大衆酒場ベスト1000

2010年10月02日

第21回「寿-TOSHI-(成増)/マッシュポテト」

今回はおしゃれな写真が続きますが、気絶しないで下さい

第13回で紹介した「居酒屋革命」があるのは東武東上線の「大山」という駅でした。今回は同じ沿線をさらに下って埼玉に入るひとつ手前「成増」のお店を紹介したいと思います。

この東武東上線、僕の人生に何の縁もない路線なんですが、たまらなく好きなんですよね。
駅ごとにいかにも地元民のための!って感じの商店街が展開され、そこを中心に賑わっていて、節々に漂う昭和の香りがまたたまらないのです。
大山の商店街をまだ訪れた事のない方は、一度行ってみる事をおすすめしますよ。

さて、ここ成増も例にもれず、駅の南側は昔ながらの商店街「スキップ村」(スキップ通りじゃない所がヒネリきいてます)を中心に活気に溢れ、こういうと失礼かもしれませんがどっかの地方都市に旅行に来たようでワクワクします。
ちなみに北側はというと、なぜか駅から見下ろすように遥か下に住宅街が存在し、ゲームに出て来る神殿の階段みたいので降りて行かないと辿り着けない(いや、たぶんエレベーターとかあるけど)謎の地帯です。
こちらもそのうち、攻めてみなくてはいけなそうですね。

とにかく今回は南口です。
先に断っておきますが今回のお店、かなりオシャレです。
出て来る料理はイタリアンがメインです。
この店を“大衆酒場”というカテゴリーに括っていいのか?異論がある方はいらっしゃると思います。
しかしあらためてこの連載の大衆酒場というワードを“我々庶民が背伸びする事なく利用出来る、大衆的な価格帯の飲食店”と定義させて頂き、話を進めたい所存でございます。

というわけで今回紹介するお店は、スキップ村の外れにある小さな名店「寿-TOSHI-」さんです!




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外観





いかがですこの佇まい?
「シンプル・イズ・ベスト」または「何屋かわかんねー」って感じでしょうか。
模様入りのかなり細い窓が1枚しかないので、一見さんはドアを開けるのに多少の勇気がいりそうですよね。

店先に黒板が出ていますのでそこに注目してみましょう。
上の黒板には「3連休最終日みなさんどのようにお過ごしですか?」から始まって、店長さんの挨拶が書かれています。
日付けも入っているのできっと毎日変えているのでしょう。
この“人知れず街に問いかけるパターンの看板”、たまにありますよね。
馴れ馴れしく感じますか?

実は僕、以外と好きです。

だってこれ、もしも自分がお店を始めたらと思うと、かなり面倒でしょう。
オープン前は掃除や仕込みなど、やる事が山程あるはずなのに、この黒板を綺麗に拭いて、文章を考え、そう毎日書く事も無い所を無理矢理ひねり出した上で、誰が読んでも読めるくらいの丁寧さはキープしながら(逆に誰にも読めないきったねー字で書いてあったらそれはそれでおもしろいですけど)清書しないといけない。
そこに余裕を感じますよね。
それになんかマメそう。
掃除とかすごい行き届いてそう。
好感が持てます。

その下の黒板に目を向けましょう。
「サンマのスモーク」「サンマのコンフィ」「ハモのフライ」「豚バラとひよこ豆の煮込み」「自家製カレー」「太刀魚のカツレツ」…。
見ただけでたまんないラインナップですよね。
さすがに“やきとん”とか“モツ煮”みたいな大衆感はありませんが、決して背伸びしていない、こまっしゃくれた感じのない絶妙な品々です。
しかもどれも値段が安い!

もうこの時点で絶対良い店って分かるので、今回はそれで終了でもいいんですが、せっかくなので店内にも入ってみましょうか。




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店内





ほらみろ!
超〜綺麗!
店内の美しさでは、これまで紹介して来たお店の中でもピカイチかも!

特にちょっと写真に写りきってなくて申し訳ないんですが、換気扇を覆うステンレス製のでっかい板、正式名称すら知らないそれがこんなにピカピカなお店は初めて見ました!
たぶん毎日脚立を出して執拗に磨いてるんでしょうね。

さてひとまず生ビール(550円)を頼んでから、ゆっくりとメニューを見て行きましょうか。
先程も言った通りイタリアンを中心に洋食系が充実していて、ここもかなり迷わせますね〜!
ここからは、やっとの思いで選んだ絶品料理の数々をご覧頂きますので、おしゃれすぎてモニターの前から逃げ出さないで下さいね。




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お通し





もうね、お通しからしてこの調子なんですよ。
正式名称は分からないんですが(すいません、聞いとけば良かったですね)、秋刀魚、チーズ、ナス、トマトなどにパン粉をまぶしてオーブンで焼いたようなお料理で、一気に胃が回転し出すのを感じます。




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生ハムのパテ/値段忘れ





爽やかな一品です。
添えられたピクルスの酸味がまた合う!




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秋刀魚のスモーク/480円





こんなのもう店入る前から頼むって決めてたからね。
色合いを見て頂ければ一目瞭然の絶妙なスモークの風味。
そして一過程挟む事によって一度閉じ込められた脂が噛んだ瞬間に噴出する、そのジューシーさと言ったら!




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スープ・ド・ポワソン/480円





分かりやすく言うと“魚介の旨味がたっぷり染み出たオニオングラタンスープ”って感じでしょうか。
深いです。
そしてパンに合う!




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牛スジのグリル/550円





まずいわけがない(=うますぎる)。
たぶん一回煮込むなりしてトロトロにした牛スジをグリルしてあるので、カリッとした食感もあり、しかし一噛みするごとに口の中で溶けていく。
どのくらいトロトロだったかは、下の写真を見て頂ければそれで十分かと思われます。




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持ち上げただけで崩れる肉





赤ワインがベースと思われる甘めのソースがまた合い過ぎます!
さらに下にグリルされたナスが敷かれているんですが、普通ならお皿にこぼれてそれでおしまいの肉の旨味が加味されたソースをしっかり受け止めていて、もうこのナスだけでも最高にうまいです!




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マッシュポテト/380円





そしてこれです。

みなさんはマッシュポテトと聞いて何を思い浮かべますか?
そう、“ドイツ人の主食”ですね。
“パサパサした塩味のジャガイモ”ですね。

しかしこのマッシュポテトは“パサパサ”とは対照的な存在です。

頼むとまず牛乳を鍋にかけ、ゆっくりと熱する所から始まります。
それから丁寧にジャガイモを混ぜ、味付けをして皿に盛られます。
マッシュポテトなんて作り置きだろうからと「マッシュポテトまだぁ?」なんて聞いてはいけません。

しばらくすると、丁寧に作られ、フランスパンが添えられた熱々のマッシュポテトが届きます。
一言で表現すると“ドロドロ”です。
液体と固体の間とも言えるかもしれません。
これをパンに付けながら食べますが、絶妙な塩味と甘みがもうたまりません。

“まったりした物”っておいしいですよね。
乳製品の最大の魅力って、ずばり言ってその“まったり”だと思うんですが、それにしてもこのマッシュポテトのまったり感と言ったらないですね。

むしろ“まったりそのもの”と言ってもいいかもしれません。

お好きな方は、是非どうぞ。
値段にも注目ですよ。

あ、ちなみにお酒の方ですが、こちらも色々とあり、どれも丁寧に作ってくれるのでおいしいですよ。
ハイ系は400円〜と十分納得のお値段。
それから、どうしてもこういった料理と合わせたくなってしまうワインもグラス500円〜、ボトルもお手頃な物から色々と揃っているので、気分で楽しめます!

そんな所で、今回はこの辺で。
次回は振り幅も考えて、おしゃれとは程遠いお店でも紹介しようと思いまーす!




寿 TOSHI - 成増/居酒屋 [食べログ]


posted by パリッコ at 12:00 | Comment(0) | 第1回〜第25回
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