パリッコの沖縄レポートその6〜沖縄おでん編〜
さて、またまた沖縄に戻って参りました。
あ、と言ってもまた行って来たわけではなく、今年5月に行った沖縄旅行レポートの続きになります。
前回の記事でお伝えした通り、あまり沖縄ばかり続いてしまってもなんなんで、1回おきくらいに挟んでいこうと思って、今回ともう1回くらいかな?よろしくお付き合い下さい。
ちなみにこれまでの沖縄編を一度整理しておきましょう。
1回目の旅行(2012年11月)
・パリッコの沖縄レポートその1〜入門編〜「かいゆうてい/ソーキ炙り」
・パリッコの沖縄レポートその2〜市場と鮮魚編〜「節子鮮魚店(那覇)/生ガキ」
・パリッコの沖縄レポートその3〜やんばるアグー編〜「我那覇焼肉店(那覇)/山原豚ステーキ」
・パリッコの沖縄レポートその4〜ディープ沖縄の入り口編〜「つかさ屋(那覇)/寿司」
2回目の旅行(2013年5月)
・パリッコの沖縄レポートその5〜ついに発見!第二の実家編〜「ふく木(那覇)/ソーメンチャンプルー」
自分でも2回の旅行でどんだけ居酒屋巡ってるんだ!って感じですが、続きます。
今回はおでん。
おでんというと冬のイメージの食べ物なので、沖縄でおでん?と意外に思われる方もいるかもしれません。
しかし実は沖縄では一年中食べられているポピュラーな料理で、最大の特徴はテビチ、つまり豚足が入ること。
豚肉文化が盛んな沖縄らしいですよね。
それともう1つ、レタス、チンゲンサイ、空芯菜と言った季節ごとの青菜類が入るのも特徴。
これがまたさっぱりとしてていいんですよね。
例えばこれは初回の旅行の時、車で美ら海水族館まで行く途中「道の駅許田」で頂いたおでん。

運転中につき、ハイビスカス花茶と
このように、道の駅なんかでも普通に販売されてるくらい土地に馴染んだ料理なんですね。
今回の滞在では2軒、おでん屋さんにお邪魔しました。
日程は前後しますが、例えばこちら。

おでん うらわ
ナオさんご一行が先に帰られた翌日、夫婦で行った那覇の竜宮通り社交街にある「うらわ」さん。
こちらは沖縄在住のDJ、きらきら富山さんにおすすめして頂いたんですが、さすが地元民の情報というか、ディープでしたね〜!

これがうらわのおでん!
ホラホラ、テビチに青菜!
メニューがないので、あるものを聞きながら「それ食べたいです」とか、「あとは適度に」なんて盛り合せにしてもらったんですが、もう絶品!
っていうか、沖縄に行くと絶品じゃないものに出会うことの方が難しくて、いつかは“まずい沖縄そばを探すツアー”でもやってやろうか!ってくらいなんですが、本当にじんわりと五感に染み渡るうまさでした。
あとおでんじゃないけど、

お通しで出て来たタコの煮物
やわらか〜く炊き上げてあって、これまた最高!
ところがうらわのすごさはさらにその先にあるんです。
それがこの、

お店に集まる

地元のみなさんの

パワー!(右は自分ですが)
この日、たぶん自分たち以外は全て地元の常連さんだったと思うんですけど、異常〜に歌の上手いおじさん、味のありすぎる可愛い老人2人組、めちゃくちゃフレンドリーなお兄さんなど、全員のオーラが超ハッピー!
カラオケはほとんどが沖縄民謡中心で、「うわ俺、今沖縄にいるんだな〜」と最も感じた瞬間かもしれません。
自分たちのような観光客にも親しくして頂き、さらにガンガンに酒の奢りがやって来る!
めちゃくちゃ幸せな時間でした。
…が、地元の方々と違って未熟で、かつお酒も弱い僕、ここで思いっ切りお酒に飲まれてしまい大泥酔。
この後、合流予定だった沖縄の友達、そして同行の妻に、多大なご心配とご迷惑をかけてしまいました。
この場を借りて再度、謹んでお詫びさせて頂きます。
とにかくこのように、沖縄とは切っても切れない関係にある、おでん。
今回メインで紹介させてもらいたいのは、このおでんと、さらに泡盛までが飲み放題で、なんと2,000円ポッキリ!という、とんでもないモンスター店です。

おでん専門 おふくろ
時間は初日に戻りまして、ナオさん一行と我々夫婦でやって来ました、ゆいレール県庁前駅そばの「おふくろ」さんです。
看板には美味しそうなおでんの写真に“食べ放題・飲み放題 お一人様2,000円”の文字。
予備知識はそんなに入れてないので、にわかには信じがたいのですが、とにかく店内に入ってみることにします。
するとまず圧倒されるのがこちら。

巨大なおでん鍋!
全体的に素晴らしい茶色ですね。
いや〜テンション上がるな〜。
左上の赤いのはトマトでしょうか?
これらが本当に食べ放題なら、それだけでも来て良かったです。
ところがですね、沖縄の懐、またしてもこちらの予想を遥かに超えて深かったんですよね…。
いったん深呼吸してもらっていいですか?
なんと…

この!

カメラに収まり切らない沖縄料理の数々!

刺身まで!
全て食べ放題なんですと!!!
どうなってんでしょうか?
本当の本当にこれ、全部食べちゃっても、お店的になんくるないんですかね?
着席することも忘れて写真を撮らせてもらったわけですが、いったん深呼吸なきゃいけないのは僕の方です。
席に着きましょう。
メニュー表のシステムを確認しますと、まず“手造りあつあつおでんが食べ放題♪”とあります。
泡盛は、轟、忠孝、かりゆし、まさひろの4銘柄が“無制限”とあります。
ソフトドリンクも“無制限”で、変わった所ではルートビアなんかもありますね。
さらに、“生ビール(麦職人)3杯まで又は酎ハイ(梅・レモン)5杯まで”も値段の中に含まれているそうです。
生を3杯頂いて、あと酎ハイを2杯という組み合わせまでオッケーだそうで、はい十分です。
で、加えて先ほどの色とりどりの沖縄料理も食べ放題である、と。
とんでもないです。
ちなみに単品の注文も出来るようですが、おでんは“ちくわ”などの100円モノから、一番高い“チマグ(豚足)”が500円と、わりかし普通の価格帯。
どう考えても食べ飲み放題コースがお得そうです。
すみません、やっと本題となりますが、注文していきましょうね。
おでんは専用の用紙に数を書いて渡し、その他の料理はバイキング方式です。

何はともあれ!
お刺身を。
すみません、全部はわかんないんですが、マグロと、手前はブダイとかでしょうかね。
新鮮で文句無しにうまいです!
東京の沖縄料理屋なんかではなかなかいい値段を取られてしまう、

海ぶどう
も、ワッサーっといくらでも取り放題!
サラダ感覚で豪快に食べることすら可能ですが、やっぱり1房ずつチビチビプチプチと頂くのがうまいですね。

ソーメンチャンプルー
定番ですがこれまたいいお味。
しかしお腹にたまりそうなメニューなので用心しながら。
そして大好物の

スーチカー(塩豚)!
軽く炙ってあるので、スーチカーの濃厚さに加えてこんがりと香ばしい風味!
奥に写ってるのはニガナって野菜の和え物で、他のお店でも何度か食べましたが、ニガナっていうだけあって苦かったです。
さっき載せた写真を見て頂ければわかると思いますが、とにかくメニューが豊富なんで、とても全部は紹介し切れません。
とにかく夢中で食べた!そしてビール、酎ハイを心ゆくまで飲んだ!
しばししたらお酒を泡盛に切り替えます。
とは言え、どうやって提供されるかもわからないので、「端からいってみましょう」と「轟」を注文。
すると、

ドスン!
っと陶器のボトルごと!
今夜は全員でこいつとじっくり付き合うことになりそうですね…。

水も氷も惜しみなく!
沖縄では、水と氷で金を取るっていう感覚はあまり無いようです。
ちなみに左下にさりげなく写ってるのはカキフライ。
こんなものまで食べ放題なんですよ。
…はぁ、やっとおでんまで辿り着いた。
もう一度おさらいすると、今までの飲み食い、1人2,000円以上は断じて払ってませんので。
さらに、こちらのメイン料理であるおでんが、いくらでも食べ放題なわけで、まずは主役級を盛り合せでドカンと。

フゥー!
普段我々が想像するおでんとはだいぶ違いますね。
そしてさっき見たの、やっぱりトマトだった!
辛うじて形を保っているはち切れんばかりのその身が艶かしいです。
その右側がおふくろの最高級品、チマグ(豚足)。
上にちょこんと乗ってるのが牛アキレス(確か)。
左側テビチ(スネ肉)。
テビチと言えば豚足を指すものと思っていましたが、ここではテビチ→スネ肉、チマグ→豚足、という分け方のようです。
調べてみると、現在は沖縄でも豚足のことを呼ぶことが多い“てびち”、伝統的には脛(スネ)、つまり膝から踝までの部位を指すことが多かったようで、つま先、蹄、つまりいわゆる豚足のことは“ちまぐー”と言ったそうで、それに乗っ取った分類というわけですね。
このボリュームたっぷりの一皿、ナオさんは「やっちゃんの煮物みたい」とおっしゃられていましたが、確かに同じ類のインパクトがあります。

これを幸せそうなツラ(あえてツラと表現したい)でつつくと…
ホロホロと面白いように肉が崩れ、おもちゃの様な骨がポロッと外れます。
すなわち肉の柔らかさ、トロトロ加減が計り知れようというわけで、ちょっと絵的に汚いようなんですけど、

こう!
かぶりついたわけじゃありません!
箸で突き崩しただけでこの状態なんです!
夢中で口に運ぶと、豚肉の旨味、それからゼラチン質独特の口にまとわりつくような食感、そこにたっぷり染み渡った絶品のおでんダシ。
たまんないっす。
フレッシュ感を残したトマトも絶品。
お次は

ゆば
やはり島豆腐と同じ材料で作られるゆばなんでしょうか。
コクがあっていいですね。
で、我々も割といい年の集団であるので、急速に舵をベジタブル方面に切り替えまして、

後半はこういうのがしみじみとうまい
野菜(レタスと小松菜かな)、たけのこ、たまご、ちくわぶ。
とにかく野菜、野菜が食いたい!って感じで、パッタリと肉系に手が出なくなるんですが、これまた最高なんですよね。
とくに沖縄独特の具である青菜類は、じっくりと煮込むのではなく、その都度さっとツユにくぐらせて出してくれるので、シャキシャキとした歯応えも残り、おでんとは別物と言った印象です。
では最後に、もう十分すぎる程に満腹なんですが、どうしても全員が気になっており、1つだけならなんとか食べ切れるだろう、と頼んだのがこちら!

そば
ずばり、沖縄そばの麺!
これが沖縄そばのいわゆる豚骨、かつお、塩味メインのスープではなく、おでんのツユに入って出てくる。
他の具を頼んでいないので麺のみという潔い絵になっていますが、これまたおもしろかったっですねー。
麺の味、歯応えがしっかりと感じられ、そこはつけ麺とかラーメンに近い感じ。
しかしながら味付けは、様々な具材から旨味の出たやさしいおでんのそれ。
全員であっと言う間に完食しました!
以上、沖縄のヤバさを全て詰め込んだようなすごい店「おふくろ」、お近くにお寄りの際は、是非寄ってみるといいと思いますよ!
そうそう、もう1つだけおでんに関するエピソードをお話させて下さい。
実は今回の旅行前、ナオさんと「絶対に行きましょう」と話していたお店があるんです。
それは、沖縄のおでん屋では一番と言っていいくらいの有名店「東大」さんで、ナオさんは以前一度行ったことがあり、それは最高だったそうです。
ところが今回の出発前、東大の店主さんが体調を崩され、しばらくお休みされているという情報が入って来ました。
仕方がないことなので、ゆっくりと休養を取って頂き、またお店が再開されるのを願いつつ、こちらも行ってみたかったおふくろにお邪魔したんですね。
で、先日なんですが、その東大が営業を再開されたという情報を知りました。
めでたいですね!
次回の訪沖では、今度こそ東大に行かないとなー!また沖縄に行く理由が出来ちゃったなー!
というわけで、今回はこのあたりで。
この日のこの後、我々は第84回でご紹介した「ふく木」と出会ったという時系列になっているので、ご興味ある方は読んでみて下さい!
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おでん おふくろ/グルメ・クーポンのホットペッパー
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