大衆酒場ベスト1000

2013年09月19日

第91回「貫井浴場(中村橋)/ハンバーグ定食」

また発見してしまった…極楽を!

僕、銭湯が大好きなんですよ。

例えば、友人との待ち合わせまで街中で1時間でも空いてたりすると、ここぞとばかりに銭湯に飛び込んでしまいます。
仕事で外に出たりする時も、行き先の付近に銭湯がないか下調べしておいて、無事仕事が片付いたらひとっ風呂浴びてから帰ったりします。

あの風呂上がりの究極のサッパリ感と、全身が緩み切った感じ。
なんかこう、心地の良い空気の層にしばしの間体が包まれているような、家庭のお風呂では味わえない独特の気持ち良さがありますよね。
人間の三大欲求というと、食欲、性欲、睡眠欲ってことになってるようですが、ここに是非“入欲”も足してやって欲しいもんです。

で、銭湯の脱衣場にかなりの確率で存在するのが、よく冷えたコーヒー牛乳、ではなくて、僕が興味があるのはその横の缶ビール!

風呂上がりにグイッといくと、たっぷりと汗をかいてますから、キンキンに冷えた水分が全身に染み渡っていくのが実感されます。
※本当はこういう状態での水分補給はお水やソフトドリンクがよろしいようですが、たまにはね。

加えて一気に襲って来る“酔い”。
体を温めたことが関係しているのか、それとも銭湯に行くのって空腹な時が多いからか、とにかくビール1缶でかなり酔いが回るんですよね。

銭湯から出た後の独特の心地良さに、この酔いが加わってポーっとしている時間。
これこそが、人類最大の幸福と言ってしまってもいいんじゃないでしょうか?


ところで僕が最近気に入ってるのが「貫井浴場」さんという銭湯で、西武池袋線の中村橋という駅から10分ほど歩いた場所にあります

先日、特に予定の無かった休日に、ここにフラッと行ってみたんですよ。
理由は、よく利用している東京都浴場組合のホームページに「露天風呂がある」と書いてあったから。
昨今の急激な気温の下降によって秋の気配を感じ始めると、同時に湧き上がって来るのが、「露天風呂入りてー!」って感情なんですよね。

そしたらここがま〜、素晴らしい銭湯だった!




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近代的な外観



全体によく掃除がゆき届いており、マッサージ、バイブラ、座風呂など、基本的なバリエーションはまず押さえてありまして、とりわけ寝風呂の角度は絶妙!
ガラスの壁で仕切られた一室はラドン風呂になっています。
追加料金はかかりますが、サウナも完備。
窓の外に植えられている竹も風情があっていいですね〜。

それから肝心の露天風呂なんですが、これがまた素晴らしい!
約3畳ほどの湯船は石造りで、淵を岩で飾ってあり、そこに東屋風の屋根がかかって、温泉的な風情が感じられます。
お湯は日替わりで、漢方系だったり、爽やか系だったり、入浴剤で色々と工夫してくれてるのも嬉しいところ。
温度は40〜1度かな?
熱すぎず、ゆっくりと入るのに最適です。

昨日なんて(昨日も行ってたんです)、雲一つない空に、中秋の名月1日手前のまん丸い月がポッカリと浮かび、それが露天の屋根の間から絵画のように見えるもんですから、その美しさに思わず涙がこぼれてしまいそうでしたよ。
もちろん素っ裸で。

さらにすごいのが、その露天の向かい側にほぼ同じ大きさ、同じ作りの水風呂がある!
僕、最近水風呂に開眼しまして、5分でも10分でも入ってしまうんですが、こんなに粋な露天の水風呂がある銭湯ってのもなかなか珍しいんじゃないでしょうか?

マンションの1階にある、いわゆるビル型というやつなんですが、それを感じさせない工夫が随所に凝らされた、ハイクオリティな銭湯でございました。

はぁ〜、今日もいいお湯だった!

-完-


…って、ここで終わると「大衆浴場ベスト1000」になっちゃいますね。
長々と本番に入らずお湯の感想ばかりすみません。

ここ貫井浴場の凄さは、実はこれだけじゃないんです!

こちらに初めて伺った時、番台の左側に男湯と女湯の入り口があるんですが、その逆側に、お風呂への入り口ではない木組みのガラス戸を発見しました。
奥はなにやらお座敷のように見えます。
そこで帰りがけ女将さんに「こっちの部屋は何ですか?」とお聞きすると、「食堂になってるんですよ。営業は夕方からなんですけど。」とのこと。
その時はまだ日が高かったんで諦めて、壁にかかっているメニューだけはチェックしてみたところ…

生ビール各種サワーホッピー冷酒ソフトドリンクラーメンやきそば肉うどんカレーライスとんかつ定食ナポリタン唐揚げカキフライおでん肉じゃがねぎとろフライドポテト枝豆たこ焼きいかげそ揚げやきとり…etc etc!

とてもここには載せきれませんが、すごい!これ、もはや居酒屋じゃないですか!

こりゃ〜出直すしかないってことで、お馴染みの練馬仲間である安田理央さん、大木テングさんをお誘いし、とある平日の夜に再訪することにしました。


さて、その日がまた劇的な1日となったんですが、順を追って書いていきましょう。

まずは19時半頃、仕事を終えられた安田さんと中村橋で合流します。
到着までもう少しかかりそうという大木さんを待つため、商店街の焼鳥屋「川名」さんにイン。




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阿佐ヶ谷の名居酒屋「川名」の系列店でしょうか?未調査です。



ここでほんの軽〜く飲みながら大木さんを待ちます。




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どうでもいいけど、いい時に来たな!



ところで実はこの日の昼間、安田さんから「今日、寺田克也画伯も呼んでみていいかな?」とメールが来てたんですよ。
寺田克也画伯について、説明は…不要ですよね。


「え、寺田克也さん…あのですか 今日行くの、銭湯なんですけど…」と、混乱状態に陥りながらも、もし先方が問題なければもちろん大歓迎ですとお伝えしました。

すると、川名で安田さんの携帯に連絡が入り…

「来るって」

とのこと。

軽っ!

いや、安田さんにとっては飲み仲間なので自然なことなんでしょうが、10代の頃からそのとんでもない絵の数々を幾度となく見続けて来ている大先生。
心の準備が全く出来てません。

しかししばらくすると、その日練馬区方面で用事があったという寺田先生が本当に到着!
大物2人が目の前に並んでいるという状態でアワアワ飲んでいると、大木さんもいらっしゃり、あらためて目的地である貫井浴場へ移動します。

それでは、とメンバー一同、まずは銭湯を堪能。
川名での酔いもリセットされたところで、いよいよ食堂に潜入します!




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渋い!



ここが夢にまで見た(大げさ)貫井浴場の食堂か。
最高じゃないか!

随分と贅沢な空間の使い方というか、かなり広いですね。
奥に見えるのは、カラオケステージでしょうか?




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入り口付近にはテーブル席もある



ガラス戸の向こうが番台です。
注文は、番台にその都度食券を買いに行き、




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こちらのカウンター



へ持っていくシステム。

では、宴を始めましょう!




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ホッピー(400円)



嬉しい柿ピー付き。
企業ロゴなどが入らない家庭的なグラスが逆に新鮮です。
ナカもたっぷりで、居酒屋で出会っても嬉しいレベル。




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おかわりのナカ(200円)



でさらに量がアップするのも居酒屋的!
ちなみにこれは食券を買わなくても、現金で受け付けてもらえました。

それからおつまみですが、




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ゆでたまご(1個50円)



卵を茹でたものです。
ご存知、うまいです。




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冷奴(200円)



豆腐を冷やしたもので、これまたうまいです。

など、安心感のあるメニューが安心感のある価格で楽しめます。
“銭湯の脱衣所を出てそのまま寄れる”という場所的価値が、値段に上乗せされていないところがかっこいいです。

さらに目に付いたところで、




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さつま揚げ(380円)



ちょっと中国の大根餅のような、変わった食感のさつま揚げ。
香ばしくてしょっぱくて、酒に合いますね。




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シュウマイ(500円)



少し割高に見えますが、なかなかの大ぶりで、なにしろ“シュウマイである”という時点ですでに最強です。

風呂上がりにこういったものをつまみながら、みんなでワイワイと飲めるわけで、




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最高に楽しい!



ってやつです。

我々は20時過ぎくらいに銭湯に着いたんですが、楽し過ぎてついつい食堂の閉店時間(22時くらいだったかな?)までいてしまいました。
みなさん口々に、「どっかに旅行に来たみたいだな〜」「いやむしろ、旅行だな、これ」とおっしゃられていて、確かにその通り、この後部屋に戻って浴衣で眠れないのが不思議なくらい、非日常感のある空間でした。
飲む前に露天風呂に入ってるっていうのが、やっぱり相当大きいんですよね。

また、僕個人が感じていた非日常感の大きな要素が寺田先生の存在で、飲みながらも自分の横で、小さなスケッチブックにサラサラ〜ッと絵を描かれてるんです。

喋りながら、グラスを口に運びながら、さも「落書きしてるだけです」ってテンションなのですが、その絵のクオリティがすさまじい!




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風呂に入るおじさん



胸のとこに何気なく“パリッコ”の文字まで入れて下さるサービスっぷり!
一生モノの思い出です。




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これ、夢かな?あの世かな?



お誘いしたみなさん、無事楽しまれていたようで、寺田先生にも「いいところ教えてくれてありがとう」なんて言って頂き、一安心。
貫井浴場で初めて飲んだ日は、自分史に深く刻まれた1日になりました。


さてこのように何人かで宴会をするのに最適な貫井浴場ですが、僕の場合、家と職場の中間地点にあり、ふと「風呂でも入って帰りたいな〜」って思った時なんか、途中下車して寄ることが出来るんですよ!
羨ましいでしょう?
へへ、まぁみなさんのお家の近くにも、きっとそういう素敵な場所ってあると思うんで、是非探してみて下さい。
そして、よかったら教えて下さい!

でまぁ、宴会も最高なんですが、1人ならではのこんな楽しみ方も出来るんですよ。




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ハンバーグ定食(700円)



をいっちゃうとかね!

これまた、有名店の肉汁たっぷり絶品ハンバーグ!とかとはベクトルが違うんですが、家庭的で素朴な美味しさです。




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けっこうなビッグサイズ!



これを箸で割って口に放り込み、どこかおばあちゃんの家を思い起こさせる、やわめに炊かれた白米をガシガシとかき込む!
「俺は今、食欲を満たしている!」という根源的な喜びを感じられますね。




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それにしてもこの光景



隣のご夫人はナポリタンとコーンサラダ、前のおばあ様は肉うどんと餃子でビール、あっちのおじさんは焼鳥にサワー。
みなさん思い思いに楽しまれていて、なんだか勝手に嬉しくなってしまいます。

TVでは当たり前のように昭和歌謡番組が流れ、目の前にはハンバーグ定食とホッピー。
で、風呂上がり。

究極の幸せの1つの正解が、ここにあるんじゃないでしょうか?


ちなみに中村橋には、貫井浴場より手前に、湯の花が浮かぶ風情ある露天が素晴らしい「ニュー銭湯和倉」さんという銭湯もあります。




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駅から近いので、前からここにはよく行ってた



徒歩県内に露天風呂のある立派な銭湯が2軒もあるなんて、中村橋住民のみなさんが羨ましいな〜!

これからも居酒屋と合わせて、銭湯の開拓にも勤しんでいきたいと思います。
それでは〜。





より大きな地図で パリッコの「大衆酒場ベスト1000」 を表示
貫井浴場(東京都浴場組合(東京都公衆浴場業生活衛生同業組合))




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posted by パリッコ at 13:05 | Comment(0) | 第76回〜第100回
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