大衆酒場ベスト1000

2013年02月12日

第77回「みゆき食堂(清瀬)/カツカレー」

パーフェクトな食堂と、パーフェクトな食べ物のお話

「一番好きな食べ物は?」という質問に対し「あれもいいな、これもいいな」と迷ってしまう方は多いと思います。
しかしおかげさまで、自分に関しては「間違いなくこれ!」と、バシッと1つ答えられる食べ物が決まっています。

それは“カレー”。

カレーにも色々ありますが、僕が特に好きなのはいわゆる、日本風、家庭風のカレーです。

では「好きなトッピングは?」と聞かれたら、こちらも迷いなく答えられますね。
「カツ!」と。

さらに、カレーとカツカレーを自分の中で比べてみると、大いに“カツカレー有利”ですから、つまり正確には、僕の一番好きな食べ物はカツカレーということになります。

今回はそんな、自分にとってパーフェクトな食べ物であるカツカレーと、これまたパーフェクトな雰囲気を持った食堂のお話。


以前からちょこちょこと縁のある街に「清瀬」があります。
この連載ではお馴染みの西武池袋線で池袋から15駅も下りまして、所沢の手前。
このあたりまで来ると電車の窓から見える景色にもあからさまに緑が増えて来ます。
ちょっとした旅情を味わえてしまうくらいにはのんびりとした、そして味のある、大好きな街の1つです。

ここ最近もちょこちょこと行く機会があり、あらためて散策してみたんですが、居酒屋系がかなり充実しているのも特徴で、行きたいお店の候補が一気に20軒くらい増えてしまいました。




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いいに決まってる





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ここは…好奇心そそられるな





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密度の濃い看板



中でも南口駅前の商店街「ふれあいど〜り」の入り口で、ひときわ存在感を発揮しているお店が「みゆき食堂」さんです。




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外観、パーフェクト!



左側は清瀬に数店舗を構える持ち帰り焼鳥の専門店「佐賀屋」さん。
右側にみゆき食堂の入り口があり、中に入るとスペースは佐賀屋さんの後ろ側の方にまで広がっていて、かなり広い食堂、兼飲み屋さんになっています。

佐賀屋と並んでいるおかげで入り口は少し地味な印象になってますよね。
その分一歩店内に入ると、その活気に圧倒されますよ。




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正しい!正し過ぎる!



もう、パーフェクトな大衆食堂の姿ですね。

初めて行った時、妻と一緒だったんですが、強いて言えばその妻の帽子のボンボンだけが浮いていますw

みゆき食堂は価格の安さ、豊富な品数、味の良さ、雰囲気、何から何まで兼ね備えた名店ですので、ご飯時はいつでも人で溢れています。
1人のお客様も多いのでワイワイガヤガヤと騒がしいわけではないんですが、なんというか、熱が凝縮されている。
お客さん1人1人の多幸感というかなんというか、そんな感情が充満している。
そういう空気に圧倒され、その一部として末席に身を置けることにまず喜びを感じざるを得ない。
大げさなようですがそれくらい素敵なお店で、もう一発で大好きになりました。

何より圧巻なのが壁一面のメニュー短冊。




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とてもじゃないけどここには書ききれませんが、まずは全てみそ汁、サラダ付きの定食類
鯖、紅鮭、秋刀魚開き、ほっけ等々の焼き魚、煮魚系から、オムレツ、しょうが焼、メンチ、鶏唐揚げなどの正しきおかず系チンジャオロース、エビチリ、酢豚等、中華系なんかもあれば、丼ものラーメンそばうどん、果てはスパゲッティまで、思いつく限りの定食メニューが取り揃えられております。
価格は大体600〜800円くらいまでの間ですね。

加えてさらにすごいのが一品料理、おつまみ類。
100円のスタミナニンニク漬に始まり、ハムソティーハムエッグポテトサラダおしたしおしんこきんぴらごぼうイカの塩辛玉ねぎのフライ納豆トマト〆鯖軟骨唐揚げ山かけじゃこ天馬刺板わさまぐろのぶつ切タコぶつ炒り豆腐…。
順不同にならざるを得ないですが、感覚的にこの10倍くらいの品数があるかな。
こちらが大体100〜350円くらいまでの価格帯となっております。

ご近所の方にとってはこの豊富なラインナップがありがたいんでしょうが、たまにしか来れない僕のようなヨソ者にしてみると、逆に酷ですよこれは…。
だって、はっきり言って全部食べてみたいんだもん…。

こうなって来るともう、メニューを比較検討、吟味して注文とかいうレベルではないですね。
フィーリングでパッと目に付いたもの、それがきっと今自分が欲しているものなんだっていう、もはや占いの領域。
そんな感じで数品オーダーしてみました。




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らっきょう



値段を忘れてしまったんですが、たぶん100円でしょうねぇ。
見るからに自家製なのが嬉しいです。

らっきょうで飲む喜びってありますよね。
究極のストイックさというかね。
いい!




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肉とうふ(300円)



煮込んでクタクタまっ茶色系とは間逆の、注文を受けてから作られたであろう肉豆腐です。
必要最低限にして最高の組み合わせで、量もたっぷり。
甘めのツユをしっかりと吸った玉ねぎは、しかしシャキシャキとした歯ごたえは残し、これが絹ごし豆腐のなめらかさとの対比を生み出しています。
そこにあの豚肉の旨味!
たまんないっす。




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わんたん(350円)



夫婦して好物なもんで即決したこちら。
あっさりとした、昔ながらの街の中華屋的安心感のあるスープにワンタンがたっぷり!
ホッとする味ですね〜。

それからここ、先ほど触れたお隣の焼鳥屋さん、佐賀屋から、焼鳥を注文することも出来ます。
方法は他のメニューと同じで、みゆき食堂の店員さんに伝えればOK。
けっこう注文が入るようで、店員さんはしばしば外に出ては焼鳥のお皿をかかえて店内に戻って来ます。
1本100円からの焼鳥がこちら。




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焼鳥各種



専門店で焼いているだけあって、これまた正しい大衆焼鳥。
変にお高くとまったりせず、おみやげに買って帰れば子供が大喜びする、あの持ち帰り焼鳥の美味しさです。

本当、何を注文しても安心するというか落ち着くというか、地元の方々にとっては第二の台所のような場所なんでしょうねぇ。

あ、そうそう、お酒の方なんですけども、ビール日本酒サワー類が一通り揃ってまして、自分が頼んだものしか覚えてなくて申し訳ないんですが、ウーロンハイが300円レモンサワーが350円
参考にして頂ければと。




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レモンサワー



食堂なので夏場は麦茶が、




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レモンサワー



冬場はお茶が。

必ず出てくるのは居酒屋との違いですね。
何故か目じりの下がってしまう光景です。


さて、そろそろ冒頭で触れた話題に突入していきましょう。

これはまた別の日、みゆき食堂に行くチャンスがあったんですが、その日はかなりお腹が空いていました。
今日は定食メニューでも食べてみるか〜なんつって席に付き、なんたって僕の一番好きな食べ物ですから、即決で頼みましたよ、カツカレー!

しばし後、目の前に現れたのは、自分のちっぽけな想像を遥かに凌駕する光景でした。




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カツカレー(800円)



まず皿が巨大!
直径がバスケットボール大はあるんじゃないでしょうか?

そしてお皿全体を覆うカレールー!
外でカレーを食べる時に出会ういくつかの問題の1つ、“ルーが足りなくなる問題”を見事に解決し切った盛り付けです!

また別皿で添えられた真っ赤な福神漬けが本当に嬉しいですね。
これまた外でカレーを食べる時に出会ういくつかの問題のうち、

“付け合わせが赤い福神漬けじゃなかった問題”

“俺は絶対にルーを右、ご飯を左側に配置して食べると決めてる派なのに、そう自分の前に置いた時に福神漬けが手前に来ちゃって、1回スプーンで逆側に寄せてから食べ始めなくてはいけない問題”

の2点を華麗にクリアしています。

見事としか言い様がないですね。
惚れ惚れします…。

ではでは、頂きます。

まずはルーとご飯を一口。
うわ!これはうまいなー!

口当たりはしっかりともったりしています。
この“もったり感”こそ、僕がカレーに求める最大のポイントなんですよね。
野菜の甘みをベースにしながらもスパイスを存分に感じるルーも最高!
見た目以上に挽肉がたっぷり入って、カツが無かったとしてもかなりの満足感がありそうです。
さらに面白いのが野菜なんですけど、挽肉と同じくらいの粗みじんにされたにんじんと玉ねぎ、不思議なことにきちんと歯ごたえが残っています。
これが食感にアクセントを加えていておいしい。
ルーにもしっかり野菜の旨味を感じるんで、もしかしたら2段階に分けて入れたりしているのかもしれません。
とにかく大変美味、とっても好みのカレーです。
出会えて良かった!

加えてカツですよ!




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うわ!分厚い!(満面の笑みで)



もう顔が緩みきってしまいますね。
きつね色を通り越して、たぬき色とでも言うんでしょうか、とにかくしっかりと揚げてあるので、これだけルーをかぶってもサクサク感を残したまま。
食べ応えのある厚みと大きさは、どんな腹ペコ男子のカツ欲をも満たしてくれるでしょう。

そして豚カツといえばヒレよりロース!
まぁこれは個人的な好みですが…。
とにかくあの、断面の端っこ、1/9くらいを占める脂身、あれこそが豚カツ最大の喜びと個人的に思っているんですが、いわゆるその部分のジューシーさも文句なしです!

あぁ〜幸せ。




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付け合せのサラダも到着



これで時折口をサッパリさせながら、相当なボリュームのカツカレーと格闘します。
半分ちょっと行ったところで、こいつを追加。




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ウーロンハイ(300円)



今日は食事メインとはいえ、飲めるとこではしっかり飲みますよ。
またこのウーロンハイの濃い〜こと!
空きっ腹で飲んだら3杯で撃沈するでしょう。

そしていよいよラストスパート。
先ほど福神漬けについても言及しましたが、僕は日本のカレーにはやっぱり、真っ赤な福神漬けが一番合うと思ってるんですよね。
あの酸味と甘みのバランスがカレーの味に変化を与え、また新たな喜びを与えてくれる。
というわけで、自分流のカレーにおける最後のお楽しみ、ちょっと多めに残しておいた福神漬けをザーッ!とカレーの上にぶちまけちゃいます。

…ハァ〜、最後まで堪能させて頂きました。


ちなみにこのカツカレーなんですが、カツとカレーが別皿で供される「別盛」なんてメニューがありまして、これが普通のカツカレーより200円も高い、1,000円なんですよね。
構成は一緒だろ!とか思ってしまうんですが、しかしわからなくはない。
ほら、ブックオフなんかでも、需要のある本はそれなりの値付けがされているし、ない本は105円なわけじゃないですか。
つまり少々お値段が張ろうと、カツ単体として、カツカレーとして、自由に楽しめる別盛には需要があるんでしょう。
かくいう僕も次に行った時は僕もそうしてしまうかもしれません。


さて、なんとか食べきりましたが胃ははち切れんばかりです。
次食べるなら、カツカレー小(700円)で十分だな。
あれ?だけどその場合、別盛はいくらになるんだろう?

そんな些細な疑問を残しておくのも、次回の楽しみになっていいもんです。

あ、そうそう、これは個人的なメモ。
次に行った時忘れず頼むメニュー:長ネギの卵とじ




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ごちそうさまでした!




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帰りにもらえるサービス券、“20円”ってのがまたいいなー。



ってなわけで今回はこの辺で。

あ、そういえば、素敵なお酒ライフを送るための携帯電話の待ち受け用壁紙を思い付きで作りました。
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それでは、ほろ酔いKEEP!!!!!!!!!!





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posted by パリッコ at 10:29 | Comment(2) | 第76回〜第100回
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Posted by egynhvekos at 2021年12月19日 19:52
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Posted by nirmele at 2021年12月19日 20:24