大衆酒場ベスト1000

2016年07月10日

第135回「京極スタンド(京都・河原町)/牛すじこんにゃく煮込み」

2016夏、大阪京都3泊4日飲みまくりツアー【後編】

この記事は前後編の後編です。
よろしければ、前回の分から続けてお読みください。
まぁ、どうしてもってわけではないですが!




3日目の途中から記事再開

さて、3泊4日の大阪〜京都ツアー、前回は3日目の途中までで原稿を書くのに疲れ果ててしまいました。
というわけで、そこから再開!

ちなみにこの日は大阪で完全フリー。
朝から、但馬屋(天満)→難波屋(動物園前)→たつ屋(動物園前)とハシゴしてきました。
メンバーは、僕と妻、ナオさん、安田理央さん、ラズウェル細木先生、たつ屋から合流したスケラッコさんの計6名。


次に案内役のナオさんが連れてきてくれたのは、動物園前のお隣「天王寺」にある立ち飲み屋「種よし」さんです。

そもそも天王寺の近くのアーケード街というのが、




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このような



そのまま異界へと続いてるんじゃないかっていう味わい深い通りなんですが、その中ほどにある、




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種よし



ここがまた、あまりにも独特の雰囲気がありすぎるお店!
外は昼間でまだ明るいのですが、ここだけ時間の感覚から切り離されたような異世界感が漂っています。

こちらでまず頂いたのが、




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キリン一番搾り フローズン生(420円)



少々蒸し暑い中、徒歩で飲み歩きをしてるので、ビールに戻りたくなるタイミングが何度も訪れます。

で、僕、存在は知っていたものの、この「フローズン生」というものを飲んだのが初めてだったんですが、




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泡がシャーベット状!



なんすね。
だからフローズンなんだ。
どうしてこうなるんだろう? 不思議〜。

無論ギンギンに冷えており、乾いた体に染み渡る〜。




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あ! スケラッコさんのところに届いたフローズンの泡の形が……



なんというか、ちょっと……ウ、ウ……やめておきましょう。
店員さんいわく「失敗した」だそうですw

それにしてもここ、異常にメニューが多い!




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どうやって



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選べというんだ!



どピンクの私服の上に割烹着を着込んだ名物女将さんに聞いたところ、お客さんのリクエストに応えているうちにこうなってしまったそうで、この壮観なメニュー短冊はお店の歴史そのものなんですね!

そんでもって、上の写真にも「フロッグレッグ」つまりカエルの足! なんてのが見切れてますが、いわゆる“珍食材”料理が豊富なのも特徴。

と思ったら、ラズウェル先生と安田さんがなんの躊躇もなく注文したのは、




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イモリの黒焼(値段忘れ)



2人して「うんうん」なんて言って食べてますが、僕はけっこう食に対して保守的なところがあって、こういうのはダメなんす……。
味をレポートできずにすみません!

というわけで無難に美味しそうな、




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アボガド明太子(280円)



「無難に」とは言いましたが、ちょっと珍しい組み合わせですよね。
が、これが簡単なようでいてなかなか良いつまみになります!
家でも真似してみよう〜。




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ハルカス(380円)



こんなインパクトメニューも。

なんだかだまし絵のようですが、日本一の高層ビル「あべのハルカス」誕生を記念して開発された、巨大な揚げ春巻。
割り箸を芯にして立ててあるそうで「食べる時気をつけてな〜」とのことだったんですが、食べやすさよりも見た目のインパクトを重視するその姿勢、




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でもやるんだよ!



って感じで、大変勉強になります!

味? 普通に美味しい揚げ春巻でした。




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地獄どうふ(430円)



一丁分の豆腐に粉唐辛子、味噌、たっぷりの青唐辛子が乗った激辛メニュー。
僕はイモリとかは食べられない分、辛いものに関してはかなり感覚がバカになってるので、確かに相当辛いんだけど、絶対無理! ってレベルではなく、けっこう美味しく頂けました。
ちょっと甘めの味噌とフレッシュな青唐辛子の風味が良い相性〜。




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自家製コーヒー焼酎とチューハイを両手に持って満面の笑みをたたえるナオさん



人って、こんなに幸せそうに笑えるんだね。

はい、種よしではこんな感じ。
何回通っても飽きることのないであろう品数に、リーズナブルな価格、そして温かい店員のみなさん。
これまた近所にあったら危ない飲み屋だな〜。


さて、ここで安田さん、ラズウェル先生がお時間の都合で離脱。
4人になったメンバーは、ちょっと移動して「谷町」にやって来ました。

目的のお店は、実は最近、東京にいながらにしてかなりの頻度で「良い」との噂を聞く機会の多かった、







ここ、今回の関西遠征で必ず寄りたいお店のひとつだったんですよね。
やったー来れたぞー!

今年の5月にオープンしたばかりの新店で、「ニューウェーブ系大衆酒場」とでもいうんでしょうか、熱意ある若い世代の方々が、決してうわべだけの昭和レトロではなく、きちんと古くからの酒場文化へのリスペクトを込めて作り上げたお店。
最近こういった酒場は増えていて、新代田の「えるえふる」さんなんかもまさにそうですよね。
行けば「酒場文化というのはこうしてすたれることなく守られていくんだな。頼もしいな」なんて、楽しく飲み食いしながらも感慨深くなってしまいます。

で、ついに来ることができたそのだ、白を基調としたピッカピカの店内がものすご〜く気持良いです。
真ん中が厨房で、ぐるりとカウンター、その周りにテーブルも数席。
大勢の若い店員さんが忙しそうに働かれており、活気もすごい。
壁にはびっしりとリーズナブルなメニュー短冊。
う〜む、何もかもが完璧だ……。

しかも、関西では珍しい「バイスサワー」など、東京の下町で主に飲まれているようなお酒が置いてあるのも嬉しく、




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バイスサワー



コップ最高!
シャリキン焼酎を割ったバイスの鮮やかなピンク色が、これでもか! ってくらいセーラームーンの絵柄とマッチしてます。
ここでは他にもいろいろなアニメの、こういったレトロなグラスが使われているんですが、「大衆酒場とは渋くなければいけない」なんて既存のイメージにとらわれず、思わず誰もが楽しくなってしまうアイデアを取り入れているところは大阪ならではかもしれませんね。

ちなみにすみません、このあたりからもうベロベロで、料理の値段などの細かいことは覚えていないのですが、とにかく何でもお手頃だったことは間違いありません!




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レバーパテ



ハーブとスパイスがたっぷりと効いた、感動的なうまさ!




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トマトの一夜漬け



ナオさんのおすすめで、人気メニューでもあるそう。
さわやか〜!




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肉豆腐



かな?
もー写真だけで説明不要でしょう。




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もやしのすごもり



鳥の巣に見立てたホイル焼き。
後半に嬉しいメニュー。

そしてそして! ここに来たら絶対忘れたくないのが、締めの、




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中華そば(700円)



そもそもこのお店の前身って「中華そば そのだ」というラーメン屋さんだったらしく、こうしてめちゃくちゃ本気でクオリティーの高いラーメンが食べられてしまうのです!

キリッとした醤油味ながら、魚介や鶏、そして貝の旨味によってものすご〜く深みの生まれたスープに、どでかいチャーシューがどーん。
スープには少々の背脂が浮いており、これがコクと満足感もプラスしています。

さらに特筆すべきなのが、「麺」!
なんで写真を撮っておかなかったのか、自分の間抜けさが不甲斐ないばかりですが、かなり特徴的な、角の立った平打ちの中太麺なんですよね。

スタンドそのだ 中華そば」の画像検索結果

これがスープをよく吸うしよく絡むんですが、ブリンブリンの食感はなかなか失わない力強さも持っている。
もうね、この時はお腹に余裕もなくみんなで仲良く分けたんですが、本来ならひとりで一杯、思いっきりすすり込みたいくらいですよ!

ちなみにこの麺は、「ナポリタン」や「焼きそば」にも使われているようで、あ〜、全部味わってみて〜な〜ちきしょう!




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ずっと大盛況!



はい、というわけで、さすがにもう何も食べられないし飲めません。
大変名残惜しいですが、これにて大阪での飲み歩きはお開き。
今回も最っっっ高だったな〜!
アテンドしてくれたナオさん、一緒に飲んでくれたみなさん、全てが最高だった大阪のお店のみなさん、本当にありがとうございました!




4日目

大阪の宿をチェックアウトし、やって来ました、




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京都!



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京都タワーかっこいい!



派手で、ごちゃごちゃしてて、猥雑ながら謎のパワー溢れる大阪から一転、どこもかしこもものすご〜く整然とした規律正しい街並みが、電車でたった30分ちょっと移動しただけとは思えません。
いや〜関西楽しいな〜!

今日は夕方の新幹線の時間まで、夫婦でちょこちょこと市内を観光して回る予定。
というわけで、




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市バス・京都バス一日乗車券カード(500円)



を購入。


さっそく観光スタート! の前に、朝ごはんを食べましょう。

実は京都への移動中に妻と「一回くらい関西風のダシのうどんとか食べておきたいね〜。それも立ち食いとか、日常的にみんなが食べてるような」なんて話をしてまして、あわてて検索して見つけたのが、京都駅から歩いてすぐの、




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てん狗



椅子はありますがカウンターのみの、いわゆる立ち食い価格のうどん/そば屋さんです。

連日の飲み食いで胃腸は疲れ気味ですし、おとなしく「かけうどん」でもすすってればいいんですが、ここでも「せっかくだから」と意地汚さが爆発してしまい、僕が頂いたのが、




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おまかせうどん(540円)



ご、豪華〜!!!

平べったく衣を付けたエビ天に、黄身が半熟の玉子、きざみあげ、きんぴら、ノリ、ネギと、たっぷりの具が麺を完全に覆っています。

まずツユを一口すすると、優し〜いおダシが全身に染み渡るようで、う、うますぎる!




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うどんはやわやわ



このふわりとした麺の1本1本が、旅に疲れた心身を癒してくれるようで、いや、ある意味このうどん、今回一番印象的だった一食と言えるかもしれません。

甘辛いきんぴらが時間の経過とともに味に変化を与え、天ぷらの衣はモロモロと崩れてツユと渾然一体となり、けっこうなボリュームだったんですが、飽きるなんてことは一切なく夢中で食べ切りました。
いや〜美味しかった!
京都に来たらまた寄りたいな〜。


さて、この日は次に、妻のリクエストであったお菓子屋さんに行くため、バスで「大徳寺」のあたりまで行き、そこから「京都市役所前」まで移動。

そこから大好きな鴨川や「先斗町」を散歩しながら、繁華街である「河原町」を目指します。




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飲酒もスタート



大阪の宿で飲み足りなくなった時用に買っておいたワンカップのミニ。
宿に帰ればバタンと寝てしまうので残ってしまうのがいつものパターンですが、鴨川の河川敷で飲むのにちょうど良い量でした。
なぜかビビッドカラーモードになっちゃってて、やたら色鮮やかな写真ですね。




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先斗町



鴨川に沿った細長い飲食街で、歴史と風情を感じる通りです。
川に面したお店はだいたい京都名物の、




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川床



になっていて、これがまた良い雰囲気。




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どこを見ても



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絵になる



僕はこの一帯が本当に大好きで、京都に来たら必ず寄りたい場所のひとつでもあるんですが、つい先日、ここで火災が発生してしまったそうですね。
死者などが出る事態にならなかったことは不幸中の幸いですが、消防車も入っていけないような細い道での消火活動はさぞ大変だったことでしょう。
怪我をされてしまった方、被害のあったお店の、1日も早い回復を願うばかりです。


先斗町を抜けると、そこは京都有数の繁華街、河原町。
今回は案内してくれる人がいないので、なんとなく前情報を調べておいたんですが、あまり「昼飲み文化」の根付いていない京都ながらも、早くから飲めるお店がこのあたりにはいくつかあるようなんですよね。
そう、京都に来てもすることはもちろん飲酒!
かのラズウェル細木先生も、以前こうおっしゃられていました。
「東京から京都に来て大衆酒場を巡りたいなら、神社仏閣に寄ってるヒマなんてない!」と。

とはいえ、河原町には、




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錦天満宮



という神社がありますので、本格的な飲み歩きの前にこちらにご挨拶。

ちなみにここの参道の鳥居、




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両側の建物に刺さってることでも有名



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たつみ



昼から営業している数少ない大衆酒場だという噂を聞き、まず様子を見に行ってみると、まだ午前中なので営業前。
結果、流れ的に今回は寄らなかったんですが、のちにとある京都通の方から「昼飲みならたつみがおすすめ!」との情報を頂き後悔しました。
次は必ず行くからなー!


で、京都での一軒目は、立ち飲みもできる漬物屋さん、




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賀花



へ!

今日も、




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生ビール(400円)



が染みる〜!

おつまみはもちろん、




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ヌカ漬け盛り合わせ(380円)



浅漬けに近いんだけど味や風味はしっかりしていて、めちゃくちゃ美味しいです。
京都で漬物つまみに立ち飲みできるなんて最高だな!

たまらず、純米酒




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まつもと(580円)



を追加!

ここは他にもお酒が進みそうなつまみがたっぷり揃ってるんですが、追加し始めると永遠に飲み続けてしまいそうなので、ここでお会計にしてもらいましょう。


さてお次は、去年の関西ツアーでラズウェル先生に連れてきていただき、あまりの素晴らしさに大感激したお店です。







なんと創業は昭和2年!
本物の昭和レトロな看板のロゴがかわいいったらありません。




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店内も





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このように



長年の歴史が堆積した風格とロマンを感じる、そこにいられるだけで幸せな空間。
やりすぎにもほどがある大阪と比べると、京都の大衆酒場はそこまで激安な印象ではないんですが、それでも行く価値のあるお店だなぁと思います。




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酎ハイ(420円)



伝票もかわいい!




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牛すじこんにゃく煮込み(620円)



以前も頼んで感動したメニュー。
このうまさは何なんだろう? もちろん良い素材を使っていることは間違いない、奥深い旨味なんですが、やっぱりそれだけじゃない、歴史も合わせて頂いているような重みのある味わいなんですよね。
今回も食べられて良かった……。




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オムレツ(500円)



こういう何気ない洋食が、お店の雰囲気と一番合うような気がします。


さて、続いて、「京の台所」と呼ばれる、




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「錦市場」



を散歩し、




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奈良漬けの美しさ



妻リクエストのお店にいくつか寄ったり、




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突然のゲリラ豪雨をカフェでやりすごしたり



しているうちに、そろそろ帰りの新幹線の時間も近付いてきてしまいました。
京都駅付近に戻り、この旅ラストの酒場に寄って締めることにしましょう。


やって来たのは、京都タワーすぐ裏手の、







という立ち飲み屋さん。

こちらもありがたいことに14時から空いており、京都駅付近で日中、急激に酒が飲みたくなった時に便利ですね!




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白地に黒のひょうたんマークがおしゃれ



こちらで頂いたのは、




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鯛の子煮(350円)



あぁ、もうすぐ関西ともしばしのお別れなんだと思いながら噛みしめると、実に、実に染みる味です。
そしてこの旅最後の一品となったのが、




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とうふ煮(250円)



どうです? 最高にいいでしょう?
肉豆腐でも煮込み豆腐でもなく、「とうふ煮」ですよ〜〜

ほんのり甘く優しい煮汁が豆腐によく染み込み、まるで「また京都へおいでやす」と語りかけてくれるかのよう(感傷による幻聴)。




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生ビール(500円)



と合わせて、我ながら良いチョイスで締められました。


というわけで! は〜長かった。
以上で「2016年夏、大阪京都3泊4日飲みまくりツアー」全行程終了!

本当に幸せすぎて、同行のみなさんが何度も「こんなに美味しくてバチが当たるんじゃないか」「こんなに楽しくて死ぬんじゃないか」と口にしていたほどでしたが、僕も全くそう思いました。
まじで最高すぎるよ、関西!

とはいえ、絶対に行ってみたいと思いつつ行けてないお店がまだまだあるどころか、どんどん増え続けている始末。
また必ずおじゃましようと思いますので、その際は何卒よろしくお願いします〜。m(_ _)m




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きれいに締めておいて、新幹線でまだ飲むんだけどね!





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京都駅で調達するつまみは「志津屋」さんの元祖ビーフカツサンド(500円)がおすすめ





今回飲んだお店

・種よし(天王寺)
・大衆食堂スタンド そのだ(谷町)
・賀花(河原町)
・京極スタンド(河原町)
・ひょうたん(京都)




京極スタンド
住所:京都府京都市中京区新京極通四条上ル中之町546
電話:075-221-4156
アクセス:阪急電鉄京都線 河原町駅




告知










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posted by パリッコ at 08:30 | Comment(0) | 第126回〜第150回
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