大衆酒場ベスト1000

2012年04月17日

第58回「柿島屋(町田)/肉なべ」

“日本のシカゴ”こと町田、馬肉料理専門店!

この連載では初めて登場する“町田”という街ですが、みなさんはご存知でしょうか?

実は僕、奥さんの実家がこちら方面なこともあって、昔からけっこう行く機会が多かった街なんですよね。
しかも、かなり好きなんです、町田。

大体僕は洗練されたお洒落タウンというやつに全く興味を持てないんですが、町田はその逆。
猥雑としたゲットー感があって、馴染みのある池袋なんかともけっこう似た空気感を感じます。
そして何しろ街が広い!
超巨大な繁華街ですから様々な施設やお店が入り乱れ、いい味出してそうな居酒屋も各所に点在しておりまして、プラプラしてるだけでも楽しいんですよね。

こないだも久々に行ってプラプラしてみましたけど、やっぱり最高でしたよね。

例えばこんな感じで、




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焼肉 おばちゃんの店





い〜佇まいじゃないっすか?
それにこの店名「焼肉 おばちゃんの店」
なかなかナイスなセンスじゃあないですか。

またきっと、こういうとこに限っていいお店だったりするんだ!
名物的なおばちゃんが威勢良く切り盛りしててさ、若い者が行くと無言でご飯を大盛りにしてくれたり。
田舎のおふくろみたいに「ちゃんと食べてるの?」なんて心配してくれたり。

いいよな〜、どれ、ちょっと中を覗いてみますか…




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……





おばちゃんはいなくて、おじちゃんが1人頭を抱えてますね…。




さて、あまり深入りしてもあれなんで本題に移りましょうか!

そんな素敵タウン町田の中でも、僕が優先順位1位に考えてるお店!
町田に行くと決めたらまず「今回の予定だと、あそこには行けるかな?」と考えてしまうのが今回の「柿島屋」さんなんですね。


駅から繁華街を徒歩数分、マンションの1階フロアを大胆に使った珍しい作りのお店、柿島屋が現れました!




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立派な店構え!





大変歴史のあるお店で、創業はなんと明治時代!

そんな柿島屋の最大の特徴ですが、それは“馬肉料理”の専門店というところです。

なんでも、八王子と横浜を繋ぐ鎌倉街道の中間地点に位置するのがここ町田であり、運搬などの仕事に耐えられなくなったお馬さんを食べちゃってみたところ、おいしかった!というのがその発祥由来らしく、ちょっとかわいそうというか、切ないエピソードでもありますね。
柿島屋はその頃から“馬喰”、いわゆる馬を飼育して、運搬や仲買をする商人だったとのことで、本当に120年以上も馬ひとすじ!というわけです。
これだけ信頼感のおけるお店もなかなかないっすよね。

さて、店内へと入ります。
外観からの印象通り広くて立派な作り。
お店の7割くらいは天然木から切り出したと思われる長〜いテーブルが何列かに並べられ、そこに等間隔で椅子が並べられています。

ハンガーかけが馬と蹄鉄を模してあったり、細かい部分にも歴史とこだわりを感じますね




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このこだわりだけで料理のうまさも数割増





さて面白いのはその奥で、小上がりになっていて仕切りも完備されており、ちょっとした個室が数卓あります。
実はここ“上席”と呼ばれるちょっといい席で、肉なべ、馬刺といった名物料理には“上”と“並”があるんだけど、上席では“上”しか頼めません。
まさに選ばれた者のみが座れるエリート席!
といってもまぁ、それぞれの上と並、400円ずつしか違わないんですが。

僕はいつも、当然のごとく一般席です。

で、ここ、月〜金は16時から。
土日祝日はなんと12時からやってるんです!
休みの日にちょっと町田まで出向いて、昼からここで頂くブドー割と、馬肉のうまいこと!


ではいよいよ、注文して行きましょう!

まずは超〜定番の、




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メンチ(550円)





一見どこにでもあるメンチカツですが、言うまでもなく“馬”です!

馬肉って、脂がこってりしているわけでもないのに“肉の旨味!”って感じの味がすっごく濃くて、普段よく口にするミート類とはまた違った特別感がありますよね。

それをメンチにしちゃったっつーんだからね、もう…




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馬肉です!という主張





しかもつなぎは極力少なめに、肉のみをギュッと凝縮したこの馬メンチは、他にはなかなかないクセになる味。
柿島屋に来ると真っ先にこれを頼んで、「あ〜柿島屋来たな〜…」としみじみ実感するのがたまんないんです。

お次は僕の大好物であるアレをいってみましょう!




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馬肉シューマイ(420円)





そう、シューマイです!
ずいぶんときめ細かくミンチにされ、滑らかな口当たり。
個人的には是非モノとまではいきませんが、珍しい感じなんでシューマイ好きは一度は味わってみると面白いと思うっす。


じゃあそろそろあれを頼みますかね…




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馬刺し(800円)





並ですが!
十〜分に、うまい!

口の中でサクッとほどけて、馬特有の旨味を感じさせた後にスッと消えてゆく。
なんとも粋な味じゃあないの。
濃厚な脂身もいいけど、馬肉といえばやっぱりこの赤身ですよね!

ちなみに上馬刺しは1,200円。
よく考えると頼んだことがないんですが、こないだ隣の席になったご年配の夫婦がちょうど頼まれていたので眼球のみ動かして盗み見たところ、こちらも脂が乗ってるとかサシが入っている系ではなく、並よりももっとツヤがあってなめらかそうなお肉でした。
次に行ったときは食べてみようかな〜。


あ、ちなみにドリンクですけど、梅割、ブドー割を飲まれている方が圧倒的に多いです。
僕はここのブドー割が大好きでして、こんなセットで出て来ます。




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ブドー割(290円)





セット内容は、グラス、焼酎、そして葡萄のシロップ。

まずグラスに焼酎を注ぎ、ザ・ぶどう味!といった感じのシロップを足すわけですが、ちょ〜どグラスから若干溢れちゃうってくらいの、絶妙な量です。
見ての通り葡萄シロップはワンフィンガー分くらいですから、もうほぼ焼酎ストレートなわけですが、これがスイスイ飲めちゃって危険なんすよね〜。




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あぁ美しい…





梅割も同じ構成になってまして、こっちもおすすめです。


ではそろそろ本日のメインにいってみましょう!




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肉なべ(1100円)





無論“並”です。
ちなみに上は1,500円。

オリジナルの馬の図柄があしらわれた鉄鍋にたっぷりの野菜、ネギ多め。
そこに豪快に盛られた馬肉!

しかもこれで1人前ですからね。

程よく火を通したら絶対に外せない生たまご(60円)を絡めて…




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たまんねー!!!





いや、色々あったけどさ、やっぱりこれが一番肉の旨味がダイレクトに来るんだ。

それにつけてもこの絶妙なる味付け!
すき焼き風といえばいいんだろうけど、深みがありすぎる!
と思ったらそれもそのはずで…




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あ!馬脂!





刺身でも一品料理でも一切姿を見せなかった脂身をここで使って来ましたか!
そうですか!
そりゃあそうだよな、こんなに汁が複雑濃厚になるんだもん、今使わないでいつ使うって感じだよね!

馬肉、馬脂、それから野菜から出た旨味がたまんなすぎるハーモニーを奏でております。
いや〜、至福…。


しかしながらここではまだ終われないんですよね。
具を一通り堪能したところで、忘れちゃいけない“シメ”をお願いしましょう。

それがこの…




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自家製 そば玉(230円)





鍋のシメでそばって珍しいでしょう?
しかも写真を見てわかる通り、コシがあるわけでもない(失礼)若干ボソボソっとしたそばで、蕎麦屋なんかでこれが出て来た日には「あれ?」なんて感じちゃいそうな代物。

しかしながらこれが、旨味が行き渡ったダシをよく吸って、心からうまいんだよな〜!

最後の1本1欠片まで残さず頂いてもう満腹です!


一般的な胃袋をお持ちなら以上のメニューを2人くらいで頂けば「も〜なんも食えねぇ!」ってくらいには満腹になると思いますよ。
それでいてあのお酒の安さでしょう。
店内の趣き、そして何よりお料理一品一品のクオリティの高さから、高級料亭にでも来たような気分になったところでのお会計のリーズナブルさには、毎度本当に驚かされますよ!


はい、というわけで今回は馬肉づくしの内容でお送りしました〜!




あ、最後に今回も告知をさせて下さい!

私めのニューアルバム「ALCOHOLIC TUNES」は5/3発売!
ただ今予約受付中!

お酒だけでなく、馬肉にもよく合うサウンドとなっております。
よかったら是非チェックしてみて下さい〜!










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柿島屋 かきじまや - 町田/馬肉料理 [食べログ]



posted by パリッコ at 10:52 | Comment(0) | 第51回〜第75回
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