大衆酒場ベスト1000

2012年06月18日

第61回「八峰(下北沢)/ピーマンつくね」

若者の街下北沢でついに発見した理想の大衆酒場!

下北沢っていうとご存知、ファッション好きおよびミュージシャン志望の若者たちであふれかえる、ザ・ヤングタウンですよね。
昔は「服屋ばっかりで飲むとこね〜」とか言って毛嫌いしていたクチなんですが、実は全くそんなことなくて、雑多でラフな雰囲気も心地良く、大好きな街のひとつです。

今この連載の一覧を見返して見ると、2年前の5月に「四文屋 なん八」さんを紹介して以来、2回目の登場ですね、下北。
好きな街の割りに少ない方だと思うんですが、それもそのはずで、これぞ大衆酒場!って感じのお店は意外と少ないんですよ。

いや、飲むのにいい店自体は多いんですよね〜。

まず一番に浮かぶのが中華の「a亭」でしょ。
ここは雰囲気から味から全て最高なんですけど、アルコール類がビールと紹興酒しかないのだけが大変無念でして。
チューハイとかウーロンハイとか置いてくれたらもう最高なんですけどねー。
まーもしそんなことになったら僕みたいなのが2階の座敷に居ついちゃうと思うんで、お店としては迷惑でしょうね!

それからおでんの「宮鍵」さん。
ここはほぼパーフェクトな佇まいの酒場ですが、カウンターのみで基本おでん専門というのもあって、いわゆる気兼ねない大衆酒場というにはほんのちょっとだけ敷居が高い気がしたり。

他にも、同じくおでんですが、元はそれぞれ別だったしずおかおでん屋とソウルバーが何故か融合してしまったという異色のお店「EXCELLO しずおか屋」でしょ。
「宿場」や、駅前市場の「てっちゃん」なんかは大衆酒場という雰囲気に最も近いですかねー。
チェーン店なら僕の大好きな「紅とん」もあるし、その目の前にはTVの効果で最近いつも行列している「餃子の王将」も。

まーどこも最高なので、いずれこの連載にも登場することがあるかもなって思います。

ただね、最近ついに見つけてしまったんですよ。
“これぞ由緒正しき大衆酒場!”ってお店を。

場所はですね、南口を出てまっすぐ南下していくと、急に6つくらいに道が分かれてるとこありますよね。
その中の一番目立たない細道。
よく見るとポツンと1つだけ赤提灯がぶら下がってるんですよね。
下北には何度も行ったことあるけど、今まで気にもとめてなかった、まさに盲点ってやつです。

で、近付いてってみるとこんな感じ。




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素朴な佇まい





ご覧の通り店外に一切情報を出していない系のお店で、入るのにはちょっと勇気がいります。
しかしここで引き返すと絶対後悔しそうなんで、今日はここにしてみましょう。




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うわぁ〜、超オッケーだ…





このメニューの短冊の色見てくださいよ。
居酒屋の壁に貼って数十年いぶす以外にこの渋さを出す方法がありますか?

また目を引くのはカウンター上のショーケースなんですけど、すいません、ガラスが光っちゃってよく見えないかもですが、並んでいる調理前の串たちがとにかく食欲をそそる!




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しいたけのデカさにも注目





どれも大ぶりで、どこからどう見てもフレッシュな色味。
これは間違いないな、ってなもんですよ。

はやる気持ちを抑えて、まずは生とお通しで落ち着きましょう。




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キンキンの特大ジョッキ!(580円)





お通しのマカロニサラダも理想的な味付けで量もケチケチしておらず、素晴らしいですね。

さてそれでは、魅力的過ぎるメニューたちを吟味して注文していきましょうか。
さっきも言いましたがこちら、どう考えても新鮮な鶏が食べられそうなので、まずは鳥さし(580円)を。
丁寧な店員さんが「食べ方はわさび、しょうが、にんにくの3通りありますがどうされますか?」と聞いてくれます。
普段はバカの一つ覚えのようににんにくを選んでしまう僕ですが、素材を味わう事を考えるとここはわさびでしょう。

しばらくしてやって来た鳥さしを見て、予感は確信に変わりましたね。




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う…美しい!





この短時間で!? ってくらい素早く出して頂いた鳥さしの盛り付けの美しさが、奥にいる大将の確かな腕前を証明してます。
肝心のお味は言わずもがな。
甘みと粘りのある身が口の中で溶けてゆく様は、思い出しただけで悶絶モノっす。
そこにアクセントを加えるわさびの辛味!
まじ日本人で良かったっすわ。
またこの盛り、なんかふぐ刺しっぽいじゃないですか?
調子に乗って2切れくらい身を取って、わけぎをたっぷり乗せてふぐ感覚で食べるとまた、感じが変わってたまんねーっす!

次にこちら、メインは焼き鳥になるんですが、冷奴自家製塩辛しらすおろし、さらにはお茶漬け卵子雑炊といったご飯系まで、けっこう色んな一品メニューがあります。
その中からメニューの横の“八峰スペシャル”という表記が気になった、ジャーマンポテト(580円)いってみましょう!
これまた味が2種類から選べるらしく、塩味チーズ乗せか、しょう油味海苔乗せが選べます
洋風か和風かって感じ、と店員さんに教えてもらったので、




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和風の方





を選んでみました。

スペシャルと謳うだけあって、かなり変わったビジュアルですね。
基本となるじゃがいも、ベーコン、玉ねぎといった原材料は同じですが、普通のジャーマンポテトとは違ってじゃがいもがかなり細切りになってます。
これがホクホクよりはシャキシャキとした食感になっておもしろい!
和風とだけ聞くと想像つきませんが、ここにしょう油と海苔の組み合わせが合わないわけはないっすよね。
うん、いいっす!

そろそろ飲み物のおかわりを頂きたいんですが、これもかなりリーズナブルですねー。
先ほどの生ビールの他に、パブ&ギネス(500円)カンパリソーダ(550円)なんて小洒落たメニューもありますが、酎ハイ、ウーロンハイなどのハイ系は、大(350円)、小(300円)に統一されています。
ちょっと甘酸っぱいもんを欲していたので、ライムハイをせっかくなんで大でお願いすると、




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ドーン!





頼りになるヤツがやって来ましたよ。

さてそろそろ串系に行きましょう。
こちらはレバー、砂ぎもの各120円から手羽先焼の370円まで幅広く、またいわゆるオーソドックスな部位が各種取り揃ってるってわけではなく、こだわりを感じるラインナップといった印象。

とりわけ大将がカウンター内でひっきりなしに成形しているつくねは、このお店の名物の予感です
見るからに大ぶりで、しかもユズとニラの2種類の味があるらしく、これは頼まないわけにはいかないですねー。
それも含めて気になるところ、一通りいってみましょう!




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串各種!





手前から、つくね ニラ(190円)レバー(120円)ひな皮ニンニク焼(160円)つくね ユズ(190円)砂ぎも(120円)ささみ焼(190円)
タレ/塩はお任せでお願いしました。

特に気に入ったのがひな皮ニンニク焼で、皮とにんにくが交互に挟まっているというんではなく、しょう油ベースでほんのり甘いにんにくダレに漬け込んでから焼いた、という雰囲気の1串。
ゆえに他の串よりも若干焦げが進んで香ばしく、またじんわりと旨味、そしてにんにくの風味が染み出してきてもう、好きとしか言い様のない味です。

もちろん他のどの串も最初に感じたインスピレーション通り最高の素材、味付けで、それぞれにボリュームもあって大感激。

そしてやはり“つくね”がヤバい!

タレじゃない方のユズつくねなんか見てくださいよ。
一見パサパサしてそうってくらいの見た目じゃないすか?
これがとんでもない!
素材の良さプラス大将の腕なんでしょうね、噛むとホロリと崩れる絶妙な食感。
そして見た目に反し「え、マジで!?」ってくらいにあふれるジューシー感。
これはちょっとビックリするくらいの個性があっておいしいつくねです。

そこにさらに“ニラ”“ユズ”といった個性がプラスされているわけですからね、いいもん見つけたわ!と嬉しくなっちゃいますよ、これは。
ニラとユズってどっちもそうだと思うんですけど、なんか料理に入ってると自動的にありがたさをワンランク上げてしまうような、どうにも抵抗できない魅力を持ってますよね。
「え!ユズが乗ってるの!?」なんつって、なんでもありがたがっちゃうみたいな。
そういう意味でもこのつくね、最高です。

で、そうなって来るとどうしても気になっちゃうのがメニューにある“ピーマンつくね ニラ/ユズ(各380円)”なんですよ。

元来個性的なところにさらに個性をプラスしたオリジナリティー溢れるつくね、そこにさらに“ピーマン”という個性を掛け合わせようとするなんて!

…いくでしょう。
もうつくねは2本頼んだけど、これはいくでしょう!




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イェー!





ピーマンつくね ユズ、3個で380円です

ちなみに上に写ってるのは、さっきのひな皮ニンニク焼で気になってどうしても頼まずにはいられなかった若鶏ニンニク焼(200円)
こちらもただ素材を焼いただけの時とは違う旨味が感じられてヤバい仕上がりでした。

で、ピーマンつくねなんですが、要するにピーマンの肉詰めのつくねバージョンですね。
今回はユズを選んでみたわけですが、先述した最高のつくね、これがピーマンに詰められて焼かれており、シャキッとした食感とフレッシュな青味、そしてほんの少しの苦味が加わってたまんねーったらないっす。

あの、ピーマンって“焼いたら意外とジューシー”部門のかなり上位に食い込む野菜じゃないっすか?
つまり、ジューシー×ジューシー=?ってことで、この回答部分はそれぞれの宿題として持ち帰って頂きたいんですが、とりあえず僕が導き出した1つの正解としては“天国”でした。


はい、そんなこんなで下北でついに見つけた理想の大衆酒場、八峰さん。
特につくね好きのみなさんは是非チェックしてみて下さいねー!


それでは今回も、しつこい告知でお別れです。
また次回ー!





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八峰 やつみね - 下北沢/焼鳥 [食べログ]



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posted by パリッコ at 10:54 | Comment(1) | 第51回〜第75回
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Posted by anadgal at 2021年12月19日 20:22