大衆酒場ベスト1000

2015年04月02日

第123回「武蔵野園(永福町)/オムライス」

ここにもあった!絶妙な立地と白昼夢のような雰囲気が奇跡的な天国酒場

これまでにも何度か、“酒場”と“天国”の間を行き来するような涅槃系の酒場をご紹介してきました。
綱島温泉 東京園」や「たぬきや」などがその筆頭。
今回は、新たに出会ったそんな奇跡のお店をご紹介したいと思います。


バンド「nakayoshi group」のボーカルであり、絵描きとしても大活躍中のGoto Tetsuyaさんという方がいらっしゃいます。

Gotoさんとはイベントやその他の活動で共演したりしつつ、普通に飲み友達でもあるんですが、こないだも飲みながら話していて「武蔵野園というところがおもしろいですよ」という情報を頂きました。
武蔵野園」は、東京杉並区にある「和田堀公園」に隣接する釣堀で、食事処も併設されており、そこで軽食をつまみながら飲むこともできる場所だそうです。

「なんか聞いたことあるな」って方も多いかもしれません。
実はここ、あの大人気漫画原作のドラマ「孤独のグルメ」のSeason1に出て来たお店なんですよね。
僕も「孤独のグルメ」は大好きで、特にこの回にはものすごく惹かれた記憶があります。

「是非連れてってください!」というわけで先日、初訪問することができたんですが、ここがもう最っっっ高だったんです!

今日はその「武蔵野園」さんの魅力をできる限りお伝えできればと思ってます。
どこを見ても良い景色しかなかったので、写真かなり多めですが、よければお付き合い下さい。


3月中旬某日の真っ昼間、僕は武蔵野園に向かうため、最寄りである京王井の頭線の永福町駅へとやってきました。

この日のメンバーは、Gotoさん、それからおなじみスズキナオさん。
さらに、以前から「デイリーポータルZ」などの記事を読んでいて一方的にファンだったんですが、最近ひょんなことから知り合い、仲良くさせてもらっているライターの玉置豊さん。
以上、男ばっかりの4人組となっております。

公園までは少し距離があるようなので、まずは駅前のコンビニで缶ビールを1本買いまして、




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やたら抜けの良い通り



を飲みながらテクテクと歩いていきます。
缶ビール片手の男4人、近隣住民の方にとったら不審でたまったもんじゃないでしょうが、奇声を発しながら縦横無尽に走り狂ったりしていたわけではないので大目に見て下さい。

雲一つない空! 見知らぬ商店街! 片手にビール!
もうこの時点で、目的地に一生着かなくてもいいんじゃないかってくらい楽しいです。

10分も歩くと、いつのまにかこちらも和田堀公園と隣接する「大宮八幡宮」参道へと入っていたようで、空き缶をカバンにしまい、まずはみんなでお参りをすることに。




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一気に静寂の中へ



玉置さんが「鎌倉にでも来たみたいだなー」なんておっしゃってましたが、まさにそんな感じ。
この一帯、散策するのにも非常にいいスポットだと思います。

さらにそのまま公園方面へと進み、川にかかった




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橋を渡る



前方にチラリと見える赤いのがそう、武蔵野園です。

なんかこの“橋を渡る”というワンクッションがまたいいんだよなー。
ワクワクを倍増してくれます。




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あれだろ、絶対



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やっぱり!



到着しました。

けっきょく駅から20分くらいはかかったかな?
なかなか存在感のある建物で、もう外観だけで珍しく、周囲をウロウロしながらひとしきり感想を言い合います。

釣堀なのでもちろん釣りの料金も表示してあり、こんな感じでした。

大人 半日(1,900円) 2時間(1,200円) 1時間(700円) 30分(500円)
子供 半日(1,500円) 2時間(800円) 1時間(500円) 30分(400円)

が、ひとまず我々の目的は食堂の方。




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こっちこっち!



うん、いいラインナップだ。

ではいよいよ、




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おじゃまします



「自分も将来こうなりたい」という理想像を体現したようなご主人が優しく迎えて下さいました。

壁にはたくさんのサインが貼られてあり、孤独のグルメで見たままの空間だ! と興奮します。




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温かみのあるストーブ



ストーブだから当たり前なんですが、温度以上の温かみを感じるのはノスタルジーのせいでしょうか。




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このキッチン



なんだか「たぬきや」に通じるものがあるな〜。

さっそく人数を告げ、席に着こうとすると、店員さんが「どうぞ奥へ」と案内してくれます。

そうそう、ここは情報によると、釣堀に面したテラス席もあるんですよね。
今日はちょっと肌寒いくらいの気温ですが、寒くなってきたら移動させてもらえばいいし、とりあえずそっちの様子も見ておきたいのでちょうどよかった。

どれどれ、と……




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ウ、ウワー!!!






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なんだこの空間は!!!



なんだかこっちの席に来たら、孤独のグルメで見たしみじみと味わい深い雰囲気とは正反対の、カオスでメルヘンチックな白昼夢のような空間が広がっていました。




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と、とりあえず座りましょうか…



と戸惑う我々をぬいぐるみたちが歓迎してくれています。




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目の前には釣堀



ちょっと紗のかかったシートで全体がくるまれているので、白昼夢感がよりいっそう増すんですよね。
これ、もしかしたら冬場だけで、温かくなってきたらぬいぐるみたち共々一時撤去されるのかもな。
だとしたら、本当にいい時に来ました。

この見所たっぷりの空間に、落ち着くどころじゃない我々。




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ナオさん「こっちも見て下さいよ!この、えっと……」



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「なんともいえない感じを」



きっと天国もこういうところなんでしょうね。




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水路に全裸のリカちゃん人形



なぜか「丹波哲郎の大霊界」って映画を思い出します。

しかしいつまでもソワソワしてるわけにもいかないので、そろそろ席に着いて注文しましょう。




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意外にも各テーブルに完備された呼び出しボタンで



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ホッピーセット(450円)



生ビール(500円)ももちろんありますが、こういうとこでホッピーが飲めるのは嬉しいですね。




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天国系酒場あるある“ホッピーを撮ると神々しい”



ゴクリと一口。

……いや〜、笑えるくらいうまいです。
環境環境! やっぱ環境ってでかいな〜!

ちなみに追加のナカは250円ソトは200円

テーブル席の他、釣堀側に向いたカウンター状の席もあるので、1人で来た時などは、




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こうして



無心になって過ごすのもいいかもしれません。

視線の先にあるのはもちろん、




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「雑魚」の文字



そうそう、俺なんか何者でもない、雑魚中の雑魚なんだ。
そんな風に初心に帰ることができ、大変ありがたい場所ですよね。
これからも人生で何かにつまずいたらここにやってこよう。

そうこうしているうちに料理が届きはじめました。




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イカ下足唐揚げ(360円)



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カツ煮(600円)



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カツ煮ごしのナオさん



カラッと香ばしく揚がったイカゲソは量もたっぷり! さらにマヨネーズもたっぷり!

カツ煮は定食メニューにある「カツ丼」のアタマでしょう。
間違いないうまさで、味濃い目なのでご飯に合いそうなのは当たり前ですが、酒も進んじゃってしょうがないっす。




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ラーメン(550円)



こちらはナオさんチョイス。

オーソドックスながら、ちょっと固めにしっかりと味付けされた豚肉が特徴的でしょうか。
昔ながらの醤油ラーメン的な味わいなんですが、それが妙〜にうまい!
とっさに残したiPhoneのメモ帳に「ラーメン ドラッグ」と書いてありましたが、要するにクセになるうまさだということを言いたかったんだと思います。




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オムライス(750円)



そしてこちらは玉置さんチョイス。

中華スープ付きが嬉しいですね。




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このなめらかなルックス



これがまためちゃくちゃうまい!
焦げる寸前の絶妙な火加減で炒められたケチャップライスがすごく香ばしく、鶏肉がゴロゴロと惜しみなく入って、それらをふんわりと玉子のまろやかさがまとめます。




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これ以上なくならないでほしい…



こういった食堂って、とかく「こういうものでいいんだよ」というスタンスで、安っぽい味を許容しちゃったりしますよね。
僕もそれで十分と思ってるし、全然楽しめるんですが、武蔵野園はそういった想定を超えて、しっかりと美味しい料理の数々が頂けます。
東京園、たぬきやしかり、天国に近い酒場には、こういう奇跡的な条件が揃ってるもんなんですねー。

メニューは麺類、ご飯類、定食類、つまみ類、軽食類など多岐に渡り、相当通わないと制覇するのは難しい数。
飲み物もハイ系、ウイスキー、日本酒、それから温かい緑茶、ほうじ茶で割った焼酎なんてものまでありますね。
いや〜、今後の楽しみが増えて嬉しい限りです。

この時点でホッピーのナカも追加し、そこそこお腹もいっぱいになってきましたが、もうちょっと追加したくなって、




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餃子(350円)



さらに




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缶チューハイ(250円)



缶チューハイは珍しく「Slat」ですね。
カロリー控えめ、かつアルコール度数も3%と可愛めですが、特別安いってわけでもないのにこれを選ぶあたり、お客さんの身体への気遣いを感じ取らざるをえません。
※何を見てもポジティブに受け止めはじめている

ちなみに、もうけっこうな時間をここで過ごしてるんですが、本当にずっと居心地がいいんですよね。
ビニールシートで外気を遮断しただけでこうも快適なのかな〜と思っていたら、




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あ!全部のイスに座布団!



やっぱここ、天国だわ…。

さて、そろそろ一通り満足したんでお会計にしましょう。
夢のような時間をありがとうございました。


お〜い、また来るよ!




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……



ごちそうさま〜!




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……



……はい。

ところで、武蔵野園のメインは釣堀と最初にお伝えしましたよね。
もちろん飲食だけの利用も全然可なんですが、せっかくだから釣りもしてこうって話になりました。

普段もたまにここに来て釣りをしているというGotoさん、そして釣りに関する記事も多数執筆し、プライベートでマグロまで釣りに行ってしまう玉置さんはもちろん参戦。
僕とナオさんは「とりあえず見学します…」ということになりました。
見学は自由だそうなので、2人分の料金を支払い、エサと釣り竿を受け取って釣堀ゾーンへ。




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厨房の横を抜けて向かいます



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きっとここで過ごす時間が曲や絵のアイデアにつながるんだろうな



と思ったら本人は否定していました。




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竿を持つと完全に釣り人の玉置さん



僕とナオさんはやってませんが、こういう静かな場所でただのんびりするのもいいもんです。




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さっきまで自分たちがいた場所をボーッとした頭で眺める



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かわいい犬もいた



が、30分もすると日暮れが近付き気温がぐんぐん下がってきました。
はっきり言ってめちゃくちゃ寒く、他の釣り人たちもどんどん帰ってしまって、我々が最後の客です。
魚たちも寒さで活動が鈍ったのか、魚影すらチラリとも見えません。




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せっかくだからそれっぽい写真だけ撮らせてもらう



偶然着てきたダウンベストが意外にも釣り好き感をかもしだし、逆に虚しい。




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ナオさんも



お、年季が入ってるっぽい!

と、このように、Gotoさんも含めた3人は完全諦めモードでダラダラとふざけてたんですが、終了時間ギリギリになっても鋭い眼光を保つ男が1人。
そう、玉置さんです。

残り10分くらいのとこで僕らは、「そろそろ撤収の準備しましょうか〜」ってな感じだったんですが、玉置さんだけは針を沈めては機敏な動きでパシャっと上げる動作を繰り返しています。

パリッコ「玉置さん、今日は魚もう寝てますって」
玉置「いや、次の一投で決めるから」




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え!?



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えーーー!!!!!



場数が違う!とばかりの見事なヒット。
他全員が諦め切ったムードの中、でっかいヘラブナを釣り上げてしまいました。
先輩、さすがっす!


というわけで、天国のようなスペースでの飲み食いに加え、釣りまで楽しめてしまう武蔵野園さん。
こんな奇跡のような酒場がまだあったんだな。
そして、まだまだあるんだろうな。

春、夏、秋、冬、どの季節に来ても良さそうだし、また絶対来よう〜!




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つり堀 武蔵野園 - 永福町/定食・食堂 [食べログ]
住所:東京都杉並区大宮2-22-3 和田掘公園
電話:03-3312-2723
アクセス:東京メトロ丸ノ内線新高円寺駅・京王井の頭線西永福駅




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posted by パリッコ at 09:36 | Comment(0) | 第101回〜第125回
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