西新宿の閑静な住宅街に存在する穴場的角打ち
1ヶ月のご無沙汰でございました、大衆酒場ベスト1000です。
普段は2週に1度のこの連載、前回は久しぶりにお休みさせて頂いたんですが、なぜかと申しますと僕、生まれて初めての海外ってやつに行っておりまして。
しかも南の島!グアムってやつです。
ベタですね。
「お前ごときが生意気だ!」という声がもう幻聴ではなくハッキリと聞こえて来そうなんですが、落ち着いて下さい。
実は僕、結婚してもう3年以上になるんですが、新婚旅行ってやつにまだ行ったことなかったんですね。
でもそういうのってホラ、一生に一度のもんだし、出来ることなら行っときたいじゃないですか?
というわけでかなりの時間をかけてなんとかかんとか下準備を進め、決死の覚悟で旅行代理店に駆け込み、パスポートセンターによじ上り、必要以上に金属部品を廃除した服装で探知機をすり抜け、やっとの思いで実現した初の海外旅行が前回の更新日前後だったってことで、もう原稿なんて書いてる余裕なかったんすよね。
主に何かあってはいけないという不安と緊張で。
ですが今回からまた通常営業にて酒場探訪の記事を更新させて頂きますので、ひとつよろしくお願いします!
いや〜しかし…、よかったなぁ…、グアム。
練馬区の外れで生まれ育ち、子供の頃から憧れ続けた南国。
だってさ、まじもんでこれもんっすよ!景色。

NOT 素材辞典
ただですね、こんなに日本を遠く離れても、どうしてもアレが気になってしまうのは悲しい性ってやつでしょうか。
え?アレって何かって?
これっすよ、これ!

IZAKAYA!
そう、勢い勇んで「あっちの居酒屋チェックして来てやる〜!」ってなもんで、ハンバーガーやエビの食事の合間を縫って、グアムで唯一ホッピーが飲めるという「どうらく」さんにもお邪魔してみたんですが、結果から申し上げますと、真っ当過ぎてちょっと記事にするほどではなかったという感じでしょうか。
いやね、日本人の大将が作る居酒屋メニューは文句なく美味しくて、テレビではわざわざ日本の民放番組やってて、もう居心地は最高なんですよ。
ただ逆に「え!なにこれ?これが寿司!?」みたいな「このフジヤマってメニューなに!?」みたいな、そういう驚きは全くなかったんですよね。
ですので、出来ればやりたかった海外居酒屋レポートはいつか機会があればまた別のお店で。

グアムのホッピーにはレモンが刺してあった
さて、本題に入りましょう、こっから一気にいつもの空気です。
ご紹介するのは酒屋さんの一角でお酒が飲める“角打ち”スタイルのお店、新宿の「根本酒店」さんです!
伺ったのは夏の気配もチラホラと感じるようになった5月の中旬。
その日は仕事新宿近辺に出る用事があったんですが、思いの他早く片付きまして、「あ、そういえばこのあたりに角打ちあったな」と。
まだ明るいですし陽気も素晴らしい。
これは一杯やんなきゃ酒の神様に怒られるだろうと、場所を検索して向かってみることにしました。
ただこちら、新宿とは言ってもどの駅からも適度に離れた取り残されスポットに存在していまして、地図でご確認下さい。

★が目的地
西新宿五丁目、都庁前、初台、参宮橋あたりが最寄り駅になるんでしょうが、たぶんどこからも10分くらいはかかるんじゃないすかね?
僕は新宿駅から歩いてむかったんですが、20分弱はかかりました。
そしてやっと見えて来た根本酒店さんは、

こんな感じ
どこにでもある街中の酒屋さんといった佇まいですねー。
さっそくお店に入ってみますが、どこにも飲めそうなスペースなんてないですよ。
ただ車が停まっている駐車場、よく見るとホッピーのちょうちんがぶら下がっていたりして、夜になったらここを空けて会場にするに違いないですね。
そしてご覧下さい。
酒屋さんながらこんな感じで、

駄菓子とか
乾きものとか、缶詰とか、やたらと充実しており、これら全て酒のツマミに出来るってことでしょうから、きっと飲みタイムがスタートしてたらもう天国なんだろうな〜!
時間は16時半くらいだったでしょうか。
う〜ん、まぁせっかく来たんだし、ダメなら買ったお酒は近くの新宿中央公園まで行って頂くか、と、とりあえず缶チューハイとミニサイズのお菓子2袋を持ってレジに向かってみます。
対応してくれたおかみさん、とっても人が良さそうで、何気なく聞いてみました。
「ここって、夜になるとそっちで飲めるんですか?」
すると、
「そう、5時半くらいからね。あ、もしかして飲みたかった?狭くてもいいならそこ、いいわよ!」
とのことで、こいつは嬉しいですね!
指差された駐車場の方に行ってみると…

狭っ!www
でも嬉しい!
そして楽しい!
いや〜この時点でもう来てよかったし、根本酒店さんの大ファンになりました。
ちなみに買った物はといいますと、まずはタカラの缶チューハイ500ml(200円くらいだったかな?)、それとわさび味柿ピー小袋(50円)、ギンビス アスパラガスビスケット小袋(50円)。
とりあえず以上です。
缶チューハイを1缶空けるのには我ながらベストなチョイスじゃないでしょうか?
いや〜一息つけた、ってことでここでチビチビやらせてもらってると、何やら慌てた様子で今度はご主人が出ていらっしゃいましたよ。
で、1台の車に乗り込んでお店の外方面に車をバックさせています。
するとこの通り

立ち飲みスペース出現!
どうやら客が来たというのを聞いてあわてて会場を設営に来て下さったみたいですね。
「まだ時間じゃないのにすいません」
とご挨拶すると、
「いえいえ、いいんですよ〜」
と、とことんいい夫婦です!
しかもですね、ご主人、僕が飲んでいる缶チューハイを見て
「あ、タカラ缶チューハイ!うまいですよねぇ。最近はみんな氷結なんか飲んで、それはあんまり出ないんですけど、私はそればっかりなんですよ」
なんて話しかけてくれました。
わかります?このなんとも言えぬ嬉しさ。
例えて言うとなんだろう…、とっても好きなアーティストがいて、幸運なことにどこかでお話をする機会があったとします。
で「僕あのアルバムの中のあの曲(シングルになっていない)が大好きなんですよ!」って伝えたら「お!わかる?俺も実はあの曲気に入ってるんだよ」って答えてくれた、みたいな?
ちょっと違います?いや、大体合ってるよね。
まぁそんな嬉しい一言のおかげで、チューハイの旨味もさらに増すってもんですわ。
さて、のんびりと時間をかけて先程の買った物を平らげました。
お客さんは依然僕1人。
せっかくだからもうちょっとのんびりとしていきたいなぁとお酒の棚を見渡して、

次はこいつだ!
竹鶴12年の缶ハイボールなんて珍しいですね。
少なくとも僕は初めて見ました。
流石に缶にしてはちょっとお高めの298円だったんですが、この味わいを考えると激安とさえ思えますね。
心底うまいと思える贅沢な味わいです。
コンビニなんかと違ってこういうちょっと珍しいお酒と出会えたりするのも、酒屋さんならではですよね!
ここまで缶チューハイ1缶、ミニお菓子×2、ハイボール1口を頂き、胃が刺激されて小腹減って来ちゃったんですけど、実はさっきからアレが気になってるんですよねぇ…

これこれ!
あつあつおでん、いいなぁ、けど厳密にはまだオープン前って感じだし、無理言っちゃってもなぁ…、などと思いを巡らしていたわけですが、まぁ聞くだけ聞いてみっか!ということでおかみさんに
「このおでんって、流石にまだですよねぇ…?」
と聞くと
「大丈夫ですよ!温めるだけだから!」
やったぜ!
すぐに商品陳列棚から数種の一食分のおでんパックを取り出し、裏に回ってあつあつにして出して頂きました。

おでん(300円)
要するにおでんダネを専用の鍋かなんかでグツグツと煮込むわけではなく、パックを温めるだけなんでいつでも対応可能なんですね。
合理的で素晴らしいシステムじゃないっすか!
しかもこれが中々いいお味なんですよね〜。
全てのおでんはむしろ1回パッケージングして寝かせた方がいいんじゃないか?ってくらい、濃いめのダシがそれぞれの具に染み込んでいてたまりません!
またこういうシチュエーションで食べる温かい物のありがたみも手伝ってもうね…。
はい、そんなこんなでかなりの快適度とワクワク感を合わせもった根本酒店さん。
もうこの時点で絶対また来たい最高角打ちに決定なんですが、さらにとどめを刺す要素がありますので覚悟して下さい。
…覚悟はいいですか?
…行きますよ!

看板猫ちゃん登場〜!!!
エサの時間なのかおかみさんが名前を呼ぶと、どこからかやってきた看板猫ちゃん。
車のフロントガラスが定番の通り道なんでしょうかw

こう来て

こう
で、用意されたエサを食べ終わると

お店の中の

定位置(?)へ

最後は寝ちゃったw
いや〜猫って本当自由そうで、見てて和みますね。
というわけで、猫ちゃんの写真だけがやたら多くなってしまった根本酒店さんのご紹介はこのあたりで。
新宿とはいえ静かな住宅街の中にありますので、行かれる方はマナーを守って楽しみましょう〜!
それではまたー。
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告知
さて、最後は告知失礼します。
まず僕の代表曲となりつつある「芽が出ない節」のPVが出来ました〜!
この連載と合わせて聴いて頂いてもマッチする大衆的な仕上がりです。
よろしければご覧下さい!
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