2016夏、大阪京都3泊4日飲みまくりツアー【前編】
僕が監修をつとめさせてもらっている「酒場人」という雑誌の第2号が今年の4/18に発売され、それを記念して、6/21に東京の「ロフトプラスワン」、6/27に大阪の「ロフトプラスワンWEST」で、「酒場人大宴会」なるトーク&飲みイベントが開催されました。
イベント自体は、司会である僕自身に至らない部分は多々あったものの、超豪華な出演者のみなさんと優しいスタッフさん、そして温かいお客様のおかげでなんとか無事終了。
その様子はまた別の機会にどこかでレポートさせてもらえたらと思っているのですが、ここでは「酒場人大宴会 in 大阪」に合わせた関西遠征での、飲みまくり食べまくりツアーの模様をご紹介したいと思います!
日程はこんな感じ。
6/26(日)
午前東京出発、午後大阪着。
夕方から中津「シカク」で行われるイベント「酒処ナオ」に参加。
6/27(月)
昼間は自由時間。
夕方からロフトプラスワンWESTで「酒場人大宴会」。
6/28(火)
大阪で完全フリー。
6/29(水)
京都に移動して観光。
夕方の新幹線で東京へ。
これまでにも何度か関西にはおじゃましており、その度に激安、激ウマな大衆酒場の魅力、パワーに驚かされてきたんですが、いや〜今回も濃かった!
行く店行く店、全てが最高すぎて、東京に帰ってきた今の僕は完全に抜け殻状態です。
そしてまた、訪れたお店の数も、これまでで最多だったかもしれません。
そんな怒涛の道中を前後編に無理やりまとめてお届けしようと思いますので、かなり情報量過多、かつ駆け足な内容になってしまうかと思われますが、物好きな方のみお付き合いいただければと思います。
それでは!
1日目

もちろん行きの新幹線から飲みスタート
毎回ほぼ変化のない鉄壁の布陣です。
ちなみに利用するのはたいてい「こだま」。
東京〜大阪間の所要時間が約4時間と、新幹線にしてはのんびりめなんですが、そこがまたいいんですよね。
快適な車内で、飲んだり、本を読んだり、景色を見たり、うとうとしたりと、贅沢な時間を過ごしていると、「え? もう?」って感じで大阪に到着。
そこで待ってくれていたのは、
夕方のイベントまでは少し時間があるので当然、「どこかで一杯飲みましょう」ということになります。
「おまかせします!」と伝えて、ナオさんのあとにただ着いてゆく僕と妻。

味のある街並を超え、
やがてたどり着いたのは……
うお〜! ここはかの食通、FPM・田中知之さんが「酒場人」の中でも大推薦されていた憧れの大衆酒場。
まさか大阪へやって来ていきなりこの店に来れるなんて!

ここが、あの……

記念すべき1杯目は「お多福」さんで! やったぜ!
こちらは、時間帯によって大将と二代目が入れ替わりで営業されているそうで、僕らがおじゃました時は大将がお店に立たれていました。
なんでも二代目は、大衆価格ながら一流料亭のように手の込んだ料理を出されたりもするそうですが、まずは大将が切り盛りされている基本の雰囲気を味わえて大満足。
こんど来る時には、二代目の時間帯を狙ってみるのも良いかもしれません。

自家製の味噌で頂く「豚足」(300円)に、タコ入りの「ワケギぬた和え」(300円)

おでん(各100円くらい?)
どれも最高に染みる味でした。
大満足!
さて、次はイベントのために中津へと移動。
僕の本なんかも置いていただいている、素敵なミニコミ&グッズショップ「シカク」さんへとやって来ました。

シカクのアイドル、にゃん太と、

ムーちゃん

イベント「酒処ナオ」でまたたらふく飲酒
「酒処ナオ」とは、シカクの2階スペースで定期的に行われており、友達の家での飲み会みたいな雰囲気がとても楽しい、スズキナオさん主催の飲みイベントです。
今回は僕とミュージシャンの佐伯誠之助さんがゲストという形で、遊びに来てくれたお客様たちと、インターネットを見ながらあれこれ喋ったりしていたら、あっという間に時間がすぎてしまいました。
ご近所で毎回行ける人が羨ましいな〜。

死ぬ時のお手本にしたいナオさんの寝姿
イベントが終了し、この日はもう夜も遅いので、これにて解散。
我々夫婦は宿に戻って就寝。
2日目
今日も夕方からはイベントの予定ですが、それまではたっぷりと時間があります。
朝の9時半頃宿を出発し、たどり着いたのは、

天満!
いや〜久々に帰ってきたぜ! 大好きな天満に!
以前の大阪ツアーでも最高に楽しませてもらった街なんですよね。
特にこの連載でも取り上げた「但馬屋」さんは大のお気に入りで、今回の旅でも必ず一度は寄りたいと思っていたお店です。
というわけで、

来れたー!!!
いや〜嬉しい。
そんでもって、

キムチ天〜!!!
泣くほどうまい!
なんでここでしか食べられないんだろう、キムチ天!
も〜毎日でも食べたいのに!

名物「どて豆腐」も最高
なんて、久々の再会に大感激しつつ、妻と2人で飲んでいると、

ナオさんが到着
ペアルックw
さらにこの日のイベントゲストである安田理央さんも合流し、

お店のお姉さんと記念写真
いや〜楽しくなってまいりました!
ところでこちらのお姉さん、今回の我々の旅における最重要人物のひとりでもありまして、
・一見そっけないんだけど実はすっごくフレンドリー
というのは前回の時点ですでにわかっていたんですが、加えて、
・ビールが大好きで、お客さんからすすめられると断れない
・実はキムチ天の考案者だった
・他にも多数の名物料理を生み出した天才料理人
など、酒飲みのツボをグイグイ突いてくる事実が次々と判明!
全員がその魅力に完全にノックアウトされてしまいました。

「裏メニューなんですよ」とおすすめしてもらった「チーズたっぷりのとんぺい焼き」
これも最近お姉さんが考えられたメニューだそうで、

2種のチーズと、大好物の豚バラ肉がたっぷりでも〜天国!
てな具合に、久々の但馬屋を十分堪能し、ちょっと名残惜しくも、次なる酒場へハシゴするべくお店をあとにしました。
さて、やって来たのはこれまた先ほどの記事にも登場した「天満酒蔵」。
ここで、この日九州は小倉からやって来たラズウェル細木先生も合流です!

すでにトークイベントが始まってる感
この、続々とすごい酒飲みたちが集結してくる感じが、なんかものすごくたまりません。
こちらでは、かのFPMさんが「この世の200円で食べられるものの中で一番うまい」と語った

あさり酒むし
や、関西といえば外すことのできない

きずし
さらに

野菜天盛り合わせ
などをいただきました。
どれも本当にうまい! 安い!
さて、まだまだイベント会場へは向かいませんよ。
次にナオさんが連れてきてくれたのは「大阪駅前ビル」。
第1から第4(第1/第3/第4)まであって、東京でいうと「中野ブロードウェイ」とか「新橋駅前ビル」などに通じるディープさを持った、まさに“ダンジョン”といった感じの地下街です。
その中には安田さんもお気に入りだという、

古本屋街
もあったりして、僕もなるべく旅先で重い荷物は増やしたくないと思いつつ、

大ファンの名香智子先生の未読だった単行本
や、

挿絵が妙におもしろかった

ダイエット本
などをうっかり購入してしまいました。
だって、ものすご〜く興味をそそりまくる本たちが、すっごい手頃な価格で並んでるんだもん!

ダイエット本の巻末広告が挑発的
で、この大阪駅前ビルにも無数の居酒屋が存在するんですが、一通りウロウロし、入ってみることにしたのが
という立ち飲み屋さん。
比較的新しいお店らしく、沖縄料理を基本に、ずらっと並んだメニューがどれも興味を引きます。

ベビースターサラダ(320円)
海ぶどう入りで、プチプチとカリカリの食感が賑やかでおもしろいです。

人参シリシリ(480円)
ポークたっぷり、味かなり濃いめ、コショウがっつりで、酒が進みますねー。

肉豆腐(?円)
カウンター内の大なべが目に入ってしまい、頼まざるをえなかった一品。
これまたよく味の沁みた、大変美味しい肉豆腐でした。
はい、ここで僕たち夫婦と安田さん、ラズウェル先生の4人は、手配していた同じ宿にいったんチェックイン。
まさに大人の修学旅行! 楽しいったらありません。
一休みしたら、いよいよ今回のメインイベント「酒場人大宴会 in 大阪」の会場である「ロフトプラスワン WEST」へと向かいます。

道頓堀近辺の街並みがアジアそのもの

会場に到着! 良い並び!

イベントは大盛況のうち終了!
メインイベントについてあまりにもサラッとしか触れずに申し訳ないですが、本記事の主役は居酒屋ツアーの方なので、ご了承ください。
とにかく楽しくて幸せで、あっという間の約3時間でした!
さて、イベント終了後のお楽しみといえばそう「打ち上げ」ですよね!
今回は特に予定は立てておらず、ロフトのスタッフさんのおすすめで、会場近くの「ひょうろく」さんというお店へ。
大人数だったので2階の座敷へ通してもらったんですが、ここがかなりカオスなお店で、1階厨房の上が3階までの

吹き抜け
になっており、「ガ、ガー……」というモーター音がしたかと思うと、

1階からタライに入ったビールが到着!
以降の料理は全てこの方式で、完全おまかせで出てきて、下に向かって「もう食べられませ〜ん!」と叫ぶとオーダーストップという斬新なシステムでした。
そんでまた、ここの料理が、

何

を

食

べ

て

も

う

ま

い

!
隠れ家っぽい雰囲気ともあいまって、いや〜楽しい打ち上げだった!
山場だった2日目も無事終了。
いよいよ、何も考えずにただただ飲みまくれる2日間を残すのみとなりました〜。
3日目
3日目の朝、同じホテルに宿泊していた安田さん、ラズウェル先生と集合したのが朝の10時。
「さて、どこへ行きましょう!?」「あそこしかないでしょう」なんて、向かったのはもちろん、

昨日に続いての「但馬屋」!

頼むのもおんなじようなメニュー

もはやおなじみの光景!
昨日、ラズウェル先生は但馬屋での合流に間に合わなかったので、ビール好きのお姉さんに、

「一杯どうですか?」
とお注ぎするのも先生の番。
いや〜、幸せな光景です。

アナゴ天
これまた肉厚サクサクで絶品なんですが、しばらくしたらお姉さんから、

「良かったらこれ試してみてください」
とのことで、「何ですか?」と伺うと、「卓上の調味料を全部混ぜ合わせたもの」とのこと。
……て、天才!?

「焼鳥」にも合うというので注文
ふわりと香る山椒がアクセントになって、つまみ度が高まります。
どこのスーパーにでもありそうな「塩」「コショウ」「一味」「山椒」を好みでブレンドすればいいだけなので、家で手軽に但馬屋に思いを馳せられるのが最高ですね。
どうもごちそうさまでした。
本当にお世話になりました。
少しだけ時間が空いてしまうかもですが、絶対にまた来ますので!
今日もここからは、ナオさんに全〜部おまかせ! 我々はただ着いて行く形で、大阪の大衆酒場を巡ります。
というわけで次にやって来たのは、

新世界!
いわゆる通天閣のお膝元で、有名な、

この界隈
です。
※写真は去年撮影したもの
ここでちょっと脱線というか、この近くにある、去年ナオさんに連れてきてもらった、
というお店がまた最高で、

すすれば誰もが穏やかな表情になる、

「シチューうどん」
なる、究極に体に優しいメニューがあったり、

こんな最高なプレート ※以上「あずま食堂」の写真は全て去年のもの
で飲めたりして、できることなら今年も寄りたかったんですが、他にも予定がたっぷりあるので泣く泣く素通り。

「酒ただ」の強引さ
先頭をゆくナオさんは迷いのない足取りでズンズン繁華街を離れていき、

「ここを右ですね」「まじすか!?」

大阪の中でも最もディープなゾーンとして知られる「西成区」
へ。
“日本最後の遊郭”としても有名な「飛田新地」からも近い場所のようです。
で、目的のお店は、
正統派の大衆的立ち飲み屋さんなんですが、店内奥にライブスペースがあり、頻繁にライブイベントも行われているというおもしろいお店。

生ビール(250円)
このビールが、泡がきめ細かく、ジョッキが凍るほどキンキンに冷えていて異常〜にうまい!
しかもこの安さ! 信じられないと全員で大絶賛です。
名物の、

マーボ豆腐 大(200円)

カレーシチュー(200円)
は、大鍋にたっぷりと作られており、安定感のある美味しさ。
カウンターに並んでいた満願寺とうがらしは、好きな調理法で頂けるとのことで、

天ぷら(?円)
に。
これまた絶品!

大阪の大衆酒場の素晴らしさに絶句するみなさん
一軒一軒じっくり腰を落ち着けて飲みたいお店ばかりなんですが、はしご酒も楽しみたい!
というわけで難波屋を出、こんどは「動物園前」駅方面に向かいます。

はるか遠くに見える「あべのハルカス」が書き割りの幻みたいだ
このあたりの街並みは、かつて僕が大阪に対して抱いていたイメージそのもので、車道の地べたでおじさんがひとりリラックスして過ごしていたり、道端に電線にとまるスズメのようにおじさんたちがずらりと並び座り、全員が酒を飲んでいたりと、とてもエキサイティングなものでした。
中でも一番衝撃だったのは、そんなおじさんの中のひとりに、ナオさんが「こんにちは〜!」と声をかけられていた瞬間だったわけですが、あれは何だったんだろう……?
さすがナオさんとしか言いようがありませんでした。

大阪名物「激安自販機」
30円の十六茶を買って飲んだら、今まさに欲していた冷たさと量だった。

今回の旅でも特に良かった写真

誰かのくつろぎスペース
さて、次にナオさんが「すごい人気店なんだけど、このタイミングなら行ける気がするんですよね」と連れてきてくれたのは、

あまりにも味のある「手荷物預り所」
の奥にある、
どうやら「ホルモン鍋」が名物のようです。
お店の前まで様子を見に向かうと、地元の知らないおばちゃんが「今なら空いてるで〜」なんて教えてくれ、無事テーブル席に着くことができました。
年季の入った味わいのある店内ですが、よく掃除がゆき届いてピカピカ。
元気な店員のみなさんの接客もとても親切です。
居心地の良いお店だ。
注文したのはもちろん、

ホルモン鍋(1人前800円 × 4人前)
いわゆる「もつ鍋」風ですが、いろんな部位のモツが入っているようです。
まさかこのタイミング、この季節に鍋物を食べることになるとは思ってもみませんでしたが、やっぱりテンション上がる〜!
ここでお友達の漫画家、スケラッコさんも加わり、しかもラズウェル先生が翌日、なんと60歳のお誕生日を迎えられるということで、なんだかものすごいパーティー感が増してきましたよ。

グツグツ

完成〜!
ということで全員でいっせいに頂くと、これがも〜うまいなんてもんじゃない!
様々の具材から旨味が溢れ出し、今後数年は頻繁に夢に見そうな美味です。
ラズウェル先生も「こんなにうまいもの食って、何かバチが当たるんじゃないかな?」なんておっしゃられていたので間違いないっす。
一通り堪能したところで、

くろそば(150円)& 中華玉(150円)
禁断の2種一気投入!

あ〜うまい! うまい〜!
「そばと中華麺、どっちがうまいか?」なんてテーマで永遠に語ってられます。
そして永遠に答えは出ない!
ならばと、

うどん玉150円
も追加投入!
「あ、全部が混ざったとこが一番うまいっす!」
が一応の結論となりました。
あっという間に麺を食べつくすと、信じられないことに、

ごはん 大(250円)& 玉子(50円)×2
までも投入!
さすがにこれはやりすぎというか、何らかの神様への冒涜ともとれる行為に思えてきました……。
本当にバチが当たるんじゃないかしら……。

が、欲望には抗えるはずもなく、
お米一粒残さず完食!
はぁ〜……うますぎ。
幸せな時間をありがとうございました。
ごちそうさまでした!
てな感じで、実はまだまだ飲み歩きは続くんですが、いいかげん原稿を書いている僕も疲労しきってきました。
前半はここまでとまして、後半へ続きます!
今回飲んだお店
・お多福(野田阪神)
・酒処ナオ(中津)
・但馬屋(天満)
・天満酒蔵(天満)
・スタンド ミルクホール(梅田)
・ロフトプラスワン WEST(日本橋)
・ひょうろく(日本橋)
・但馬屋(天満)※2回目
・難波屋(動物園前)
・たつ屋(動物園前)
たつ屋(大阪・動物園前)
住所:大阪府大阪市西成区山王1丁目17-10
電話:06-6647-5992
アクセス:大阪市営地下鉄御堂筋線 動物園前駅
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