大衆酒場ベスト1000

2017年03月16日

第141回「中畑商店(神戸)/ホルモン」

告知失礼します

パリッコ監修の酒カルチャー雑誌「酒場人 vol.3」の発売を記念し、前回も大好評を博したトーク&飲みイベント「酒場人大宴会」が再び開催されます!




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ぜひぜひ、チェックお願いします〜。m(_ _)m


以下本編↓




初進出!神戸のディープな酒場めぐり【前編】 1本 50円の絶品ホルモン!

尊敬する漫画家のラズウェル細木先生が、大好きな大阪の「シカク」というお店でご自身初の原画展を開かれると聞き、「行かないという選択肢はない!」とばかりに関西へ行ってきました。

ただ、結構ムリヤリなスケジュールで、土曜の午後に大阪に着いて、翌日曜の昼過ぎには東京行きの新幹線に乗らないといけないという、良く考えたら滞在時間が丸 1日に満たないという余裕のなさ。
しかもラズ先生の展示開催記念の飲みイベントに、光栄にも「ゲスト」という形で参加させてもらうことになっているし、その他に仕事的な用事がちょこちょこと入っており、はっきり言ってこれまでの関西旅行のように、のんきにハシゴ酒に興じている時間はなさそうです。
とはいえ、道中の移動を全て全力疾走にしてでも時間を捻出し、なんとしても関西の酒場を味わいたい! という気持ちに変わりはなく、結果、限られた時間でもかなり濃密な経験ができました。
特に生まれて初めて訪れた街、「神戸」で出会ったお店たちが強烈すぎたので、今回は、前後編に分けてお送りしたいと思います!


まずは初日。

東京からお気に入りの新幹線「こだま」で新大阪に着いてすぐ、おなじみ大阪在住のスズキナオさんと合流。
そこから在来線で 30分ほど移動するともう神戸だそうで、京都もそうだけど、神戸も大阪から案外近いんだな〜、いいな〜、と出発です。

運良く 2列シート前向きタイプの旅情あふれる座席にナオさんと横並びで座れたので、さっそくもしもの時のために買っておいたお酒で乾杯!
僕はミネラルウォーターをちょっと飲んでそこに小瓶のウイスキーを注ぐという、いつものパターンの水割りを作ったんですが、これ、人に見られると「何あの水? おしっこ?」って不審感を抱かせてしまうのがネックなんですよね。
しかもここは旅行者だけでなく、一般の方も乗っている車両。




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ボトルにかわいいカバーをかぶせれば、まさか中身が酒だとは思われまい



というライフハックを駆使し、事なきを得ました。


神戸に着くと、関西の友人、ヤマコットさんも待っていてくれました。
次の予定までは約 1時間ほど余裕があります。
ヤマコさんは神戸にも詳しく、駅から徒歩圏内に真っ昼間から飲める良いホルモン屋があるとのことで、そこへ連れていってもらうことに。

この時点で、もしも僕ひとりならば路頭に迷い、海辺の工業地帯を眺めながら缶チューハイをすするくらいしか選択肢はなかったでしょう。
本当にありがたい限りです。


さて、JR神戸駅周辺は、駅から港に向かって「ハーバーランド」と名付けられた一大観光都市として整備されており、駅ビルからしてものすご〜く都会的。
一瞬「ディープさ」という観点からするとあまり面白味のない街なのかな? と思いきや、駅を降りたとたんに全身真っ赤なジャージを着て松葉杖をついた老人が「仰げば尊し」を気持ち良さそうに歌いながら闊歩していたり(しかも歌詞がわからないのか「我が師の恩」まで行ったらすぐ最初に戻る)、




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まだ全然建物の中なのに電動ママチャリが停まっていたりして、



「やっぱり関西だぁ!」と嬉しくなりました。


さらにヤマコットさんに付いて歩いていくと、整備された区域を縫うように、どんどん味わいのある街並みが広がりだし、




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さすが神戸! ポストが青い!



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わ、「とせんてん」だ!



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すげー! 「段ボール」だ!



など、見るもの全てが珍しく感じられて楽しい楽しい。


そんな中、あるひとつの




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看板



に目がとまりました。
矢印は、




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細い横道



の奥を指しています。

ここで僕の職業病というか、性癖というか、「酒屋を見つけると角打ちをやってるかどうか確認しないと気がすまない」が発動しまして、あまり余裕もないのにお 2人に「すみません、速攻で確認してきていいすか!?」と道の奥へ。
するとなんと、お店の前に明らかに「ここで飲んでいいよ」ってな具合のテーブルを発見!

そうなってくるともう……




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こうなっちゃいますよね。



神戸駅から徒歩数分の路地裏にある、




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菊池酒店」さん



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アットホームな店内



ご主人に「ここで買ったものを表のスペースで飲んでもいいですか?」と伺うと、快く OK してくださいました。
というか、今は閉まって真っ暗だけど、店の奥に結構な広さの立ち飲みスペースがあるのを発見!
きっと夕方からの営業なんでしょう。
思いがけず宿題店が増えてしまった!




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外のスペースにも酒自販機ありで便利



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灰皿はご当地駅弁「ひっぱりだこ飯」の空き容器



この容器、だ〜い好き! ノーマルとの、2個持ってる!




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言うことない状況!



写真を見ていただければ、この心の満たされる感じをわかってもらえますよね?
妙に静かな約 10分を堪能した我々は、目的地に向けて再び歩き出しました。





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さらに味わいを増す街並。カレー安!



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稲荷市場」へ



ここは、1995年の「阪神淡路大震災」で受けた被害の傷跡が今も残るという、小さな商店街だそう。




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ほぼシャッター街



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が、こんな謎の一画も



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えぐいサイバーパンク感!



さらに進んで、




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震災の影響で屋根がなくなってしまったまま



だという、商店街の突き当たり付近までやってくると、なんと!




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真昼間から営業中のホルモン屋!



そう、こここそがヤマコットさんが連れてきてくれた目的地、「中畑商店」さんなのです!

震災を乗り越え、今もこうして元気に営業されている奇跡のようなお店。
しかも「ホルモン 1本 50円」って、完全に実写版「じゃりン子チエ」の世界……。
すごい、僕、すでに超感動してます……。


では、いよいよお店へ。




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メニュー



わー、ほんとに「ホルモン」が 1本 50円だ
その他、串ものだと、「アバラ」「シンゾー」「レバー」「ししとう」「しいたけ」「ねぎ」が 100円で、「ミノ」は最高級の200円
皿盛りのメニューもありますね。

が、ここは、注文が入る前から




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ご主人



が鉄板で、




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ガンガン焼いている



串を攻めたいところ!

システムは、とにかくご主人が、いろんな種類の串をどんどん焼いては、特製のステンレス台に並べてくれるので、好きな串を取って食べるだけ!
最安のホルモンの串だけ、長さがちょっと短くなっているので、最後に本数で計算できるわけです。

というわけで、どんどん頂きましょう!

味付けはこちらの、




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二度漬け禁止の特製ダレ



これが、甘辛くて深みのある焼肉のタレの超〜うまいやつって感じで、まじ最高!




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こんな感じ



で、どんどん取って、どんどん食べます!
上の写真は、アバラシンゾーだったかな?




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チューハイ(360円)



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しいたけ(100円)



僕、子供の頃からシイタケが苦手で、おおよそは克服したんですが、こういうでっかいやつを自ら進んで食べたいタイプじゃないんですよね。
ところが今は「中畑商店マジック」にかかっている状態。
「シイタケすらもうまいに決まってる!」って感じで、むしろガツガツ食べます。
案の定、うまいうまい!

最高級品の




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ミノ(200円)
※下のシイタケ食べかけですみません……



も、そりゃあここまできたら食べるに決まってますわな。
シャキシャキの肉とタレのハーモニーやばいー!


と、ここまで書いてきて、僕、肝心の「ホルモン」の、タレを漬けた状態の写真を撮っていないことに気づきました。
何本かは食べた記憶があるのですが、たぶん舞い上がりすぎていたんでしょう。

ちなみにこちらで言うホルモンとは、よくもつ焼き屋で「フワ」なんて呼ばれる「肺」の部分。
それを薄切りにして、ヘラでギュッギュッと押し付けながら焼くので、食感はふわふわというよりはしっかりしていて、旨味も凝縮されており、とにかくうまいです。
それが 50円なんて信じられない!

ちなみに、焼きあがって並べられている状態のホルモンは、




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この左側



なので、みなさま、脳内で先ほどのタレにこの串をドプッと漬けたものを想像していただければと!


あ、そうそう、こちなみにちらのお店は仲の良さそうなご夫婦で営なまれているんですが、ご主人が焼きの手を休め、お 2人で上品なティーカップで何やら飲まれていたタイミングがあったので、「コーヒーですか?」と聞いてみたんですね。
そしたら「白湯や」って答えが帰ってきて、なんか、その瞬間もまたたまらなく良かったです。


さて、お店に滞在できるタイムリミットは 30分ほどと本当に短かったんですが、体感時間でその何倍にも感じる、充実の体験をさせてもらいました。
こんなお店が残っていて、そこに連れてきてもらえて、五感全てで味わえる。
なんと幸せなことでしょうか。
自宅のある練馬区から通うのはなかなかハードルが高いけど、絶対にまた来よう!

と、店を出た僕。

するとお店の看板代わりのボックスに、




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涙が出る。



の文字。

「え! なんで俺の考えてたことがここに書いてあるの? これって、そういう箱?」って、そういう箱ってどういう箱なんだって話ですが、ほろ酔いの頭で大感激。




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活気を取り戻したい。



そうそうそう! 活気なんだよ! 取り戻したいのは!




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散歩コースですね。



うんうん、そうですよね〜……(?)。


あ、ここからおまけ。

近くにある







に、日本製では最古の「ビリケンさん」が祀られているということで、お参りに行くことに。
ビリケンさんはもともと、1907年にアメリカ人の女性彫刻家が神様の姿を思い描いて作り上げたものだそうなんですが、それが大流行し、今や大阪の通天閣界隈なんかでは、幸運のキャラクターとして大フィーチャーされていますよね。

ここにあるのは、「大正の初め、神戸に寄港したアメリカ人の水兵によってもたらされたビリケンを見た元町の洋食屋の主人が、本物をまねて作らせたもの」だそうで。




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けっこう…思ってたより…迫力があるな…



きっと今回の旅がすでに最高なことになっているのも、このビリケンさんのご利益に違いありません。
よ〜くお参りしてきました!





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かっこいい家もあったよ





中畑商店
住所:兵庫県神戸市兵庫区東出町3-21-2
電話:078-681-9598
アクセス:神戸市営地下鉄海岸線 ハーバーランド駅




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posted by パリッコ at 11:00 | Comment(0) | 第126回〜第150回
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