新橋駅前のディープスポットめぐりと、癒しの立ち飲み屋
今回の舞台は酔いどれサラリーマンたちの天国「新橋」です。
駅前のSL広場で街頭インタビューを受ける赤ら顔のおじさんたちの映像、テレビでよく見ますよね。
僕はこの街が大好きで、飲む機会もちょこちょことあるんですが、意外にも連載で取り上げるのは初めて。
巨大な酒のテーマパークともいえる神聖な街ですので、いつにも増して気合を入れ臨ませて頂きます。
ただし、特に焦点を当てたいのは、駅前の「ニュー新橋ビル」と「新橋駅前ビル1号館」と「新橋駅前ビル2号館」。
外へ繰り出しても無限に飲み屋がある街なんですが、今回は潔くこの3つの建物の中だけで話を進めていきたいと思います。
ではまず「ニュー新橋ビル」から。
新橋駅西口に、ものすごい存在感で存在するこんな建物を目にしたことのある方は多いんじゃないでしょうか。

壁の感じが昭和
元々は戦後、「新生マーケット」という日本最大の闇市があった場所に、1971年(昭和46年)に建てられたそう。
特に楽しいのが地下1階で、フロア全体がひとつの飲み屋街といった様相を呈しており、縦横無尽に張り巡らされた通路に、

こんな飲み屋
がびっしりと軒をつらねています。
これ、ビルの中ですからね?
映画のセットのようですが全部本物の、生きてる酒場。
長年の歴史に裏打ちされた、正真正銘の昭和レトロというやつですね。
明るく開けた駅前からここに来ると、一気に異世界に迷い込んでしまったような不思議な感覚を味わえるので、一度行ってみて損はないと思います。
ただこの地下街、アジア系女性のお店への呼び込みも盛んだったり、そもそもかなり有名なスポットなので、若干観光地的な雰囲気ともいえます。
そこで更なるディープを求めた酒飲みたちがたどり着くのが次の「新橋駅前ビル」!

これ!
反対側の東口にありまして、ニュー新橋ビルほど有名ではないと思いますが、駅前に意外と堂々と「1号館」「2号館」並んで建っています。
戦後の新橋には、新生マーケットより規模は小さいものの、東口にも「国際マーケット」という市場があり、その跡地に1966年(昭和41年)に建てられたのがこの2棟のビルだそうです。
ニュー新橋ビルより5年も歴史が長いんですね。

入り口の銅像がたぬき
というのも愛着が湧きます。
ではまず1号館へ入ってみましょう。

1階でこんな感じ

真面目な店と不真面目な店も並ぶ

2階もすごい
ここ、なんか気になるのでこんど行ってみたいっすね。

ここは
なかなか敷居が高いな…。
上階に行けば行くほど日常空間とかけ離れていく感じは、中野のブロードウェイとも似てます。
じっくり探検すればいくらでもおもしろいものが見つかりそうですが、今日は酒場の話題がメインですので、最もにぎわっている地下1階へと向かいましょう。

全体図

さっき入り口にいた“狸広(たぬこう)”くん
に導かれ、いよいよ足を踏み入れると、

どーん!
と、これまたたくさんの酒場が並ぶ異空間が広がっています。

この面構え!
ヤバいでしょ。
さらに建物内なのに、

こんな横路
まであったりして、たまんないったらないんです!

歴史を感じる喫茶店もあったり
はい、1号館はこんな感じになっておりました。
十分お腹いっぱい、自分には縁のなさそうな場所だし、今日はこのへんでもういいよ、っていう方もたくさんいらっしゃるでしょう。
けどまだ終われないんだなー。
いったん公共の場たる

駅通路
という日常を通過して、向こうに見える

2号館!
こここそが最も深く、イルでドープでチルのアウトな最高の空間なんですよ。

入り口の看板
幻惑的な青い光が、現実と非現実の境で、立ち入る者に対し警鐘を与えているようです。

ここは

ビルの中
頭がクラクラするたまらない光景ですよね。
2号館の地下は一回りするのに2分もかからない小さな空間。
それだけに、先ほどのニュー新橋ビルや新橋駅前ビル1号館と比べて、なんとも愛着を感じるというか、応援したくなるというか、そういう愛しい気持ちも自然と湧いてきます。
で、この中に、平日朝の11時から営業している素晴らしい立ち飲み屋があるんです。
それが今回ご紹介したい「こひなた」さん。
以前チミドロのナオさん、イッチーさんとこの界隈で一緒に飲んだ時に教えてもらったお店なんですが、少し怪しげな一帯の中でここだけは正統派の大衆酒場的空気感を持っており、ほっと心落ち着くオアシスのような存在です。

お、今日も

やってる〜
というわけで、

おじゃまします
カウンター内では優しそうなお母さんたちに加え、アジア系の女性店員さんなどが、みなさん家族のように仲良く働かれてます。
女性が中心なのが理由か、ピリピリとした空気感とかは全然なくて和やかな雰囲気。

日替りのお惣菜がずらり
写真を撮ってもいいか伺ったら「人の顔は写さないでね。それ以外なら何でもいいわよ!」とのことで、写真が全部ゴーストタウン化した街の飲み屋みたいになっちゃってますが、早い時間ながらちゃんとにぎわってます。
ちょうど柱の前に立っていた男性のお客さんに対しお母さんが、「どうぞ後ろに寄っかかってくださいね。そこはこひなたの特等席ですよ」なんて言っていて、とにかくなごみますね。
ではまず、

黒ホッピー(370円)と鮪ぬた(200円)
を。
安い!
右端に写ってますが、支払いはおまかせキャッシュオン方式なので、席に着いたら薄緑色のグラタン皿みたいなのに1,000円ほど放り込んでおくといいと思います。
ホッピーは黒のみの取り扱い。
一部のメニューを除いて、料理はなんと200円均一です!
湯豆腐、シラスおろし、かぼちゃ煮、煮こごり、サバ焼、メンマ炒め、タマゴ焼等々、安心感のあるラインナップ。
それから、看板などに“まぐろや”とあって、確かに「鮪さし」「鮪ぶつ」「鮪ぬた」「鮪ステーキ」と、マグロものも充実してます。
もちろん全て200円。
そんな中お得感の強いメニューといえば、

オムソバ(200円)
とかね。

うまいに決まってる
小腹にちょうどいいサイズで満足度高いです。

酎ハイ(240円)
を追加。
焼酎、炭酸水、氷!という、清く正しいチューハイで最高。
さらにちょっと贅沢な品もいっちゃいます。

馬刺し(300円)
贅沢っつっても300円なんですけどね。
ちんまりしてるように見えますが、

赤身の分厚い肉
が4、5切れ入っててかなり食べ応えありますよ。
上に乗っているのは玉ねぎと醤油がベースの特製ダレかな?
キリッと引き締まった味で、肉の甘味を引き立ててくれます。
勢いに乗ってきてしまったので、今日はもうひとつの贅沢品でもあるアレもいっちゃいましょうかね。

鯨刺し(300円)

この説明
に関しては「はぁ、さようでございますか」としか言い様がないんですが、正真正銘の鯨刺しです!
っていうか、ナガスクジラってかなり貴重なんじゃなかったでしたっけ?
こんな破格で出してしまって大丈夫なんでしょうか。
味の方もばっちりで、クセのない、それでいて鯨特有の風味を感じるトロッと柔らかい身に、馬刺にもかかっていたタレがベストマッチ。
いや〜、贅沢な時間ですなぁ。
はい、というわけで今日はこのへんでごちそうさま。
こういった雰囲気なお好きな方には、ビル探検と合わせておすすめのスポットですよ。
新橋は本当に幅広く懐の深い酒の街なので、また別の趣向のお店なんかも今後紹介していけたらいいです。
それではまたー。
立ち呑 こひなた
住所:東京都港区新橋2-21-1 新橋駅前ビル2号館 B1F
電話:非公開
アクセス:JR東日本各線・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線・ゆりかもめ新橋駅
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