というのもまた、酒のつまみにいいんですよね〜。

カウンター上の一番目立つ位置には「フェイス」「イヤリング」「エチオピア」など、見慣れないメニューが並んでいます。
気になってお店の大将に「どういうものですか?」と伺ったところ、それぞれ豚の顔の身、耳、豚足だそうで、関西独特の呼び名というわけではなく、大将が勝手に付けてるようでした。
特に難解なエチオピアは、エチオピアの英雄、陸上選手の“アベベ”→ 裸足のランナー → 足?という連想からきているようで、かなり強引ですね。
まぁその説明聞いたおかげで頼んじゃったんですが。




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エチオピア(350円)



食べかけの写真ではなく、柔らかくなった肉が骨から離れてしまってる状態です。
酢味噌よりもちょっと刺激を抑えたあっさり味のタレが、独特のムチッとした食感に絡み、酒が進む。

これを夢中で食べていると、大将がやってきてアドバイスしてくれました。
「なかなか食べるのうまいね〜。けどここを折ったらもっと食べやすくなるで」と、どうやら、褒めて伸ばすタイプの大将のようですね。

ところでさっきからひとつ気になっていたことがあります。
カウンター席の椅子の前に、1、2、3、4、5…と数字が振ってあるんですが、特等席とも言える中央付近のみ、




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“B”“KA”“KB”



と、謎の暗号になっています。

いい機会なので「あれはどういう意味ですか?」と大将に伺うと、「え?なんのこと?そんなんなってたかなぁ?」と、本当に忘れてるんだかトボケてるんだか判断しかねる反応でかわされてしまいました。
き、気になる〜!

その後も名物とおすすめしてもらった、




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どて焼(380円)








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串かつ(380円 ※人数に合わせて3本出してもらったのかもしれず、値段違うかも?)



などの大阪らしい料理を堪能したり、箸休め的な




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アスパラもやし(280円)








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ラッキョ(280円)



なども挟みながら、




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レモンサワー(280円








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ウーロンハイ(280円)



をグビグビと。
も〜どれも安くてうまくて最高に幸せ!


それから、但馬屋では大将の他にもうひとり、若い女性店員さん(ご家族?)も働かれていたんですが、我々が入店してからしばらくは真面目な表情で黙々とご自分の作業に集中されており、「もしかしたら愛想はふりまかない系の接客の方なのかな?」と勝手に思い込んでたんです。
ところがしばらくして我々のテーブルに接客に来て頂くと、最高の笑顔で「お兄さんたちどこからですか?」なんて話しかけて下さり、こういうのがまた嬉しい!
どうやら同行の皆さんも同じ印象を持たれていたようで、のちほどナオさんと「ツンデレだったんですね」「これはやられましたね」などと勝手なことを言って盛り上がってしまい、すみませんでした。




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そりゃあこんな可愛らしい注意書きを書く人だもんな



それでは最後に、但馬屋で最も衝撃的だったメニューをご紹介。

短冊の中からその文字を見つけた瞬間、どうしても気になって頼まざるを得なかった、




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キムチ天(350円)



これがも〜、好みすぎた!!

キムチを揚げるなんて発想すらなくて、もちろん生まれて初めて食べたメニューだったんですが、今となっては「なんでキムチが天ぷらの定番食材じゃないの?」って感じ。

まずキムチ自体に味が付いてるので、何も付けずに食べられるスナック感覚が酒のつまみ向き。
そして天ぷらの身上といえば、衣のサクッと中身の食感、この違いによるハーモニーだと思うんですが、柔らかくもシャキシャキとしたキムチはこれがバッチリ!口中で入り乱れる様々な食感が楽しいです。
温められ、油をまとったことによって酸味やカドが取れ、まろやかになったキムチ自体の味も最高!
しかも添えられているのがマヨネーズですよ。
揚げ物にマヨネーズ、これはかなり禁断の組み合わせだと思うんですが、元々キムチとマヨって相性いいですからね。
ちょちょっと付けると、さらにまろやかかつ複雑な広がりを見せ、も〜たまりません!

僕はこの日を境に、完全にキムチの天ぷらに開眼してしまいました。
それが証拠に、後日自宅で天ぷらをした時も、妻に頼んでキムチ揚げてもらったくらいだもんな〜。
みなさんも是非、チャンスがあれば試してみて下さいね。
あ〜、これが気軽に食べられるご近所さんは本当に羨ましい!


さて、但馬屋を出た我々は、腹ごなしもかねて近所の“天満市場”を覗いてみることに。




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こんな近代的な建物



の1階と地下にあるんですが、中に入ると昔ながらの市場のような雰囲気で楽しいです。




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豪快な盛りのアラ、安い!



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独特なタッチの絵がいっぱい飾ってある商店



そして、




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謎の店で見つけた、担々麺のサンプル



これになぜか「ちょうど担々麺と同じ値段ですね!」と大盛り上がり。
最終的にはナオさんによる「もしパリッコさんが買わないなら、僕が買わせてもらっていいですか?」という謎の気遣いまで飛び出しました。
いや、旅先で原寸大の担々麺のサンプルは買わないっす…。

「家で見ながら飲みたい」と言われてましたが、まだお店がやっていなかったので購入には至らず。
近所に住んでるナオさん、その後どうしたのかな…。


一回りしたら次の居酒屋に行きましょう。
前日に候補として考えていた「銀座屋」さんは、台風接近の影響でお休み。

同じく当たりをつけていた「天満酒蔵(てんまさかぐら)」さんに行くことに。




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これは前日夜に様子を見に来た時の写真ですが



ここがまた、安いわ、うまいわ、朝からやってるわで最高のお店!
ガンガンに飲みつつ食べまくり、結局タイムリミットまでずっとここにいてしまいました。




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ポテトサラダ(150円)



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あさり酒むし(200円)



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湯どうふ(200円)



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関東煮 玉子(100円)ロールキャベツ(120円)たこ(150円)



どれも本当に安くて、しみじみとうまい。
特におぼろ昆布の乗った湯豆腐には癒されます。

関東煮(かんとだき)は、おでんの関西での別名ですね。
こちらも味がよく染みてたまりません。

あと全くどうでもいいことなんですが、こうして記事を書いていて発見した衝撃の事実があります。
それは、大阪編その1でご紹介した「ひろ」「堀内酒店」、そして今回の「天満酒蔵」、




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一緒の皿使ってる!



さぁ、もうこのあたりでいぃ〜感じに酔いが回ってきまして、あとの情報がかなりいい加減になってしまいますが勘弁して下さい。
とにかくうまかった!そして楽しかった!幸せだった!ということは覚えてるんですが、一切のメモも、そして細かい記憶も残っておらず…。

だってさ、




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こんな最高のメンツ



で飲んでいるところに、







ですよ。

ご存知、“関西の変態”の異名をも持つ超カリスマミュージシャン。

僕は前から大好きで、イベントなどでお会いすることはあったんですが、一緒に飲ませてもらったことはありませんでした。
今回、光栄にもイベントにゲスト参加して頂ける関係で、前飲みにあたるこちらにも途中から顔を出して下さいまして、こんな強烈なメンバーで昼間っから大阪で飲んでるなんて、重ね重ね、最高のシチュエーションすぎますって!





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たぶんカンパチ?(値段忘れ)



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これなんだっけ?いわしのきずしかな?(値段忘れ)



ここでリアルタイムにラズ先生のTwitterから「天満酒蔵は鯨がうまい」という情報が入り、




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くじらベーコン(値段忘れ)



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くじらフライ(値段忘れ)



これまた最高!


というわけで、朝からのハシゴ酒をたっぷり堪能することができました。

このあとは中津に移動し、「シカク」さんで行われた僕の個展開催記念イベント「居酒屋パリッコ」で、さらにたらふく飲むという酒びたりの展開。
心配されていた台風もイベント中にあっさりと通り過ぎ、大阪ハシゴ酒の旅は、今では夢の中の出来事のように輝く思い出となりました。


はい、以上で3回シリーズとなりました大阪編は終了です。
お付き合い頂いた皆様ありがとうございました。

しかし本っっっ当に最高だったな〜、大阪!
今回の訪問で大阪全体に対して抱いていた「ちょっと怖い」なんていうイメージは完全になくなったし(もちろん本当に怖い地域も東京以上にあるんでしょうが)、とにかく酒飲みにとっては天国のような街でした。

しかし今回味わえたのはほんの入り口にすぎず、掘れば掘るほどヤバい酒場に巡り会えること間違いなし。
また絶対、何度でも行きたいと思ってるので、その際は何卒よろしくお願いします!大阪のみなさま。


それではまた次回、すご〜くローカルな西東京あたりの酒場の記事でお会いしましょう〜。


■大阪編で行った店■

その1
・串かつ ひろ(天満)
・堀内酒店(天満)

その2
・魚介(京橋)
・丸一屋(京橋)
・すし政(京橋)

その3
・但馬屋(天満)
・天満酒蔵(天満)




但馬屋
住所:大阪府大阪市北区天神橋4-12-5
電話:―
アクセス:JR西日本大阪環状線天満駅

天満酒蔵
住所:大阪府大阪市北区天神橋5-7-28
電話:050-5890-9622
アクセス:JR西日本大阪環状線天満駅




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posted by パリッコ at 11:16 | Comment(0) | 第101回〜第125回
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