大衆酒場ベスト1000

2010年07月03日

第15回「銚子屋(小岩)/くじらベーコン」

未開の地でひっそりと歴史を刻んでいた名店との出会い

さて、今回ご紹介するお店があるのは、江戸川区の「銚子屋」です。

東京23区の中でも埼玉ギリギリん所に住む僕にとって、千葉ギリギリの小岩は言わば未開の地。
それゆえ僕の小岩に関するイメージは非常に乏しく、唯一思い浮かぶのは、昔ボキャブラ天国って番組(芸人以前)で“新小岩”をもじって“チンコ岩”ってネタがあったなぁってくらい。
近隣住民の方々に対しては全く失礼な話ですね!

そんな小岩なんですが、なんとなくのイメージだけど、よさげな居酒屋とか豊富にありそうな気しません?
昭和っぽい雰囲気も残ってそうだし、絶対行ったら気に入りそう。
何故かと言われてもあれなんすけど、強いて言えば件の“チンコ岩”の時のVTRバックに映っていた街並のイメージなのかなぁ。
イヤ、映像なんて全然覚えてないや!

ともかくそんな小岩で先日、なんと朝から何件か酒場を回る機会がありまして、中でも特に印象に残り、気に入った居酒屋さんをご紹介しようと思います!

で、唐突なんですが、まずはお店の外観を見てみて下さい。




0703_01.jpg
ドン!





どうです?コンパクトな存在感がたまらなく愛らしくないですか?
何故いきなり僕が写真でお見せしたか、全国1億数人の大衆酒場ファンだったらすぐに納得出来る、パーフェクトな佇まいですよね!?

右下にある百葉箱っぽいの、あれ室外機ですよ。
そこからお店の大きさを具体的に想像すると、さらに愛おしさが増して来ると思います。

ん?でもなんで昼間の写真なのかって?
居酒屋なら夜の写真載せるのが本筋だろうって?
オメェもとうとう焼きが回ったなって?






バカ野郎!!!


一体この銚子屋、何時からやってると思ってる!?

“朝の7時から”だよ!!!

そう、ここは“ランチビール”なんて気取った単語を鼻で笑う、朝っぱらから本域で飲める酒好き垂涎のお店(※)だったんですね〜。
モニターの前で「オラ、ワクワクして来たぞ…」ってつぶやいてる貴方!その気持ち、分かります。

それではさっそくお店を紹介して行きましょう!

銚子屋さんは小岩の駅から徒歩10分くらいかな?けっこう歩いて住宅街の中、こんなとこにお店あるのかなぁ?って不安になって来るあたりに、ポツンとあります。
お店を見つけて安堵すると、今度は半開きの入り口を見つめ、2度目の不安を感じる事になります。
「ホントにやってんのかな?」と。

ちなみに、現在午前10時。
思い切ってドアをちょっと開いてみましょう。
おお!威勢のいい女将さんが「いらっしゃい!」と元気に迎えてくれましたよ!

50年以上は続いているという店内はいい感じに燻り切って、もうこれだけを肴に酒が飲める程。
約10人くらいは座れるかな?というカウンター前に、古い時計や、古いお面や、古い置き物や、TV雑誌に載っていたであろうイチローがゲストに出た時の古畑任三郎のワンシーンを写真に撮って額に入れた物(謎)や、とにかく雑多に物が飾ってあって、リアルおばあちゃんの家って感じ。
入り口付近のカウンターで独りしみじみとグラスを傾ける常連のおじいさんがまた絵になってます。
もはや旧世代の昭和っ子としては、板橋区で工場(こうば)を営んでいた母方の祖父母の家を思い出してノスタルジックな気分になりますねぇ。

ちなみに反対側は、2名が対面して座るような狭い小上がりのテーブル席が2席。
それから、やれ配信がどうしただ、やれCDが売れないだとなにかと過渡期の昨今にあって、得体の知れないカセット式のジュークボックス(?)が堂々と鎮座しています。




(※)ちなみにこういった朝から飲める居酒屋さん、赤羽のまるます家いこいなんかも有名ですが、近くにタクシー会社がある所が多いんだって。
朝まで仕事したタクシーの運転手さんたちが一仕事終えて飲めるようにって事ですね。
銚子屋もそれがきっかけで、昔はもっと早くからお店を開けていたらしいですよ!
勉強になるね〜!夢、あるね〜!





0703_02.jpg
最高としか言い様のない店内





こういう店はビールも生よりビンが似合ったりしますよね。
小ビンは400円、中ビンが520円。
この時期暑い日中にお店まで歩くと、けっこう汗かきます。
というわけでグイッと一杯。
無論最高。

お通しは小さな器に入ったカボチャの煮物だったんですが、これがまた絶品でした!
よく味がしみ込んでいてトロトロ、かぼちゃの甘味と正油のハーモニーが最高に落ち着きます。

僕のパターンとして、大体ビールの次はチューハイって決まってるので移行しましょう。
チューハイは270円。
ウイスキーの角瓶に入った原液(でも角ではない)とソーダをドバドバっとグラスに注ぎ、それをカウンターに乗せたまま女将さんは奥へと消えてしまいました。
「もういいのかな?」とチビッと手を付けて、不安なので元に戻したところで、輪切りにしたレモンを持って女将再登場。
これをポチャンと入れて完成だったんですね。
ソーダが冷やしてあって氷は入ってないので、一杯でかなり酔っぱらいそうなチューハイですよ。

つまみには黒板にあったメニューから、クジラベーコンを頼んでみました。




0703_03.jpg
クジラベーコン/500円





実は僕、クジラってあんま食べた事なくて、正直抵抗があったくらいなんですよね。
でもなんか雰囲気もあって頼んでしまったんです。

一切れ食べてみると、心配していた臭みは全くないですね。
ほ乳類だけあって、魚とは違いやっぱり肉だなって感じ。
本当、トロトロのベーコンみたいです。
ただ食べなれた豚や牛の肉とは明らかに違う、海の生き物のクセみたいなもんも感じ、なかなかおもしろいなーとか思いながらバクバク食べてしまいました。
一切れ一切れが脂身が多かったり、肉っぽい部分が多かったりして、味わいの違いも楽しいですね。

さらに「クジラが少なかったから、これも食べて」とマグロのお刺身を1皿頂いてしまいましたよ。
こういうサービスって、本当に人柄、お店柄が出るし嬉しいもんですよね。
マグロも全く臭みがなく、また嬉しさも手伝って最高のお味!

なので、上の写真のクジラベーコン(500円)は、普段の量よりけっこう少ないらしいので、そちらもご留意頂ければと。

さて、この日はせっかくの小岩だし何件か行ってみよう!という無意味な義務感にかられており、そろそろおいとましなければなりません。
女将さんの人柄も最高、お店の雰囲気も最高、値段も味も最高で朝から飲めるとあれば、またじっくり来ない訳にはいかないですけどね。
今度は近所の銭湯(あるでしょ?きっと)で一番風呂でも浴びて昼間っからお邪魔して、暮れなずむ街の雰囲気なんかを肴にあれこれ飲み食いしたいなぁ〜。

ってなことで、今回もこんな感じでよろしいでしょうか?
それではまた〜!!




銚子屋 - Google マップ - 地図検索
鯉とうなぎのまるます家 総本店 まるますや - 赤羽/居酒屋、うなぎ、すっぽん、鰻、スッポン [食べログ]
立飲みいこい - 赤羽/立ち飲み居酒屋・バー、居酒屋、立飲み、立ち呑み、立呑み [食べログ]


posted by パリッコ at 12:00 | Comment(0) | 第1回〜第25回
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。