衝撃の居酒屋100円ショップ、これぞまさに“大人の駄菓子屋”!
本編の前に告知を1つ失礼します。
この連載「大衆酒場ベスト1000」の書籍版、第2弾が完成しました!
と言っても今回も自費出版、いわゆる薄い本なんですが、その分レア度だけは高いアイテムとなっております。
希少価値があるかは別として。
書籍化特別企画の酒場対談のゲストはなんと、「東京都北区赤羽」の清野とおる先生!
こちらのページに詳細があります!
通販も開始しましたので是非よろしくお願いします〜。
また、これに合わせまして、以前作ってすでに在庫が無くなってしまった第1巻のAmazon Kindle版(電子書籍)も販売開始されました。
Kindle専用端末の他、お手持ちのスマートフォンでアプリを落として頂ければ読むことが可能ですので、よかったらチェックしてやって下さい。
ネット上では読めないチミドロのスズキナオさんとの対談も、もちろん収録されてますよ〜。
では本題へ。
はっきり言って今回、衝撃度だけで言えば100回近い連載の中でもトップクラスだと思います!
まぁサブタイトルでなんとなく察しは付いていると思いますが、要するにそういうことです。
さっそくいってみましょう!
事の発端は今年の3月26日でした。
趣味の無目的街歩きで、池袋から北区方面をふらふらしていると、とある看板が僕の目に飛び込んで来たんです。
なんでそんなにはっきり覚えてのるかって?
いや、あまりの衝撃にその場で

インスタグラム
にアップしてたからです。
あ、インスタグラムってのは、写真を撮ってネット上にアップしてみんなで眺めたり褒め合ったりする、いわゆる“いいね!”系サービスの1つです。
で、見て下さいこの看板!
「飲み物 食べ物 な〜んでも100円 居酒屋」
って書いてありますよ?
この看板の内容を分析するに、つまりここは“居酒屋”であるからして“お酒”や“おつまみ”を提供しており、それらが“な〜んでも100円”ということになります。
…鵜呑みには出来ないですよね?
しかし興味は津々です。
以来ここは僕の「あの店気になってるんだよな〜」リストに追加されました。
ただこちら、「なんでこんなとこに!?」っていう地味な立地にありまして、家の方向ともまるっきり逆だし、なかなか行けずにいたんですよね。
そんな風にすごしているうちにチラホラと、ネットやTVで紹介されたなんて情報を目にするようになりました。
どうもなかなかいいお店というのは間違いないようです。
こうなって来るともう、「うわ〜これ以上何も見たくない聞きたく知りたくない!自分の目で確かめたい〜!」と居ても立ってもいられず、半分狂ったようになりながら、仕事が終わるや否や猛ダッシュでお店へと向かってみました。
今日はそこで体験した一部始終を記させてもらおうと思いますので、どうぞお付き合い下さい。
いつか行ってみたいという方にとっては、注文システムなどの予習用にも利用して頂けるかと思います!
お店の名前は「SHOWA」さんといいます。
なかなか謎のセンスですね。
電車で行くならばJRの板橋駅、都営三田線の西巣鴨駅、都電荒川線の新庚申塚駅あたりからになりますが、そのどこからも微妙に近くない位置にポツンとあります。
住所でいうと「北区滝野川」となり、この地域、街並に昔ながらの雰囲気が残り、しかもこじんまりとした商店街が15個もあるとかっていう、なかなかおもしろいところなんですよね。

夜の滝野川の雰囲気
で、SHOWAがあるのがここ、

御代の台 仲通り商店街
になります。
商店街といっても飲食店は少なくて、夜に営業してるお店はほとんどないというかなり寂しい通りなんですが、ここだけは別!

SHOWA
時間は18時過ぎですが、店内はすでにけっこうな賑わいです。
あまりお客さんを写してしまってもあれなんで、もうちょっと寄ったこの写真で、雰囲気だけでも感じて下さい。

DOPE!
TVのバラエティーなんかでPOPに紹介されたりもしたようですが、客層は年季の入ったおじさまたちが中心。
はっきり言ってかなりDOPEと言わざるを得ません。
では入店。
中央に立ち飲み用の大きなテーブルがあり、常連さんたちはここで楽しげに語り飲んでいらっしゃいます。
壁際に添ってカウンターテーブル、椅子が並んでいて、こちらは座って少し落ち着いて飲める感じ。
基本セルフサービスで、店の奥まで進むと厨房と受付があります。
厨房の中はけっこう広いように見えますね。
女将さんが忙しく注文などを捌き、若い女性の店員さんがお金などのやりとりを担当されてます。
前に立っても特に声をかけられたりはせず、「どうしたらいいのかな〜?」なんてドギマギしながら、さらに店内を物色。
窓口カウンターの周りには、様々な料理や素材が並べてありますね。
中でも大きなガラス扉の冷蔵庫が目を引きます。
中を覗くと、

おいおい…

マジで全部…

100円みたいだぞ!
しらすおろしや厚揚なんかはギリギリわかります。
だけど、イカのホイル焼とか一夜干しを見て下さい、イカが丸々1匹!
大ぶりの鮭の切身が3切れとその他の具材もたっぷり入った、石狩鍋なんてのもありますよ!
一番衝撃的なのが鮭ハラス。
よく鮮魚店やスーパーで見る大ぶりのハラス。
あのたっぷり脂が乗って、カリッと塩焼きにしたらたまんないやつ。
それがデローンと4、5切れずつ乗って、やっぱり100円です!
いかに脂好きの僕でも、「1人でこれは無理かも…」と躊躇して、結局最後まで頼めなかったですよ。
それくらいのインパクト!
これはとんでもない店に来ちゃったな…。
この中からひとまず“ママの手造り”とあったポテトサラダ、それから、肉々しさの求心力に抗えず、

焼肉 ハラミ
を手に取って、カウンターに向かってみます。
それらを提出すると、「お飲み物は?」と聞かれ、慌ててメニューに目を通し、ホッピーを注文。
するとホッピーの入ったジョッキ、ポテトサラダ、それから、2枚分ちぎった10枚つづりのチケットをくれました。
価格は1,050円。
※面倒なんで以降消費税は割愛します
そう、ここは前金で10枚つづりのチケットを購入し、それを商品と交換するシステムのお店なんですね。
余ったら次に使えるそうです。
チケットにはミシン目が入っていないので、雑な感じで印刷に添ってビリッと破くんですが、その感じもまた楽しい。
ちなみにさっきちぎられた分、なんで3枚じゃなくて2枚なのかというと、焼肉は一度厨房で女将さんが調理してくれるので、出来てから交換となるからです。
さぁさぁ、やっと酒にありつけますよ。
控えめに椅子席の端を陣取り、

頂きます!
ホッピーはセットではなく、あらかじめ割って出してもらうタイプですね。
ジョッキの大きさは、一般的な居酒屋の中ジョッキよりは小さめ。
100円ならば何の文句も無い、というサイズです。
ポテトサラダがすごい!
ジャガイモをほぼ潰していないゴロゴロタイプなんですが、他の店でもなかなかお目にかかれない量!
カニカマや何種類かの野菜も乗って、色んなつまみを食べつつ箸休め的に楽しんで、最後まで持ってしまったくらいです。
優しい薄味なので、お好みでソース、七味、塩などの卓上調味料を振ってもいいでしょう。

今日はわかりやすく図説していこうと思います
しばらくすると、店員さんが「ハラミの方〜!」と呼んでくれます。
基本的にこちらのお店、ほとんどの料理に一手間加えてくれるので、この声がひっきりなしに響いております。

ハラミ焼き
盛り方は素朴ですが、すごくうまいですよ!
ちゃんと柔らかくて、ちゃんと濃い肉の味。
「肉食った!」って充実感が嬉しいです。

レモンサワー
を追加して、

まだ半分以上ある
たった1,000円で抱かせてもらえる、この心の余裕はすごいっす。
少し店にも馴染んで落ち着いて来たので、さらに店内を詳しく見て回ってみましょうか。

バイキングコーナー
専用のお皿が用意してあって、もちろん1種類100円です。
「見本の量を取って下さい」という客任せの裁量に、お店柄の良さが表れてますよね。

おでん
は1ネタ100円だけあって、どれもビッグサイズ。
さらにすごいものを見つけました。

0円メニュー!
にんにく漬7粒100円の横の瓶、“うまくないらっきょう 0円”と書いてあります…。
うまく漬からなかったからお金は取れないってことなんでしょうか?
しかしいくらなんでも、こんだけ激安つまみが充実したお店で、無料のらっきょうは注文し辛いですよね。
しかもうまくないって言っちゃってるし!
やたら高いところに置いてあるし!
だから結局いっぱい残っちゃってるし!
とにかく、常識を超えた店であるこのお店を好きになるなという方が不可能ということはわかりました。
ちなみに、これ以外にもここには乗せ切れないくらいにつまみの種類はいっぱいあります。
また、ごく一部ではありますが200円のブツもありました。

最高級 脂バッチリ キングサーモン!サバ文化干し!鯛!
「看板に偽りあり!」なんて文句が出ようはずもなく。
むしろ頼みたくて仕方なかったんですが、1人だと持て余してしまいそうで、今度誰かと来る時のための楽しみとしました。
で、その横の、これまた信じられない品、

殻付き牡蠣
こちらを注文。
自分で2つ選んで店員さんに渡します。
すると女将さんがすぐ焼いてくれまして、

どーん!
もみじおろしにレモンまで添えられて、2個で100円!
信じらんねー!
「小さいが身はプリプリ」の言葉通り絶品です。
ヤバいな、この幸せ…。
牡蠣をツルッと平らげ、今度は焼酎をいってみます。
黒霧島のロックに合わせるのは、

鯨ベーコン
これも100円ですからねぇ…。
鯨らしいクセと芋焼酎、個性と個性のぶつかり合いって感じで、なかなかエキサイティングな組み合わせですね。
ちなみに焼酎ロックは、

カクテルグラスで
初めての体験でしたが、味はまごうことなき黒霧島でした。

まだ戦える!
さて、最後に選んだのが「お好み焼き」なんですが、これまたすごすぎた!
バイキングコーナーの近くに、すでに一度焼いてからズラッと並べてあって、好きなのを取っていいシステムだったんですが、もうどう見ても、明らかに、1個がバカでかいんですよ。
「これ、1人で食うもんじゃないよなぁ…」ってくらい。
でもその時、この記事のことが頭をよぎっちゃったんですよねぇ…。
いや僕、居酒屋に行く時、極力自分本位で、連載のこととか考えずに楽しむようにしてるんですよ。
だけどここ、ネタとしては最高だし、ここまでですでに「うわ、ここ絶対紹介出来るな!」って気持ちになっちゃってる。
そこに来て、このバカでかいお好み焼き…「インパクトあるだろうな〜、みんな驚くだろうな〜」という気持ちを抑え切れず、「え〜い!」と受付に持っていってしまったんですね。
そこから女将さんがもう一度火を入れてくれ、ソース、マヨとたっぷりの薬味を乗せて完成したお好み焼き、まぁちょっと見てやって下さいよ。

圧巻!
伝わらないかな〜…、一応奥に写ってるiPhoneやジョッキが目安になるでしょうか?
も〜、とにかくでかい!
目測で、高さ2.5cm、直径15cm。
しかもすごいのは大きさだけじゃなく、スッと箸で割ると具がゴロゴロ。
イカが惜しげもなく入って、カリッと火の通った豚肉がどーんと横たわって、お好み焼きなんて粉とキャベツだけで作って原価を押さることだって可能でしょうに、こちらが申し訳なくなるくらいに豪華です!
あ〜、うまい!
これが現実とはちょっと考えにくいですが、一体どうなってるんですかね…。
ドリンクをゴクゴクいける

ウーロンハイ
にシフトチェンジし、モグモグモグモグ、ひたすらに食べ続けます。

15分(体感時間)経過…
かなり満腹ですが、まだ今川焼1個分くらい残ってるな。
…後半減らねぇ!
それでも美味しいんで、ウーロンハイをおかわりしてなんとか完食し、

ついにHPゼロ
胃の残り容量もゼロ。
ここまでで、正真正銘1,000円!(税込1,050円)
色々と安い居酒屋に行って来たけど、1,000円でここまで色々飲み食いして、満足出来たとこってあったかな?
とにかくすごすぎるお店でした。
感服っす!
というわけで、100円均一居酒屋SHOWA、子供の頃100円玉を握りしめて駄菓子屋に行き、10円のお菓子をあれこれと迷いながら買った、まさにそのままの感覚が味わえる楽しすぎるお店でした!
ここに集まる無邪気な酒好きおじさんたちにも、きっとそんな子供時代があったんだろうな〜。
では!
より大きな地図で パリッコの「大衆酒場ベスト1000」 を表示
SHOWA - 板橋/立ち飲み居酒屋・バー [食べログ]
告知