飲みにも食事にも完全対応! ハイクオリティな大衆食堂
あけましておめでとうございます。
みなさま、昨年は大変お世話になりました。
って、遅いですけども、2016年第一回目の「大衆酒場ベスト1000」、今年も通常運転でゆる〜く更新していこうと思います。
よろしくお願いいたします!
あ、その前に、今年1月6日に僕の数年ぶりのニューアルバム「TANUKI SONGS」が発売になりました!
これ、自宅でひとりでお酒を飲む時に気持ちいいんじゃないか? ってのを追求した音になってますので、よかったら試聴などしてやってください!
あと、僕が監修をつとめさせてもらった「酒場人」も相変わらず発売中です!
コンビニなんかではだんだん見かけなくなってきていると思いますが、確実なとこだとAmazon
では本題へ。
週末に特に予定のない日があると、妻と散歩がてら、しばらくぶんの食料品や日用品の買い出しに行くことが多いです。
いつも地元の石神井公園、大泉学園あたりになるのですが、「バスに一本乗る」という選択肢を加えると行ける街がぐっと増え、例えば「まいど」のある上井草だったり、吉祥寺、西荻、荻窪、阿佐ヶ谷などの中央線の駅も選択肢に入ります。
先日、なんとな〜く気分を変えてみたくて目的地に選んだのが、東武東上線の「成増」。
この連載でも何度か登場している駅ですね。
ある晴れた休日の昼過ぎ、たまにしか来ない街、成増へとやって来ました。
もちろん最大の目的は買い物ですが、こういう状況で僕のような男が俄然そわそわしだしてしまう理由といえば、「昼酒」の誘惑ですよね。
今日はまだお昼ご飯も食べてないし(言い訳)、あわよくば軽く飲めるお店はないかな〜、なんて。
ただ成増って、お店も多くてにぎわってはいるけど、別に大都会というわけでも、飲兵衛の街というわけでもないので、昼からポコポコ居酒屋が開いているわけではありません。
じゃあどこで飲むか?
……もう説明は不要ですよね。
こういう時ありがたいのが、そう「昔ながらの定食屋」です!
というわけで、街をぶらぶらと歩きながら定食屋さんを探してみましょう。
すると、お〜! おあつらえ向きの店がすぐに見つかりましたよ!
外の看板にはおすすめの定食類しか乗っていませんが、きっとビールくらいはあるでしょう。
それに「とん汁定食」「納豆定食」なんて渋すぎるメニューがあるのも信頼できます。
よし、今日はここにおじゃましてみましょう!

こんにちは〜
変な構図の写真で申し訳ないですが、こんな感じのピカピカなテーブルが10くらいかな? コンパクトで清潔な店内。
壁際には金魚の水槽があったりして和みます。
そして!

壁メニュー
これですよ! 壁にずらりとならんだ短冊メニュー。
あるのは煮込みと酒、それだけ、なんて渋い居酒屋も大好きですが、やっぱり定食屋っていうのはこの膨大なメニューで悩ませてほしいですよね!
それにしても魅力的なメニューが多すぎて、まずは一通り把握するだけで時間がかかるな……。
単品もいっぱいあるし、

おー! 酒類も豊富!

あ、鹿!
鹿の剥製、昔の駅の写真、神棚。
なんて最高な並びなんでしょうか。
で、僕の場合、こういうお店に入っても、やっぱり「飲み」を中心に注文を組み立ててしまうんですよね。
なので、よし、まずはこのあたりからいってみましょうか。

もつ煮込(380円)、ビール 大ビン(590円)
パーフェクトな眺めですね。
そして予備知識は全くなかったんですが、このモツ煮がものすごくうまい!
しっかりと旨味と食べ応えを残しつつ臭みを取り除いたモツがたっぷり。
メニューを確認すると「もつ煮込定食」もあって、そちらは650円。
なるほどね〜、それもいいだろうな! これは絶対白いご飯にも合うモツ煮だ。
けど、ここはやっぱりビール!
濃厚でコク深い煮込みの余韻と、スーパードライのキリッとした後味の相性がバッチリ!
いや〜いい店だな〜。
もうわかったぞ〜。

カツ煮定食(720円)
妻は僕のような酒狂いではないので、お昼は普通にご飯を食べたいわけで、定食を選びます。
ただし、僕がつまみとしてシェアさせてもらうことからは逃れられようもなく。
だって、

こ〜んなヤバいブツ
が出てきちゃった日には、理性も失うってもんですよ!
カツ煮って、なんなんでしょうね? ご飯のおかずとしても、酒のつまみとしても、ちょっとポテンシャル高すぎません!?
まだまだ熱々トロトロで、土鍋のような器も美味しそうさを3割増しにしています。
甘辛い汁と玉子をまとった厚みのあるカツを一切れほおばると、まだほんの少しだけ残っている“サクッ”食感のあとに、ジュワ〜っと、豚肉と衣の油を中心にすえつつ、様々な素材の旨味が広がります。
そこにビールを迎える!
至福!
いくらお休みの日だからって、昼間っからこんな幸せを味わってしまっていいんでしょうか?
定食にはご飯、味噌汁、漬物の他に、

小皿
も付いており、それがまた嬉しい。
がっつかずゆっくりしっかり堪能したい、優し〜い味わいです。
ところで、フロアと厨房の境目にはこのように、

ガラスケース
が置かれていて、ここに刺身とか小皿料理なんかの一品系が並んでいて、これまたそそるんですよね〜!

ケース横
には、控えのメニュー札がびっしり。
きっと日々入れ替わっているんでしょう。
これを見ただけでも、やまだやさんがどれだけ末長く通えるお店かがわかるってもんです。
このケースを覗いてしまったからには、何か頼まざるをえないでしょう!
ここでもしっかり悩み、

ゲソヌタ(350円)
を。
さらに、ゲソヌタなんて頼んでしまったからには、「冷酒 初孫」(380円)みたいなもんだって、追加せざるをえないでしょう!
これ、もはや僕の意思というより、自然の摂理ですよね。
このヌタがまた、きれい〜な味で素晴らしい!
酸味が立ちすぎない手作りの酢味噌と素材の風味、さらにヌタにはちょっと珍しいレモンの爽やかさが、日本酒を運ぶ手を休ませてくれません!
いや〜、満足。
お腹も酔いもちょうどいい塩梅。
ところがここで、良い店に出会ってしまった際の居酒屋あるある「今日はもうじゅうぶんなのに名残惜しすぎてもう一品追加してしまう」が発動。

厚焼玉子(300円)
とお酒を1本追加。
油を多めに使っているからか、どこかフレンチトーストを思わせるような香ばしさの厚焼玉子です。

おろし醤油
でいただくと、も〜最高!
はぁ〜、ごちそうさまでした!
と、けっきょくいつものように腹八分目をちょっとオーバーし、ふらふらとお店を後にしたのでした。
あ、そういえば、この店で発動した“居酒屋あるある”がもうひとつあったんだった!
それは「信じられないくらいジロジロこっちを見てくる凝視おじさん」の出現。
たまにいません? こういった、年齢層と常連率高めのお店に僕らのような若造がおじゃますると「一体なんなんだこいつは」みたいな感じで、信じられないくらいジロジロ凝視してくるおじさん。
しかも隣の席だから、こっちがテーブルの料理に集中してても視界の端であきらかにわかるの。
で、いい加減耐えられなくなってそっちを向くと、スッと目をそらし、また食べ始めると1秒で凝視体制に戻るという。
でもまぁ、その方も悪気があるわけじゃないんでしょうし、運良く僕らが来てしばらくしたら食べ終わって帰ってしまわれたので、いつも凝視おじさんが出るお店ってわけではないので、そこは安心してください!
とにかく、本当にいいお店だったな〜、成増の「やまだや」さん。
昔ながらの大衆的な雰囲気を残しつつ、清潔感があって、一品一品が丁寧に作られており、そして店員さんたちの親切で明るい接客に心まで癒されました。
家からそんなに遠いわけでもないし、またちょくちょく来させてもらおうと思います!
ただし、

酒酔いには注意!
やまだや
住所:東京都板橋区成増2-19-3
電話:03-3930-5760
アクセス:東武東上線 成増駅、東京メトロ有楽町線 地下鉄成増駅
告知
東京在住の「おっさん」と申します。
パリッコ様のBlogを拝見し、いつか行ってみたいと思っていた
沖縄の「ふく木」様に、今週伺って参りました。
記事の通りの素敵なお店と女将様、常連様に大層歓迎して頂き、
とても楽しい那覇の夜を過ごさせて頂きました。
(結局、滞在中の3泊すべて、25時過ぎまで呑んでました(笑))
素敵なお店をご紹介頂き、本当にありがとうございました。
なお、はるこさんと常連さん曰く、
「周辺のお店も立ち退いちゃって、うちももう
あと2年もやっているかどうか・・・」とのこと。
パリッコ様も定期的にご訪問されていることと思いますが、
めったに機会のない私も、できる限り近いうちに機会を作り
またお母さんと常連さんに会いに行きたいと思っています。
またいつか、ふくぎでお会いできる日を楽しみにしています。
では。
そうなのですね。
先日一度はるこさんにお電話はしたのですが、もうずっと行けておらず…。
無理にでも機械を作ってまた行きたいところですねー。
今後ともよろしくお願いいたします。