地元民がお母さんのように慕う女将さんがピシッと仕切る、立ち飲みの超名店
今回は、本編の前に告知、ではなく“自慢”をさせて下さい。
現代日本の酒飲みシーンにおける、神様のような存在の方々っていらっしゃいますよね。
太田和彦さん、吉田類さん、なぎらさん等々、もちろん僕は、どの方も大大大尊敬しております。
そんな中で、豊富な知識と深い造詣、なにより食、酒への愛を絶妙なタッチの“漫画”というフォーマットで表現し、お酒×漫画の世界において確実に日本一の漫画家であられる、ラズウェル細木先生!
代表作である「酒のほそ道」は現在最新が32巻で以下続刊中。
あの手塚治虫文化賞まで受賞されているというとんでもない方です。
酒飲みシーンの一番隅の隅っこでこのような連載をさせて頂いている僕ですが、同時に漫画を描いたりもしていますので、そんな僕が最も尊敬すべき!そして実際に尊敬して止まない大先生なのです。
先日、この連載にも度々登場し、いつも大変お世話になっている大先輩、安田理央さんが企画をして下さり、なんとこの神様、ラズウェル細木先生と僕が同席出来る場を設けて頂いてしまいました!
実はお住まいがかなり近所だったということもあって、場所は石神井公園。
しかもお店選びは僕に任せて下さるということで、それはもう大変なプレッシャーだったわけですが、ここで背伸びをしてもしょうがない。
地元のお店の中でも、僕が“大好きだから”というシンプルな理由で通っている大衆店を4軒もハシゴさせて頂きました。
その日の様子は安田さんのブログ「ダリブロ」で、素晴らしい名文とともにアップされています。
ラズウェル細木、パリッコと行く石神井公園飲み歩きツアー
僕のとんでもない愚行(寝ちゃう)の様子まで詳細に記録され、同行の皆様には二度と顔が上げられないような内容なのですが、それでもラズウェル先生からは「次は練馬かな」という暖かいお言葉も頂きました。
酒が好きで良かった!
心からそう思える一夜を過ごし、またいっそう酒に対する愛情を深めた次第です。
同行の皆様、重ね重ね、本当に、ありがとうございました。
さてさて、ではここからは、いつも通りの素敵な酒場紹介へと参りましょう。
今回は山手線、駒込駅が舞台です。
由緒ある日本庭園「六義園」などで有名な駒込ですが、駅の周りにはしもふり銀座やアザレア通りを始め、なんと10以上もの商店街の活気が溢れ、下町的な魅力も満載の街です。
今回はそんな駒込の下町的空気感を代表するような、庶民的立ち飲み屋「立呑 ひろし」さんをご紹介しようと思います。
駅東口からアザレア通りを北上することほんの数十秒、とあるテナントビルの1階に、こんな店構えで営業中。

立呑 ひろし
カウンターに添って奥へと細長い店内は、オーソドックスな立ち飲み屋の風情。
どこもかしこもピカピカなので、まだ新しいお店なんでしょうか。
それか近年改装でもしたのか、聞き忘れちゃったな。
すみません。
ここが割と最近知ってからつい何度も足を運んでしまっている、大好きな立ち飲み屋さんなのです!
ではでは、まだ日も高いですが店内へ。
金宮ホッピーのセットが400円、生ビールが400円、各種ハイ系が300円といった価格帯の中、最近ここに来ると真っ先に頼んでしまうものがありまして、まずはそれから始めますか。
ただ今、季節は僕の最も好きな初夏、ここは立ち飲み屋ながら、そんな季節にピッタリのこんなお洒落なカクテルがあるんですよねー。

モヒート(350円)
ミントを使ったカクテルでして、見た目にも涼しげなこいつをクイッと飲ると、体中をスーッと爽快感が広がります。
いいでしょ?立ち飲み屋でモヒート。
厚手のグラスの口当たりがまたいいんだよなー。
では、何を頼んでも絶品なお料理の方へと進んでいきましょう。
まずは是非頼んで頂きたいのがこちら!

鬼平の玉子焼(300円)
この鬼平の玉子焼の隣には“お袋の玉子焼”というメニューも並んでいて、何が違うのかを訪ねると、ネギの有無だそうです。
同じ値段ならばそりゃネギを入れてもらうでしょう!
ちょっと芸術家というか、陶芸家というか、そういった風貌の大将がササッと作り上げてくれたそれは、絶妙〜な焼き加減で中がフワトロ。
そこにザクザクとしたネギの食感が加わり、こんなにレベルの高い玉子焼き、そうそう出会えないんじゃないでしょうか!?
ところで、こちらのお店の最大の魅力、それは女将さんの人柄に間違いないと思うんです。
今よりももうちょっとお若い頃はさぞ男性を泣かせて来られたんだろうなぁ、という美人な女将さん。
ところが喋ると江戸っ子的でちょっと口が悪く、店内の状況を見ながらピシッピシッと的確に仕切られていて、その様が見ていてとても気持ちいいんですね。
お客さんの多くは常連さんと思われますが、そんな女将さんの人柄に吸い寄せられ、また飲み過ぎてちょっと注意されることすら喜んでいるような、暖かい空気感があります。
お店に来るお客さん全員の、第二のお母さんのような存在なんでしょうね。
一度17時前くらいの早い時間に伺ったことがあるんですが、これが良かった。
先にお店に出られていたマスターに絶品の玉子焼きなどを作ってもらいながら飲んでいますと、家で仕込まれた料理を抱えて女将さんが到着されました。
エプロンをスッと身に付け「さぁ〜今日も働くわよ!」ってなモードに突入すると、お店の空気感もグッと変わるんですよね。
で、カウンターに並べられていく日替りのお惣菜がまた魅力的すぎるんです!

ほうれん草とカニカマの和え物(かな?)

里芋煮
マスターの腕も確かなら、女将さんの作るこれらの家庭料理もまた絶品!

里芋煮(250円)
大ぶりの里芋はまだホクホクと暖かく、早く来といて良かった〜!と小さくガッツポーズ。
とにかくちょうど良〜い味で煮込まれた里芋に、絹さやの味が膨らみを与えています。
こういう青豆類って、料理に少し加わるだけで本当にいい仕事をするんですよね。
たったこれだけの組み合わせなのに、大地の恵みを感じる、贅沢な味です。
それから忘れられないのがこれ

カツ煮(300円)
ここに初めて伺った時、こちらは男2人というメンツだったんですが、女将さんに「あなたたち、お腹空いてる?空いてるなら今日はいいのがあるわよ!」とすすめて頂いたものです。
実はその日、間の悪いことに、1軒前にとんかつ屋でとんかつをつまみに飲んでいたんですが(笑)、こういう時、どうしても味を知りたくなってしまって、断れないんですよねぇ。
結果、頼んで大正解でした。
大ぶりのカツにじんわりと煮汁が染み込み、満足感この上ない1品。
これが300円だってんだから…。
では最後に、こちらに行ったらこれまた是非頼んで頂きたい品を。

ししゃも天ぷら(350円)
ちょっと写真の角度が悪かったんですが、プリップリのししゃもの天ぷらが5本!
揚げたて熱々です。
ししゃもの天ぷらってちょっと珍しい感じですが、これが絶品!
この時は全て子持ちで、衣の中からホックホクの身、さらにたっぷりの卵の旨味まで合わさって、いや〜、全天ぷら屋さんは今すぐししゃもをメニューに加えるべき!ってくらい最高でした。
本当に、気軽な立ち飲み屋さんなんですが何を頼んでもうなってしまうような、大変レベルの高い名店ですね〜。
ところで僕は先日、勇気を出して女将さんに「このお店と女将さんのファンです!良ければ一緒に写真を撮ってもらえませんか?」と申し出たんですよ。
そしたら、「ダメダメ、他のお客さんならいくら撮ってもらってもいいけど、私だけはダメなの!」と、フラれてしまいました。
…っていうか、他のお客さんならいいって、それこそどうなんだ!? って感じですが、ここでは女将さんがいいと言えば誰も文句を言う人なんていないんですよね。
しょうがない、

こっちの愉快そうなおじさんで

がまんしよ〜!
というわけで、電車に乗ってでも通ってしまうアットホームな立ち飲み屋、ひろしでした。
最後に、上手い具合にピンぼけしていた女将さんの写真がありましたので、そっと掲載しておきます。
これくらいは…きっと…許してもらえるでしょう!

雰囲気だけでも
より大きな地図で パリッコの「大衆酒場ベスト1000」 を表示
立呑ひろし - 駒込/立ち飲み居酒屋・バー [食べログ]
告知
2013年5月5日(日)
ゲットー酒場
南池袋ミュージック・オルグ
開場時間 / 17:30
開演時間 / 18:00
当日料金 / 1,500円
LIVE /
2MUCH CREW
パリッコ
Have a nice day!
黄倉未来
nakayoshi group
チミドロ
DJ / 太田裕
FOOD / 一号生筆頭(臓器提供フェア)
2013年5月6日(月)
TELESCOPE TEN
高円寺HIGH & AMPcafe
開催時間 / 15:00〜21:00
予約・前売・フライヤー料金 / 2,500円(1ドリンク)
当日料金 / 3,000円(1ドリンク)
DJ /
neco-punch
MASAHIKO SATO
NORIYO2000XL
FADA
電撃姫
204
ROLLING
Shisoyex
LIVE /
BUBBLE-B feat. Enjo-G
おもしろ三国志
LBT
ディスコロマンス
ディスク百合おん
中村番台 & system160
VJ /
PORTASOUNDS
24INVADERS
VIDEO BOY
gatotsu