名店の味を気軽に堪能できる、万世グループ唯一の酒場
肉の万世っていうと関東地方を中心にチェーン展開する焼肉屋?お肉のレストラン?すいません、実は入ったことないんで詳しくしらないんですけど、かなりの有名店ですよね。
実際、僕の実家の近くにも一件ありまして、子供の頃からその字面だけはよく見てました。
で、多くの万世は郊外の街道沿いに平屋か2階建てくらいでポンとあるイメージですが、本店は随分と趣が変わります。
“万世”というくらいで秋葉原の万世橋のたもとに、周囲を威圧するかのようにドーンと10階建てのビルがそびえ立っているんですね。
創業は昭和24年。
その歴史に恥じぬ重厚感です。

まさに肉の要塞

1階エントランス
入り口もこんな感じで、多数の“万”の文字が入った提灯が、「ここから先、非日常!」というメッセージを発信しています。
また、写真の右下を見てもらうと、1階から10階までのフロア説明がずらっと書かれた看板がありますよね。
これがすごい!
地下1階はビアホール、1階は精肉店、喫茶軽食他、2階はステーキハウス、3、4階はレストラン、8階は多目的ホール、9階はすきやき、しゃぶしゃぶ、そして10階は最高級ステーキ&シーフード、など。
お肉好きの人なら発狂してしまうほどのバリエーションと、上階に行くに従って高級になっていく死亡遊戯システム。
“謎の6階”なんてフロアもあって、本店の名に恥じないエンターテインメント性をいかんなく発揮しています。
上に全部書き切れたわけではないので、興味がある方はオフィシャルホームページを見てみて下さい。
さて、この中から今日ご紹介するのは、上記のどれでもないお店です。
目指すはお勝手口的なこの通路。

ビヨンビヨンしてるラーメンが目印
ここを進んで行くと、あったあったよ。

万世橋酒場!
酒場という響きは、やはりどこか世を忍ぶというか、人目をはばかるこんな場所が似合いますよね。
というわけで「万世橋酒場」さんです。
入り口前に「食券をお買い求め下さい」と食券機があるんですが、万世の名物の1つであるパーコー麺を始めとした、ラーメン屋さん的なメニューしかありません。
「あれ?」と感じると思うんですが、ここ、夕方5時まではラーメン屋、5時からは居酒屋になるらしく、食券は買わずにずんずんお店に入ってしまって大丈夫です。

店内
元は立ち飲み屋だったようですが、現在は全席椅子完備。
素晴らしく大衆的な内装ながら、建物自体は新しいので清潔です。
5時を過ぎているとはいえラーメンがメニューから外れるということはなく、ラーメンだけを食べてる方も多いですね。
なんとなく、手前側がラーメンゾーン、奥でぐるりと折れ曲がったカウンター側が飲みゾーンという住み分けが出来ています。
暑いんでさっそく一杯。

ホッピー(390円)
つめたくてうめ〜!(バカの感想)
焼酎はキンミヤで、追加のナカは200円。
まずは軽いものをとっておいて、肉系を吟味しよう。
と注文した、

もやしナムル(100円)
これがいきなりものすごいうまさ!
もやしの他に、キャベツ、ニラ、ニンジンなどがたっぷり入って、ほら、あれですよ、ちゃんとした焼肉屋で食べる、ちゃんと一品料理になってるナムル!
さすがは肉の万世ですわ。

揚パーコー(390円)
パーコー麺が名物ってんだからこれを食べなくちゃね!
パーコー(排骨)とは、中国語で豚などの骨付きあばら肉を指すらしく、転じて日本ではこの、豚のあばら肉に卵と小麦粉の衣をつけて揚げたものがメジャーになってますよね。
お恥ずかしながら、途中まで無意識に鶏肉だと思って食べちゃってたんですが、それくらい肉質がプリッとしていてしつこさがなく、サクサクの衣にベストマッチなんですよ!
タレの甘味と酸味、それからネギの辛味、衣の香ばしさが素晴らしいバランスで存在しており、またまたすさまじく絶品!
はい、万世橋酒場との一方的な信頼関係(こっちが勝手に信頼してるだけ)構築完了です。
もう何を頼んでも間違いないな、と。
だからこその、

もつ煮(300円)
なわけです。
前にも書いたかもしれませんが、僕は意外と“どこの飲み屋に行ってもとりあえずもつ煮を頼む”ってことはないんですよ。
だってもつ煮って、普通に臭みある時とかあるし、まず単純に他に好物がたくさんあるので。
ただ逆に、こうレベルが高そうなお店に来るともつ煮を試してみたくなる。
名店のもつ煮には何度も驚きをもらってますからね。
これが大正解!

アップ
見てくださいこの、1階から10階までで大量に肉を扱ってるからこそ出せる、モツのバリエーション。
無論、肉のプロですから、下処理も抜群。
きちんと旨味と食感を残して、臭みは全て取り去られています。
この煮込みの濃厚でうまいこと!
実は僕、センマイ(左上のやつ)ってあんまり得意じゃないんですよね。
理由は見た目が怖いから。
けど万世橋酒場には固く信頼を誓った身ですから、そりゃあ食べましたよ。
で、ちゃんと美味しく頂けました。
とにかくこの300円は、価値ありですね〜!
他にも串揚げ一通りとか、焼売や唐揚げ、焼きカルビとかの一品料理など色々とメニューはあるんですが、1人で来てると食べられる量は限られますからね。
気になるところで、こちらをお願いしてみました。

煮玉子(100円)
まさかだったんだよな〜。
おぼろげに白身が真っ黒になった濃厚甘辛系のやつが届くと想像してたんですが、正反対。
上品極まりなく、思わず「京都!京都!」と叫んでしまいそうな1皿が到着しました。
これがね、めっっっっっちゃくちゃうまい!
具体的に言うと、出汁がすごい。
カツオ(たぶん)の旨味が隅々まで行き渡った黄金色の出汁。
これが噂に聞く、黄金出汁ってやつなのか…?
ホラ、カツオと昆布をあれこれどうこうするっていう。
とにかく上品なんだけど物足りなさは皆無で、玉子にまできちんと味が染み込んでます。
「あ、煮玉子だ。100円だって。これにしよ〜。」
みたいな感じで頼んでしまったことを申し訳なく感じちゃうくらい。
辛子がパックなのもカワイイですね。
すでにホッピーは飲み終わって萬世(390円)という芋焼酎をロックで頂いたんですが、まことによく合いました。
そんで、気になってしまってさらに追加したのが、

ジャガすじ煮(150円)
これもちょっとメニュー名からは想像つかないですよね。
たださっきと同じ出汁が使われているんだとしたら、ジャガとすじ、どちらにも目がない僕には、しめしめってやつだぞ…、と思って頼んでみたら案の定!
すでに僕の大好きな汁ベスト10に食い込んでしまった、万世の出汁。
これで綺麗〜に両者を煮てあります。
牛スジを使ってるのに脂がほとんど浮いてないので、下処理には大変手間をかけられているのでしょう。
柔らかく煮込まれたスジとこの出汁のマリアージュは新体験ですよ!
それからじゃがいもがおもしろい!
箸で割った断面ですが、

あ〜うまそう
一度素揚げでもしてあるの?
表面のみが色付いて、すごくコクがあるんですけど中は滑らか。
これ、どういう製法なんでしょう?
なんか今日は自分の味オンチっぷりばかりが目立つ記事になってる気がしますが、誰かお料理の得意な人がいたら教えて下さい!
は〜とにかく、特に大きな期待をして入ったわけじゃなくフラリと入ったんですが、面食らうほどに素晴らしかったです、万世橋酒場。
秋葉原に来たらまた寄ろうっと!
それでは〜!
…って、まだ終われるわけないんですよ!
万世に来たらこれを頼まないわけにいかないでしょ!

万かつサンド(680円)
大きな駅の売店などでも販売されているので、目にしたことがある方も多いんじゃないでしょうか?
かつては後楽園球場や小田急ロマンスカーの車内販売で知名度を上げ、万世躍進の大きな鍵となった名物メニューです。
ここ本店の万かつサンドは、先ほど“謎の6階”と書いた集中調理室で作られており、まさに工場直送!
680円はそりゃあ高級ですよ。
だけどかつサンド好きの僕のこと、ここで食べないわけにはいかないんです。
ところで上の写真ですが、「なんで外なの?」って感じですよね。
実はメニュー写真の下に“おみやげ出来ます”の表記があり、「おみやげか、それもまた一興」と何気なく包んでもらうことにしたんです。
けど今ネットで見たら、店内で頼むとサイドにポテトが付くらしい!
うわぁ!そっちの方が得だったぁ〜!京都!京都!
…けどまぁいっか。
っつうわけで、この万かつサンドは、おみやげにした意味など全くなく、万世橋酒場を出てすぐのテーブルのところで頂いたんですけど、夏の夕方の風を感じながら食べるのもまたオツなもんでした。

パカッ
ジューシーで、ボリューミーで、フルーティーで、想像の5倍柔らかく、ヒレカツのように気取ったところがなく脂身もたっぷり。
食べながら、「これ以上うまいものってこの世にあるかな?」と考えたら、その時は思いつきませんでした。
あの豪華な万世本店ビルに、こんなに気軽に楽しめる酒場があったと、今回も嬉しい発見が出来ました。
それではあらためて、秋葉原に来たらまた寄ろうっと!
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秋葉原でのグルメ情報、ラーメンや立呑み酒場は万世橋酒場へ:肉の万世/秋葉原本店
万世橋酒場 まんせいばしさかば - 秋葉原/立ち飲み居酒屋・バー [食べログ]>
告知
2013年9月15日(日)
ベトナムフロア9月15日(日)11:00〜19:00 終日
※ベトナムラウンジとは別
ベトナムフェスティバル2013 Vietnam Festival 2013
開催時間 / 11:00〜19:00
当日料金 / 無料
出演 /
showgunn
nza
ama
パリッコ(15:00〜)
他