大衆酒場ベスト1000

2014年12月16日

第117回「丸忠(武蔵関)/オムレツ」

意外な場所で出会った、超本格絶品オムレツ

前回の田無に続き、今回ご紹介したいのも西武新宿線にあるお店になっちゃいます。
意図したわけじゃないんですが、最近やたらと新宿線沿線で飲むことが多く、もしかしたらしばらくはこの沿線を徐々に新宿に向かってジリジリ上っていくようなシリーズになってしまうかもしれません。
まぁ未定ですけど。


で、今回の舞台は武蔵関です。

武蔵関駅の周辺で、毎年12月9、10日に行われる“関のボロ市”という行事がありまして、始まったのが江戸中期の1751年というからその歴史は相当なものです。




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年末感



ボロ市、つまりは中古の日用品や雑貨なんかの露店が並ぶ蚤の市なんですが、同時に夜店もいっぱい出るので、まぁお祭りみたいな感覚で捉えている人も多いことでしょう。
こういう非日常感ってワクワクするもんで、同時にお会式が開かれている日蓮宗本立寺を中心とした駅前一帯は、そりゃあもうすごい人出となります。




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歩くのがやっと



僕も実家がそう遠くなかったので、高校時代とかから友達とよく行ってました。
その頃は今より、いわゆる“ボロ”の割合が全然多くて、なんだかよくわからないものがたくさん並んでいる楽しさがもっとあった気がするんですが、最近はほとんど、どこにでもある夜店ばっかりになってしまった印象なんですけどね。

武蔵関、今の家からも割と近所なもんで、今年も妻を誘ってふらっと冷やかしに行ってみました。
いつもはなんの変哲もない街にきらびやかな露店がダーッと並んでる景色を見るだけで、やっぱり楽しいもんです。




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本立寺はちょっとした山の上にある



ので、お参りしに登ってくると眺めも良い。




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ここの景色



も好きなんだよな〜。
橋の上から隣の橋に並んだ夜店と揺らめく人影を眺めていると、なんだか幻のようにも感じます。


さて、一通り雰囲気を味わったらそろそろ一杯引っかけたい。
かといって人でごった返した屋台に並び、夜店の料理を雰囲気込みで味わうのは、もっと若い人たちに譲りたいところです。

やっぱ居酒屋!居酒屋に行きたいですよね。

そこで思い出したのが、以前この連載を読んで下さってるという方からメールで情報をもらった「丸忠」さんのこと。
前から気になってたんでそこへ行ってみようと、とりあえず向かってみます。

お店があるのは、北口駅前のメイン通りにあるちょっとした横道。
銭湯があったり、スナックや赤ちょうちんの店もいくつかあって、表通りから急に空気が変わる味わいのある路地なんですよね。




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丸忠



あった。
やってる。

しかしながら今日は街中が人で溢れ返っています。
「こんな日に駅前の居酒屋で飲もうなんて無謀だよな〜。まぁダメ元で」なんてことを考えながら控えめに戸を開けると……、おぉ!なんと先客ゼロ!
俗世間など我関せず、といった感じで、静かな時間が流れていました。




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惚れ惚れする眺め



ものすっごい年季の入った店内に、細めのねじり鉢巻をキリッと締めた大将が一人。
なんとも頼もしいですね。

僕らは2名なので小上がりのテーブルに座らせてもらいましょう。




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あ!ちょうど「笑ってコラえて!」の朝までハシゴ旅がやってる!



店内を見回しますと、メニュー数がめちゃくちゃ多いってわけではないんですが、独特のラインナップでどれもそそられます。
そして、めちゃくちゃ安い!
どこかで時代が止まってしまったかのようです。

まずはおしんこと生ビールをとって、じっくりメニューを吟味していくことにしましょう。




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おしんこ(150円)



この美しい盛り!絶妙〜な浸かり具合!そして信じられない値段!
もう大丈夫だ、このお店信頼して。




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そんな表情



なんかすげームカつくツラですね。




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いか納豆(350円)



次に頼んだこれがまたやけにうまかった!
ねっとりとして甘味のあるイカは量もたっぷりで、最初の2、3口は醤油をかけてイカ刺し的にそのまま楽しみ、




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混ぜる!



う〜む、こんなにうまいイカ納豆には生まれて初めて出会ったかもしれません。
まぁこれまでの人生、あまり積極的にイカ納豆に絡んでいった記憶もないので根拠は少ないんですが。




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すだちサワー(280円)



がまたさっぱりしててうまい。




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焼鳥



は3種類のみだったので全部いってみました。
左からとりレバやきとり砂キモで、各1本80円
よく焼きで旨味の濃いレバー、プリプリとした正肉、塩が嬉しい砂肝、どれも安心感のある美味しさです。


ちなみにこの日は僕らのあと、家族連れやカップルらしき2人組など、3組ほどのお客さんがやって来てました。
偶然かもしれませんが、それがみんな若めなのが印象的で、しかも大将と親しげに話している人も多い。
とかく渋い大衆酒場の常連さんって、僕なんかよりずっと先輩の方が多くなりがちだと思うんですが、こうして色んな世代に愛されてるというのは、お店、そして大将の人柄の素晴らしさのおかげなんでしょうね。





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とりから揚げ(350円)



チキンカツとかなり悩んだあげくに選んだこちら。
衣が軽く、サクサクとおやつ感覚で箸が止まらなくなります。




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なすチーズ(350円)



トロトロのナスに鶏そぼろ(?)とたっぷりのチーズ、ピザソース。
このピザソースが喫茶店のピザトーストを思わせる甘めのケチャップ風味で、これまたクセになる一品。


以上のように丸忠の料理、何を頼んでも少しの驚きと、想像の上をいくクオリティを提供してくれます。
実はそれもそのはずで、これはあとからネットなんかで検索してみて知ったことですが、なんと大将、元々はフレンチのシェフで、しかもかなり名のある伝説級の料理人の弟子でもあったそうなんです。
僕も直接聞いたわけじゃないんで、今度行った時にはタイミングをみてお話聞いてみたいな、なんて思ってるんですが。

しかしそんな人がまさか武蔵関の横丁でひっそりと居酒屋をやっているとは思わないよな〜!
いや〜、あらためて居酒屋っておもしろいな〜!

というわけで最後は、そんな腕利き料理人が作るこちらをご紹介。




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オムレツ(300円)



これがまたすごかった!
美しく成形されたハリのある表面に箸を入れると、中はプルップルのトロットロ!
バターの風味も惜しみなく、口へと運ぶ度に幸せな気分になれます。
元フレンチシェフ、完全に本気出してきてますね…。

しかもここは居酒屋、好みで醤油をひとたらしすることもできるし、次に来た時はチキンライス(350円)を一緒に頼んで、勝手にオムライスにして食べてしまうかもしれない。
そんな自由度の高い贅沢ってあっていいんでしょうか…?


というわけで、まさに隠れた名店といった感じの丸忠さん。
末永くこの雰囲気をたもって、我々庶民に本物の味を教えてくれる素晴らしいお店として営業を続けていってほしいな〜と願う次第です。


ではまたー。




丸忠
住所:東京都練馬区関町北4-1-3
電話:03-3929-4406
アクセス:西武新宿線武蔵関駅




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posted by パリッコ at 11:26 | Comment(2) | 第101回〜第125回
この記事へのコメント
武蔵関まで来たのなら、東伏見のかっぱ屋さんにもぜひ行ってみてください。
店舗がリニューアルされてしまったのが残念ですが、どの料理も滋味深く旨いです。
既出だったらすみません。
Posted by すなだ at 2015年03月13日 23:21
東伏見に住んでいるのですが、駅前にばちばちという居酒屋があります。一品料理にはずれがありません。値段の割りに量もたくさん。ぜひ一度行ってみてください。
Posted by だい at 2015年09月10日 14:33
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