大衆酒場ベスト1000

2017年05月17日

第142回「おんたき茶屋(新神戸)/鍋うどん」

初進出!神戸のディープな酒場めぐり【後編】 天国酒場 in 神戸

しばらく間が空いてしまったのですが、前回に続き、神戸編の後編です。

今回の関西遠征、人生で初めて神戸の街を訪れるにあたり、ワクワクしすぎて、おなじみ Google ストリートビューで、事前の散策を飽きずに繰り返していたんですが、それで見つけたのが「布引の滝」。
この滝については、「デイリーポータルZ」というサイトに「JR新神戸駅から徒歩5分の滝を見に行った」というレポートを書いたので、もしよかったら読んでやってください。

今回は、上の記事の最後でふれている「天国酒場」の詳細を惜しげもなくご紹介してしまおうと思います!




0517_01.jpg
てなわけで新神戸



0517_02.jpg
徒歩5分と10分の場所に滝がある駅



実は事前のリサーチで、この滝のすぐ先に、滝を眺めながら一杯やれるらしいお店があることを発見しちゃってたんです。
今回、かなり時間の限られた関西滞在だったのですが、そんな情報を見つけてしまったら行かないわけにはいかない!
朝の 8時半くらいからオープンするという噂の「天国酒場」に行くため、朝っぱらから関西の友人数人と待ち合わせてやって来ました。

駅を出て滝方面に向かうとすぐに、




0517_03.jpg
こんな感じで



新神戸を起点としてめぐることのできるハイキングルートマップがあります。
これをよく見てみると、




0517_04.jpg
うわ! 大好物の茶屋が点在!



時間があれば全部回りたい〜!




0517_05.jpg
なるほど、「カワウソ池」へ行くには「マムシ谷」を通らなきゃいけないのか……



0517_06.jpg
外人墓地と管理事務所で板挟みして、谷から仙人を追い出そうとしている!



仙人かわいそう〜……と、この地図だけでも見どころ満載なわけですが、今日は午後の新幹線で東京へ帰らなくちゃいけないので、先を急ぎまして、




0517_07.jpg
まずは徒歩 5分の「雌滝(めんたき)」へ



本当に気軽に来られる、なかなか立派な滝。
僕たちが着いた時、ちょうど外人さんが座禅を組み始めるところで、あまりにできすぎた絵面にちょっと笑いました。




0517_08.jpg
そこからは急な山道となり



「駅から徒歩 10分」のはずが、急にハードになった道にヒィヒィ言いながら、15〜20分も歩いたでしょうか。




0517_09.jpg
「雄滝(おんたき)」に到着!



苦労した分、雌滝よりもさらに本格的で立派な滝ですね〜。




0517_10.jpg
ビールケースから眺めてみたり



もはやここで缶ビールの 1本でも飲めればそれで大満足といった最高の環境なのですが、この先にさらなる天国が待っているのです。




0517_11.jpg
雄滝からちょっと上に目をやると見えるあの建物に向かって



階段を上ってゆくと……




0517_12.jpg
うおー、あったー!!!



0517_13.jpg
おんたき茶屋



どうです? 笑っちゃうくらいパーフェクトな佇まいの、まさに「天国酒場」!

ちなみに僕は勝手に、天国酒場の定義の中のひとつに「派手な観光地ではないこと」を掲げています。
ここ、おんたき茶屋さんは、「滝が見える」というド派手なポイントこそあるものの、駅から徒歩 10数分で来れてしまうライトさ、あと、この滝自体がそんなにメジャーな存在ではなさそうなことから、おそれながらも天国酒場と認定させていただいていいですよね!?





0517_14.jpg
テラス席の眼下には滝



マイナスイオンがえぐいことになってます。




0517_15.jpg
そしてもう、どこを見ても



0517_16.jpg
味!



0517_17.jpg
味!



0517_18.jpg
味!



店の外で火にかけられた大きなおでん鍋からは、なんともいえない良い香りが漂っており、これをかいだだけでも「あぁ、来て良かった……」としみじみ思えます。
よし、おでんはあとで絶対食べよう。

この日はまだ寒い時期だったこともあり、女将さんに「どうぞ内へ」と案内していただきました。




0517_19.jpg
その店内の最高なこと!



0517_20.jpg
石油ストーブの香りに涙がにじむ



身体全体がノスタルジックで温かい空気に包みこまれるような至福感。
どんなにお金をかけても作り上げることはできない、歴史の積み重ね、そしてお店とお客さんが作り上げた、奇跡の空間といえましょう。

今日、僕たちは 5人でやってきたので、




0517_21.jpg
特等席のボックスシート



に座らせてもらうことができました。




0517_22.jpg
しつこいようですが、眼下には滝



ちょっと窓を開けると、冷たい空気と心地良い滝の音。
ここに座っちゃったら、相当な覚悟をしないと再び腰を上げることができないっす!




0517_23.jpg
店内も見どころしかなし



ではいよいよこの、いるだけでも最高な空間で、飲んだり食べたりしていきましょう!




0517_24.jpg
シンプルながらもこだわりを感じるメニュー



メニューの隅には「大正 4年創業」とありますね。
ありがたや〜。

価格も全体的にお手頃。
こんな素晴らしいシチュエーション、あと 300円くらいずつ多くとってもバチは当たらないと思うんですが、この良心価格も「天国酒場あるある」のひとつ。




0517_25.jpg
ミニ会席」なんかもあるんだ



これはこれでオツなもんでしょうなぁ!

何はともあれ、おでん(1品 100円)の盛り合わせと、ビール・大瓶(500円)をお願いすると、まずはお通しを出していただきました。




0517_26.jpg
キュウリの酢の物



ちょっとだけ運動した体に心地良い……。


えーみなさま、ここから、怒涛の「良すぎる画」が続きますので、いったん深呼吸してください。
以降は容赦なく、ジェットコースターのように、ただただ最高すぎた瞬間を反芻するだけの時間となります。
心の準備はいいですか?

それでは……




0517_27.jpg
おでん



0517_28.jpg
瓶ビール



0517_29.jpg
そりゃあもう最高



0517_30.jpg
魚(400円)



あえて何かは聞かずに注文してみたのですが、何パターンかの焼魚が頼めるようで、女将さんより「人数が多いからシシャモはどう?」とのご提案。
ハイ喜んで〜。




0517_31.jpg
布引ラーメン(500円)



このラーメンが 500円ですって。
一体どうなっちゃってるんでしょうかね?

オーソドックスな醤油ラーメンよりもちょっと甘辛いようなスープと、コシとかそういった概念からはかけ離れた素朴な麺が妙にうまいです。
また、「伸びないうちに食べなくちゃ!」みたいな感情が湧いてこないタイプの一杯なので、酒のつまみに最適!

ちなみに「布引ラーメン」と地名が付いていることからも、お店の名物であることが想像できますが、その特徴を伺ったところ「水がいい」とのことでした。
うん、確かに、ラーメンなのにものすご〜く体をいたわってくれるような味わいだった!




0517_32.jpg
鍋うどん(500円)



さらなる驚きがこれですよ!

見ての通り、ベースはインスタントのアルミ鍋うどんなのでしょう。
が、そこに過剰に追加された、「具」という名の「優しさ」!

ネギやしめじの食感と旨味が嬉しいし、僕の大好きな「あと乗せサクサク」タイプの天ぷら! これ、今のシチュエーションともあいまって、むしろ揚げたての天ぷらより嬉しいくらいです。




0517_33.jpg
半熟玉子を崩すだけのことが、最高のエンターテイメントに



とどめは切れ込みを入れて熱々に焼いたモチで、これがスープに絡んだとこのうまさなんかもう感涙もの!

いや〜、500円のうどんでここまで感動させてくれますか〜……。





0517_34.jpg
湯豆腐(500円)



今日は人数もいますし、次に来られるのがいつになるかわからないしで、どんどん行きますよ。

「湯豆腐」と言われてこの鍋が出てきたら、そりゃあ、豆腐が一丁に、ペラッとダシ用の昆布、良くてネギと、タラの切り身が一切れ入ってれば誰でも納得するでしょう?
ところが、おんたき茶屋さんがそれで済むはずがないことくらい、もうたやすく想像がつきますね。




0517_35.jpg
それにしても豪華すぎ!



まずもって、具が乗りすぎて豆腐がほとんど見えない!
パッと見ただけでも、青ネギ、白菜、おぼろ昆布、しめじ、ちくわ、さらに珍しい刻みアナゴまで確認できます!

で、さらに掘り起こしてみると、




0517_36.jpg
豚肉まで出てきた〜



と思ったら、まさかの、




0517_37.jpg
鶏肉も出てきた〜!



やりすぎですってば……。
ここまでしてくれなくても、誰も文句言いませんって。
いや、わかります、「お客さんが喜ぶから」って言いたいんでしょう?
だけど、もしも辛くなったら、遠慮なく具、減らしてくださいね。

ひとりでそんな謎の脳内会話を繰り広げてしまうほどの感動とともに、様々な具から溢れた旨味をたたえた湯豆腐をじっくりと堪能。


あの、そろそろ忘れてると思いますけど、これらの素晴らしい料理の数々、




0517_38.jpg
目の前の滝を見ながら頂いてますからね?



いやぁ、とんでもね〜。


ところで、あまりにも絶品な料理の数々を前に、あれこれ飲んでみたくなるのは酒飲みの性。
メニュー表にお酒はビールしか載っていませんでしたが、一応ダメもとで「お酒って他にはないですか?」って聞いてみたんですね。

そしたら、




0517_39.jpg
あったよね〜



値段を確認し忘れてしまったんですが、最後にお会計した時全員ショックでひっくり返るくらい安かったんで、たぶん普通にお手頃価格。

このタイミングでチューハイのちょっとした甘酸っぱさが嬉しく、また、




0517_40.jpg
ワンカップをストーブでお燗しちゃう



という暴挙まで飛び出す始末。
これぞ人類最高の贅沢と言っても過言ではないですね。




0517_41.jpg
う、うまい〜……



0517_42.jpg
全員夢心地



このあたりでさすがに大満足し、お会計をお願いすると、




0517_43.jpg
熱いお茶が



これ、お店に着いた時にもまず出して頂いていたんですが、飲み食いの最初と最後にお茶を頂くっていう、一般的な居酒屋ではありえない優しさがまた、心と体に染み渡るんですよね。




0517_44.jpg
女将さんはアイドルのような可愛らしさ



年上(であろう)女性に失礼ですが。


はぁ〜、事前にお店の存在を知った時点で期待は高まりまくっていたんですが、そんなハードルを棒高跳びで軽々飛び越えるほどに素晴らしすぎました、おんたき茶屋さん。
自宅の練馬区から新神戸はそんなに近くないけど、絶対にまた来ます! 何度でも!

以上、関西で新しく見つけた天国酒場でした。


ところで、おんたき茶屋のトイレは、山道をさらに2〜3分上った先にあある登山客用のものを使うシステムになっています。
僕もお店を出た後に寄ったんですが、そこのシチュエーションがまたすごい!
山の中腹の開けた展望広場になっていて、




0517_45.jpg
おあつらえ向けの椅子やテーブルまであり



となれば、




0517_46.jpg
いざという時のために持っていた酒








0517_47.jpg
飲まざるをえませんよね



0517_48.jpg
神戸港を眺めながら



あぁ、神戸に移住したい……。




布引雄滝茶屋(おんたき茶屋)
住所:兵庫県神戸市中央区葺合町布引遊園地45
電話:078-241-3484
アクセス:北神急行電鉄 JR山陽新幹線 新神戸駅




告知







パリッコのオリジナルLINEスタンプ
「酒たぬき」第1弾、第2弾発売中!
酒たぬき - LINE クリエイターズスタンプ
酒たぬき2 - LINE クリエイターズスタンプ
saketanuki_350.jpg








posted by パリッコ at 11:00 | Comment(0) | 第126回〜第150回
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。